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重量鉄骨の特徴。軽量鉄骨との違いやメリット・デメリット

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建物には、さまざまな種類の工法・構造があります。大まかに言えば、構造部分に何の素材を用いるかによって分けられ、木造(W造)、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などがあります。この中で、マンションやビルなど頑丈な建物の工法・構造として採用されているのが重量鉄骨。ここでは、鉄骨造(S造)について、重量鉄骨と軽量鉄骨の違いやその特性について説明します。

鋼材が厚く、より強度が高い重量鉄骨

鉄骨造(S造)の中でも、骨組みとなる鉄骨に、厚さ6mm以上の鋼材を使ったものを、重量鉄骨造と言います。柱や梁などの接合部を、ボルトで剛接合するのが特徴で、超高層を含むマンションや、ビルなど頑丈な建物の構造として採用されています。

●重量鉄骨の基礎知識

重量鉄骨とは、鉄骨造(S造)の建物に使われる鋼材のこと。
鉄骨造(S造)は、柱や梁など建物の骨組みに鉄骨を使う工法・構造で、使用する鋼材の厚みによって「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」に分けられます。鋼材が厚く、より強度が高いのが、重量鉄骨です。
ちなみに、建物の工法・構造としては、このほか、木造(W造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などがあります。

●重量鉄骨と軽量鉄骨の違い

鋼材の厚みが6mm以上のものを重量鉄骨、6mm未満のものを軽量鉄骨とするのが一般的で、建物の規模によって使い分けられています。
簡単な見分け方(あくまで鉄骨造(S造)の場合)としては、3階建て以上のマンションやビルは重量鉄骨、2階建てまでのアパートや戸建て住宅、小規模店舗などは軽量鉄骨とみて良さそうです(軽量鉄骨造の3階建てもあります)。これは、重量鉄骨の方が、より強度に優れているためです。
ハウスメーカーでよく耳にするプレハブ住宅(鉄骨系)では、軽量鉄骨が多く採用されています(近年は重量鉄骨も増えています)。
いずれにせよ、工場で柱や外壁パネルなどの建築部材を大量生産することで、比較的低コストで、安定した品質と短工期での注文住宅建築を実現したものです。

●鉄骨造(S造)の建物の耐久性

鉄骨造(S造)の建物は、どのくらいの年数を安心して住むことができるのでしょうか。国税庁では、建物の耐用年数を定めていますが、その年数は鋼材の厚みによって異なり、以下のようになっています。

  • 4mm以上:34年
  • 3~4mm:27年
  • 3mm未満:19年
    (国税庁の区分では、4mm以上が重量鉄骨、4mm未満が軽量鉄骨)

ただし、法定耐用年数は、建物の資産価値を測るための基準という意味合いが強く、イコール建物の寿命というわけではありません。
鉄骨造(S造)で、最も気を付けなくてはならないのがさびですが、適切な対策やメンテナンスが行なわれていれば、耐用年数を超えて、もっと長く住み続けることも可能でしょう。

軽量鉄骨と比較した重量鉄骨のメリット・デメリット

強度が高く、広々とした空間をつくり出せるのが重量鉄骨造の魅力。
その一方で、木造(W造)や軽量鉄骨造に比べ、材料費や地盤工事に費用がかかりやすいという面も。
また、軽量鉄骨造に関しては、間取りが制限されやすいという弱点があります。そこで、軽量鉄骨造を引き合いにしながら、重量鉄骨造のメリットやデメリットを紹介いたします。

●メリット
・広い空間をつくれる
何といっても、設計の自由度と広々とした室内空間を生み出せることでしょう。
重量鉄骨の建物では、柱と梁を一体化し、筋交いを必要としない「ラーメン構造」と言われる構造が採用されます。これにより、柱と柱の間隔も広く取れるため、大きな空間をつくることが可能になります。
開放的な吹き抜けをつくることも容易です。例えば、1階に車を複数台駐められる、ビルトインガレージなども実現しやすいのが重量鉄骨造です。
一方、軽量鉄骨は、強度を補うため、柱と梁に加えて筋交いを用いる「ブレース構造」であることが多く、設計可能な間取りが限られてしまいます。
・防音性が高い
防音性については、鉄骨が厚い分、壁も厚くなるため、重量鉄骨が上。
例えば、集合住宅への引っ越しを考える場合、音の問題は、ストレスやトラブルの元にもなりやすいポイント。ですので、気になる物件があったら、構造も併せてチェックしておくことをおすすめします。
●デメリット
・費用がかかりやすい
軽量鉄骨に比べて、建築費用が高額になるのが難点です。
まず、建築部材の費用。鉄骨の厚みが増せば、それだけ材料費が高くなってしまいます。
もう一つ大きいのは、地盤の補強工事の費用です。軽量鉄骨の場合、建物の重さが比較的軽く済むため、杭が不要となる場合がありますが、重量鉄骨では重量が増すため、地盤によっては補強工事が必要です。
場合によっては、その費用だけで数百~数千万円かかることも。結果、価格や家賃に反映されてくるので、住まい選びに何を優先するのかを考えて、比較・検討することをおすすめします。

強いだけじゃない、住まいの可変性も高い重量鉄骨

住宅購入や賃貸物件を検討する際、あらためて建物の工法・構造に注目してみてはどうでしょうか。今回紹介した鉄骨造(S造)以外にも、木造(W造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)など、その種類はさまざまです。

耐震性や耐久性、耐火性、防音性では、コンクリートを施工した鉄筋コンクリート造(RC造)や、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の方が上。ただし、建設コストが高くなるため、それに伴い価格や家賃などが高めになりがちです。
また、鉄筋コンクリート造(RC造)のうち、壁式構造では壁を撤去することが難しく、間取りに制約が出てしまうなどのデメリットもあります。

その点、重量鉄骨の場合は、柱を撤去することはできませんが、壁はかなりの範囲で動かすことが可能です。なので、例えばリフォームなどを検討している場合は、鉄筋コンクリート造(RC造)に比べ、鉄骨造(S造)は制約が少ないため、自由な間取りにしやすいと言えるでしょう。

このように、性能とコストのバランス、希望がかなう建物かどうか、さまざまな角度から検討してみてください。いずれの場合でも、長く安心して暮らすためには、建物のメンテナンス状況をしっかり確認することも大切です。

監修/田中 直輝

記事のまとめ

重量鉄骨は、マンションやビルなどの頑丈な建物の工法・構造として採用されている

  • ・軽量鉄骨との違いは鋼材の厚み。重量鉄骨は強度に優れるため、耐久性も高い
  • ・重量鉄骨は、広い空間をつくり出すことができて防音性も高いが、建築費用が高額になるため価格や家賃も高くなりやすい
  • ・住宅購入や賃貸物件を検討するときには、建物の工法・構造も重要なポイント

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