URくらしのカレッジ

自分にぴったりな新しい暮らしを探す

ゆたかなくらしって? まち×自然

驚きと楽しさの宝庫!団地で見つけた自然のワンダフルワールド

お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります

神奈川県横浜市旭区の丘陵地帯に建つ左近山団地。尾根にまたがる広大な敷地に、ゆったりおだやかな住環境が広がるこの場所で、住民のみなさんはどんな“自然”と暮らしを共にしているのでしょう? 自然環境や生態系のスペシャリスト・田中章さんと団地内を歩き、専門的な視点からお話をうかがいました。

木々は、野生生物との出会いのキューピット!?

団地散策でまず目指したのは、敷地内にいくつかある公園の一つ。色鮮やかなアジサイが出迎えてくれました。「西洋アジサイですね。これは毎夏きちんと剪定(せんてい)をしないと、翌年花を咲かせません」と田中さん。地面にも目をやり、「この地域の気象特性などから、下草(木の下に生えている草)刈りを怠ればあっという間に雑草で覆われてしまうでしょう。さほど下草が伸びていないことからも、日頃から手入れが行き届いていることが分かります。」

ふと横を見ると、かわいらしい赤い実を付けた木が! 「鳥の食べる実や、羽を休められる木があると、野鳥が集まってきます。あっ、こちらにはサンショウの木がありますね。葉はアゲハチョウの食草(昆虫がエサとする特定の植物)ですから、アゲハを呼びたい人が植えたのかな(笑)!?  同じチョウ類でも、アゲハチョウかモンシロチョウか、種類によって食草は異なります。逆に言えば、『あの野生生物に来てほしい時には、何を植えればよいか?』という目線は、植物を選ぶ上でとても大事。計画的にできることでもあるんです。」

人間と生き物たちの意外な共通点って?

団地内にある公園脇の緩やかな坂に視線を向けられた田中さんが、こんなことをおっしゃいました。
「自然や建物といった、景観や空間・環境を構成している”ランドスケープ”の観点から見ても、人間が暮らしやすい空間デザインと、“生物多様性”は、共通している部分が結構あるんです。」
一体、どういうことでしょう!? 「例えば、住民が徒歩でも自転車でも通りやすいよう設計されたスロープは、 “生物多様性”の視点から考えると、いろいろな動物や昆虫の往来のしやすさにつながります。また、生物の分類学上では、人間もホモ・サピエンスに属する生き物ですから、そのタイプも多種多様。日なたで遊びたい子どもがいれば、木陰を好む年配の方もいます。“生物多様性”においては“多様な環境作り”が重要ですが、人間の生活圏でも同様に、十人十色の多様性に配慮した空間デザインが、多くの人々の住みやすさを生み出すんですね。」

人の手を加えることで樹木も元気に

遊歩道を歩き進めた道端に、ドクダミが白い花を咲かせていました。「ドクダミの葉っぱは、汁がかゆみ止めになります。花の時期に摘み取れば干すだけで、おいしいドクダミ茶も楽しめるんですよ。」と田中さんから、植物の豆知識。ここにも、植物と人間が一緒に暮らせる住環境を感じることができました。

この団地の名所ともいえる、遊歩道沿いの桜並木。春には満開の花で彩られます。「弱肉強食でおのずと剪定される自然界と違い、こうした都市空間の樹木は過保護な環境下にあります。健全な状態に保つには、人の手で剪定してあげることが重要です。剪定に適する時期や方法を見極めた上で、不要な枝を切り落とし、風通しや日当たりを良くしてやる。そのひと手間で、サクラにも人間にとっても好ましい、農薬に頼らずに害虫を寄せ付けにくくすることができるのです。」

暮らしを彩り、“楽しみ”も育てる花壇

住棟に向かうと、花壇に色とりどりの花や、ラベンダーなどのハーブが並んでいます。「植物をお好きな方が、見て、育てて、楽しんでいらっしゃるのでしょう。ハーブは、心地よい香りで癒やしてくれます。花々は、美しい佇まいで心を和ませ、景観にも見違えるほどの活気を与えてくれます。その力は偉大です!」

散策を終える前に、“人の住む空間”に望ましい植物についてお聞きしました。「もし生活空間に、他からの目線をさえぎる“目隠し”のようなものを置くなら、単なる板より緑の植物がいいですよね。それも花や実を付け、香りの良いものなら、マルチに楽しめます。先ほどのドクダミのように、人の役に立つ植物もたくさんあります。人間が植物を住環境に取り入れる目的は、いろいろです。だからこそ、『自分がもっと楽しくなる』を意識した植物との関わりが、毎日の暮らしをより豊かにしてくれるのだと思います。」
知れば知るほど“わくわくドキドキ”が広がる、自然の神秘の世界。田中さんとの左近山団地散策は、その素晴らしさを教えてくれました。

田中 章さん写真

田中 章さん

東京都市大学環境学部環境創生学科教授。
東京大学大学院博士課程修了(農学博士)。
ミシガン大学大学院修士課程修了(ランドスケープ・アーキテクチャー修士)。静岡県清水市(現・静岡市)の自然豊かな環境に生まれ、幼少期より動植物をこよなく愛す。その後、開発に伴い自然が失われてゆく現実を目の当たりにし、環境保全分野への道を志す。国内外で幅広い専門知識の習得、実践経験を重ね、多種多様な環境保全プロジェクト、国際環境協力などでも活躍。「失われてきた自然環境の復元・創造」をテーマに、人間と野生生物の“真の共存”を目指した研究や活動を展開している。
HP:http://www.yc.tcu.ac.jp/~tanaka-semi/

左近山(UR賃貸住宅)

神奈川県横浜市旭区左近山16-1 ほか
ゆったり広々とした空間に、広場や多数の公園が備わっています。起伏のある変化に富んだ敷地に延びる遊歩道では、四季の景色の移り変わりを眺めながらの散歩を楽しめます。団地の中にショッピングセンターや商店街もあり、日々の買い物も便利。保土ヶ谷バイパスがすぐ近くに通り、カーライフもとても快適です。

お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります


あなたにおすすめの記事
新着記事
あなたにおすすめの記事はこちら

URくらしのカレッジとは

URくらしのカレッジはUR賃貸住宅がお届けする、くらしのヒントがつまった情報サイト。

説明を見る

URのことを知ろう