これからのくらしを考える まち×団地
ユニークな発想が続出!若者世代が多摩エリアの魅力あるまちづくりを提案する「学生アイデアピッチコンテスト」
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公園や遊歩道が充実している多摩ニュータウンなど、京王電鉄沿線には特長を持った地域や場所がいくつもあります。
そんな多摩エリアの魅力をより高めるまちづくりのアイデアを、学生たちから募る「多摩エリアのまちづくり 学生アイデアピッチコンテスト~自慢したくなるまちへ~」を実施。力作ぞろいの応募の中から、最終選考会で最優秀賞と優秀賞が決定しました!
8作品の熱いプレゼンが繰り広げられた最終選考会
「多摩エリアのまちづくり 学生アイデアピッチコンテスト」を主催したのは、多摩ニュータウンを中心に多摩エリアのまちづくりと活性化に連携して取り組んでいる、京王電鉄とUR都市機構。コンテストでのアイデアをまちづくりに生かし地域の活性化を狙うことや、まちへの関心と愛着をさらに深めてもらうため、京王線沿線に在住・在学する学生を対象にまちづくりの新しいアイデアを公募しました。
募集のテーマは、「あなたの住む・通う多摩エリアのまちを『誰かに自慢したくなるまち』にするためのアイデア」。応募された作品は独自性、創造性、考えられる効果などをポイントに、書類審査が進められました。
そして、最終選考会は、審査員に上野淳さん(東京都立大学 名誉教授)、井上憲さん(日本オラクル株式会社ソーシャル・デザイン推進本部 本部長)、二羽信介さん(京王電鉄株式会社沿線価値創造部 部長)、平田輝人さん(独立行政法人都市機構 多摩エリア経営部長)を迎えて開催。
審査を通過した、中学生1組、大学生7組の全8アイデアのプレゼンテーションと質疑応答ののち、最優秀賞1作品と優秀賞2作品が選ばれました。
まちのオープンスペースをみんなの共有財産に!
まずは、最優秀賞に輝いたアイデアを紹介します。
米山さんは、多摩ニュータウンの一部である南大沢地域の洗練された景観と住環境をつくり出している、歩行者専用空間に着目。通路や公園として使われているオープンスペースをイベントに活用し、まちの魅力を多くの人に知ってもらう空間にしようというもの。
活用例として、学生が主体となりサークルの公演や近隣飲食店による屋台の出店などを行う「地域文化祭」や、キッチンカーやカフェが日替わりで登場する「巡回屋台村」が紹介され、楽しそうな内容に会場でアイデアに耳を傾けていた人たちの心が躍りました。
こうした目標の達成に向け、管理者が異なる歩行者専用空間の使用許可をワンストップで取得できる仕組みづくりと、それを発展させたポータルサイトの開設も提案されました。
そして、今回のアイデアの重要なポイントが、空間の使い方を住民自身で決めること。空間を共有財産として自分たちで管理することで、住民がまちに興味を持つきっかけをつくっていくそうです。
最優秀賞の受賞に「まさか、私が!」と驚いていた米山さんに、応募の動機などをうかがいました。
「都市計画に興味があり、多摩ニュータウンの歩行者専用道路がすごく好きで、もっと評価されるべきだとずっと思っていました。応募に向けては、頭の中の構想をしっかり形にするのに苦労しましたが、課題の解決策などを考えるのは得意なので、今後もそうした部分でまちづくりに携われればと思っています。」
ゲーム感覚のまち巡りや、アートがつなぐ多世代交流も
優秀賞には、こちらの二つのアイデアが選ばれました。
これは、京王電鉄の「TAMa-GO」というお出かけや移動に便利なスマートフォンサービスをアプリ化し、さらにまちを探求し冒険する旅のように巡るための四つのクエスト機能を追加することで、「まちの魅力発掘型サービス」にしようというアイデア。「多摩をフカめる」には、「TAMa-GO」に新機能を付加してふ化させ、多摩地域をより深く知ろうという意味が込められているそうです。
多摩ニュータウンの諏訪・永山地区にある団地を、アートや文化を通した交流で寄り道したくなる「寄り満ち団地」にしていくという提案。
ステップ1として団地に学生を誘致し、ステップ2で団地の空き店舗を活用した、学生が使えるアトリエや作品展示スペースもある休憩所を開設。これらを踏まえて、ステップ3では学生と住民の日常的な交流をつくり出していくそうです。交流を促す例として、休憩所の黒板に買物依頼などを書き込むことで同行者を募るという、どこか懐かしい「お使い制度」などもありました。
それ以外にも、ノルウェーの選挙小屋をヒントに演説でまちをつくる東京工業大学の生子花さんによる「多摩s be ambitious」、中高校生が「おしゃピク」(おしゃれなピクニック)を楽しめる居場所をつくる立教大学の川嶋みずかさんによる「みんなでゆっくりまったりCHILLしよ!」、東京都立大学大学院の明庭拓海さんによる「手紙×マルシェワゴン」、立教大学の原田ゼミ有志による「子育て世代のための新・ニュータウンの構築」、中学生1組による「多くのひとが訪れる駅前にするために」と、独創性あふれるアイデアばかりでした。
フレッシュなアイデアでまちをより魅力的に
審査を終えた東京都立大学 名誉教授の上野さんは、総評をこう語っていました。
「八つの提案はどれも称賛に値し、予想以上にすごかったというのが審査員四人の共通見解です。これからの日本にとって、みんなの発想でまちを楽しくしていく『コミュニティの力』はとても大事です。若者がそうした発想を持ってくれていることは素晴らしく、提案してくれた方々に敬意を表します。」
今回発表されたアイデアの一部は、今後のまちづくりの参考になることもあるそうです。今後の多摩エリアがどのように、さらに住みやすい場所になっていくのか楽しみですね。
「学生アイデアピッチコンテスト」では8組の発表の中から最優秀賞と優秀賞が選ばれた
- ・京王電鉄とUR都市機構は連携して、多摩エリアのまちづくりと活性化に取り組んでいる
- ・京王線沿線に在住・在学する学生を対象に多摩エリアを対象にしたまちづくりの新しいアイデアを公募
- ・最終選考では、中学生1組、大学生7組によるプレゼンテーションと質疑応答が行われた
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