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ゆたかなくらしって? まち×コミュニティ

暮らしを支え、地域をつなぐ新拠点。団地内コンビニの可能性をまちづくりの専門家が徹底調査!

URでは、団地により長く住み続けてもらうための仕組みの一つとして、コンビニエンスストアの開設に取り組んでいます。その第一号店となる「セブン-イレブン JS森之宮団地店」が、2019年5月、大阪府大阪市の森之宮団地にオープン。
今回は、武庫川女子大学 生活環境学部 生活環境学科・准教授の水野優子さんとともに、この店舗を訪ね、団地・住宅地再生やコミュニティ形成の専門家の視点からお話をうかがいました。

住民の暮らしを考えた品ぞろえやサービス

森之宮団地の建物の1階にある「セブン-イレブン JS森之宮団地店」。日本総合住生活株式会社(JS)によって運営されており、商品は団地で暮らす人の目線で選ばれた生鮮食品や総菜などを中心に販売されています。また、森之宮団地・森之宮第二団地の住民向けに配達サービスも実施
「店内には12ロールのトイレットペーパーや、お米もありますね」と、水野さん。

「家庭にストックしておくと安心な商品もあり、住民の生活に寄り添おうという配慮が感じられます。配達サービスはシニアの方はもちろん、子育て中や共働きのご家族にとってもありがたいサービスですよね。」

「小分けの野菜が欲しい」という住民の要望に応え、近隣の農家直販所と連携した「野菜市」を、毎週土曜に店内で開催。おすすめの食べ方が書かれたかごに並ぶ新鮮野菜は、ほとんどが100円。

「市場って楽しいですよね。もし可能なら屋外スペースも使ったり、将来的にほかの業種の出店もある“マルシェイベント”ができたりすると、さらに楽しくなりそう。買い物の楽しみを中心として、人や地域の店がつながり合える場所になると面白いですね。」

コミュニティや人とのつながりを自然につくれる場にも

店内の一角には、掲示板やチラシのラックが置かれ、集会所でのイベントなど、さまざまな情報を知れるようになっていました。また、団地の管理サービス事務所と連携し、団地集会所の鍵を借りられるようになっています。

この工夫について水野さんは、「とても良いですね! 地域に根ざした内容のチラシが増えれば、ここがコミュニティの情報が集約された場になるでしょう。鍵の貸し出しは、団地集会所で行われるさまざまな時間帯の活動に対応することができますよね。」

店頭に設置されたテーブル席は、住民たちに大人気。ここを目的に店に来る人や、友達とのおしゃべりに花を咲かせるシニアの方も多いそうです。

「実は最近、シニアの方の居場所として、こうしたスペースが注目されています。気軽に立ち寄れ、自分なりの過ごし方ができ、しかも行き交う人の気配が感じられ、人とゆるやかにつながれる場所です。多様な人が集うコミュニティの中では、このゆるやかさも必要だと、私は思っています。」

団地内だからなじみやすく、安全に買い物を楽しめる

オープンから3カ月たち、団地内にあるからこその親しみやすさも、このコンビニの大きな魅力になっているようです。
店長の那須俊吾さんによると、「スタッフには団地の住民も多く、お客さまと顔なじみというケースもよくあります。開店当初、『若者の店に私も入って良いの?』とおっしゃるシニアの方もいらっしゃいましたが、最近は『孫が来るんだけど、どのお菓子がいいかしら?』など、ちょっとした相談事もしていただけるようになりました。」

この話を聞いた水野さん。

相談や会話ができる店が身近にあるのは、シニアの方にとってとても心強いでしょう。また、団地の近くに商業施設もありますが、幹線道路を横断しなければ行けません。その点、団地内の店なら散歩がてら足を運べ、自分で品物を選ぶ買い物の楽しみが味わえますね。」

とはいえ、ここにコンビニがあることをまだ知らない住民も。認知度を上げるため、コンビニとして地域のイベントに参加するなどしているそうです。

「団地自治会の方とは、買い物に立ち寄ってくださった際にもお話したりしています。長年コンビニ業界に居ますが、これほど地域と連携している店舗は、そうありません! これからもっと連携を深めて、さらにお互いのできることを模索していきたいです」と、店長の那須さんは目を輝かせていました。

地域団体との連携で、団地も地域もより良くなる!

「セブン-イレブン JS森之宮団地店」の様子を見終えた水野さんに、この取り組みをどう思うかうかがいいました。

「コンビニは、買い物以外にも商品が郵送できるなど、多彩なサービスを提供していますよね。こうして団地内にできたことで、住民の生活は大きく、豊かに変わっているでしょう。
コミュニティを活性させる拠点としては、いわゆる『ハブ』として地域と住民をつなぐことが役割になっていくのだと思います。たとえば、近隣の子育てや医療関連の施設と連携し、『コンビニに行けば、子育て施設や医療施設ともつながることができる』ようになると、非常に価値のある拠点になります。」
そして、水野さんは、
「こうした、住民の生活やコミュニティの形成をサポートするコンビニの存在は、団地を活性化させるだけでなく、周辺住民の暮らしやすさや、地域の活性化にもつながります。ぜひ頑張って地域との連携を広げていただき、ほかの団地や住宅地のお手本事例になってもらいたいです!」と、期待を語ってくれました。

記事のまとめ

多様な役割を持つ団地のコンビニエンスストアが、この地域で暮らす人たちをつなぐ場所

  • ・森之宮団地内にある「セブン-イレブン JS森之宮団地店」の商品は、団地で暮らす人目線で選ばれている。団地の住民向けに配達サービスも実施
  • ・毎週土曜には、近隣の農家直販所と連携した「野菜市」を開催
  • ・店内には掲示板やチラシのラックが置かれ、集会所でのイベントなどを知ることができる
  • ・店頭のテーブル席は、気軽に立ち寄れ、人とゆるやかにつながれる場所になっている
  • ・団地内にあるからこそ、お客さんとの距離が近く親しみやすい

今回の先生:水野 優子さん

武庫川女子大学 生活環境学部 生活環境学科
准教授。研究分野は、住環境計画、都市計画、まちづくり、住宅政策、住生活学。近年では、高経年の団地やニュータウン、大規模マンションにおいて、住宅の継承や生活支援のあり方についての研究に取り組んでいる。

HP:http://www.mukogawa-u.ac.jp/~kankyo/index.html

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