ゆたかなくらしって? まち×お店
【団地のお店】会話から心地よいつながりが生まれる古本&喫茶店。豊成団地で見つけたお店「真本堂」

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団地の中には、住宅だけでなく花屋や書店、飲食店、カフェなどがあることをご存知ですか? 全国の団地で、地元の人に愛されている名店を調査!
今回おじゃましたのは、愛知県名古屋市の豊成団地にある古本&喫茶「真本堂(まほんどう)」です。
本と人、人と人の出会いの場
JR東海道本線「名古屋」駅からバスに乗って12分程度でアクセスできる豊成団地。その2号棟の1階にあるのが古本&喫茶「真本堂」です。

2023年秋に名古屋市の熱田区からこの地に移転した「真本堂」。店主である菅沼さんはもともと小学校の校長先生で、定年退職後に「真本堂」を営業し始めました。

店内には、話題の本を始め、文学、人文、哲学・思想、ビジネス、児童書、絵本など、菅沼さん自身が読みたい本や、タイトルが面白いと思った本などが並んでいます。


小学校を退職後、第2の人生を自分の力で切り開きたいという思いから、本はもちろん、人との出会いも応援できるブックカフェをオープンすることにしました。
教員だったころ、保護者や子どもたち、そして職員同士のつながりが心地よかったんです。私だけでなく、こんなつながりを求めている人が多いと感じていたことが、このお店のもとになっています。
「こんな本があるよ」、「こんな人がいるよ」と、本をきっかけにつながりが増えればうれしいです。
店内では、コーヒー、紅茶、ジュース、抹茶ラテ、ハーブティーなどのドリンクと、アイスクリーム、ホットケーキ、ぜんざいなどの喫茶メニューをいただくことができます。ドリンクを提供する際に使っているカップは、お客さんが作ってくれたものです。

レンタルボックスも置かれており、スペースをレンタルすると、ハンドメイド雑貨の販売など自由に使うことができます。菅沼さんが校長先生だったころに生徒だったという、高校生による推薦図書コーナーもありました。

読み切っていなくても大丈夫!アットホームな「読書会」
「真本堂」では、週末を中心にさまざまなイベントが行われています。この日開催されていたのは「読書会」。2カ月に1度、10名ほどのお客さんが集まり、事前に決められた課題図書をテーマに話し合います。

この日の課題図書は、夏目漱石の『草枕』。一人が進行役となり、おのおのの疑問点や気付いたこと、感想などを議論しました。小さなことでも活発に意見交換が進み、みなさんがリラックスして参加していることが伝わってきます。
参加者の中には、途中までしか読むことができなかった人も。そういった場合も、ほかの参加者の意見を聞くことで、興味をそそられ再読につながることもあるのだそうです。

「読書会」は「真本堂」オープン後に初めて行ったイベントで、今も続いています。有名だけど参加者のみなさんがまだ読んでいない本や、純文学、ノーベル文学賞作家の作品など、ただ面白いだけではなく、会話の種になり歴史や芸術などほかのことに視野が広がるようなものを選んでいます。
イベントは、読書や朗読、絵本といった本に関するものから、語学講座、哲学カフェ、アート作品のワークショップ、楽器演奏会、スキンケア講座など多岐にわたります。

最初はお客さんの中で得意なことがある人に先生になってもらう形で、イベントを始めました。そのように一つ一つの出会いを大切にして、頼まれたらこの場所を貸すようにしていたら、現在のようにどんどんイベントが増えていきました(笑)。
お客さんは職業や得意なことがさまざまで、教員時代とは逆の立場でみなさんに教えていただいています。

誰かと話したいときにも立ち寄ってOK!
人との出会いを大事にしている菅沼さん。つながりをつくる上で大切にしていることを聞きました。

とにかくお客さんとの会話ですね。初めていらっしゃった方には「どこからいらっしゃったんですか?」、「どんな本が好きですか?」と話しかけており、そこで会話が弾むと、リピーターになってもらえます。
このように積極的に話しかけているのは、このお店がお客さんにとって居心地の良い場所であってほしいと思っているからです。コミュニケーションに苦手意識がある人にもぜひ立ち寄ってほしいですね。少しでも人と話すと気持ちが楽になることもありますよ。
前職の経験もあり、悩んでいる人、不登校や引きこもりの学生に掛ける思いはひとしお。ゆくゆくはそんな悩みを抱えている人の社会復帰を応援する店員体験などもできるようにしたいと考えているそうです。

菅沼さんにいまおすすめの本を聞くと、『神の味噌汁』(秀和システム)、『蔦重の教え』(飛鳥新社)を教えてくれました。『神の味噌汁』は著者の鬼頭誠司さんが名古屋生まれなこと、『蔦重の教え』は2025年の大河ドラマの主人公として蔦屋重三郎にスポットが当たっていることから選んでくれました。どちらも働く人を応援してくれる作品です。

一度訪れれば、たくさんの本や、菅沼さんと常連客のみなさんのほがらかさに元気をもらえるお店です。ぜひ足を運んでみてください!
周辺環境もチェック!
「名古屋」駅まで自転車圏内!新しい街「ささしまライブ」もすぐ

団地内にはシェアサイクル「カリテコバイク」のサイクルポートが設置されており、近くの「名古屋」駅まで気軽にサイクリングすることができます。団地近くのバス停からは繁華街「栄」駅へのバスも出ており、お出かけや買い物、遊びにも便利です。
また大規模再開発エリア「ささしまライブ」周辺には、商業施設「マーケットスクエアささしま」、「グローバルゲート」、愛知大学 名古屋キャンパス、ライブ会場「Zepp Nagoya」などが立ち並び活気にあふれています。


店主の人柄と人とのコミュニケーションが温かい!古本&喫茶「真本堂」
- ・店主は元小学校の校長先生。定年退職後に「真本堂」をオープン
- ・話題の本を始め、文学、人文、哲学・思想、児童書、絵本など、店主が読みたい本や面白そうと思った本などが並ぶ
- ・定期的に読書会や朗読会、語学講座、ワークショップ、楽器演奏会などのイベントが行われている
- ・UR賃貸住宅には、敷地内に商店街や飲食店、カフェがあるところも
愛知県名古屋市中川区豊成町1
あおなみ線「ささしまライブ」駅から徒歩12~15分、JR東海道本線「名古屋」駅からバスで12分、バス停から徒歩2~5分、近鉄名古屋線「米野」駅から徒歩12~15分。
「名古屋」駅へは自転車でもアクセス可能。最寄り駅の「ささしまライブ」駅周辺には、商業施設やライブ会場などがあります。団地の敷地内には保育園が、また近くにも小学校があり、子育てにもぴったりです。

古本&喫茶 真本堂
愛知県名古屋市中川区豊成町1番地2号棟110号室
豊成団地にある古本&喫茶店。定期的にイベントも開催しています。
無料の駐車場あり。
最新情報は店舗のInstagramをご確認ください。- 【定休日】毎週水曜日、不定休
- 【営業時間】11:00~18:00

くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
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