ゆたかなくらしって? まち×コミュニティ
プール跡地&管理サービス事務所跡地が今のくらしに合う新たな集いの場に!中宮第3団地の「MUJI×UR 団地まるごとリノベーション」

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URと株式会社MUJI HOUSEが協力し、団地の屋外環境のリノベーションや地域コミュニティの形成に取り組んでいる「MUJI×UR 団地まるごとリノベーション」。千葉県の花見川団地、神奈川県の港南台かもめ団地に続き、大阪府枚方市の中宮第3団地
、大阪府堺市の泉北茶山台二丁団地
の2団地で進められていた「となりのひろば」が完成!
中宮第3団地では、2025年11月にお披露目イベント「となりのひろばを使ってみよう」が開催されました。リノベーションされた空間とイベントの様子をお届けします。
ひと休みできる場へ生まれ変わったプール跡地
URと株式会社MUJI HOUSEでは、団地の住まいを今のライフスタイルに合わせてリノベーションする「MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト
」、さらに屋外環境のリノベーションや地域コミュニティの形成にも取り組む「MUJI×UR 団地まるごとリノベーション」を進めています。
その一環として中宮第3団地でも取り組んできた、屋外共用部と屋内スペースのリノベーションが完成しました。今回の改修には、2023年から継続して行われてきたイベント「となりのひろば」に参加した、この団地や地域で暮らすみなさんの声も反映されています。

リノベーションされた場所の一つが、六角形が組み合わさった形が特徴的な「プール跡ひろば」。かつてのプールに人工芝を敷き、子どもをはじめ、さまざまな人が気軽に集まれる広場になりました。
縁には約40cmの高低差を生かしたベンチや階段が設置され、休憩したり、芝の上で遊ぶ子どもを見守ったりできる使い勝手の良い場所です。

また、高木下の地面には円を描くラインが施されており、視覚的にも、日常的に滞留して過ごせる場所であることを表現しています。直線は、広場や管理サービス事務所跡地を改修した「キュウカンサ」など、団地内の各拠点をつなぐ役割を果たしています。

中宮第3団地の「MUJI×UR 団地まるごとリノベーション」で設計を担当したのは株式会社MUJI HOUSEの松本さんです。

これまでのイベントで実施したアンケートでは、「ここで遊びたい」、「飲食しながら過ごしたい」、「子どもと一緒に過ごせる場所がほしい」といった声が多く寄せられました。そうした意見を踏まえ、お住まいのみなさんがゆっくり過ごしたいと思えるような屋外の居場所をつくることにしました。建設当初、子育て世代のコミュニティの中心だったであろうプール跡地の既存の形を生かしながら、もう一度、現代のくらしに合う形で改修し、ここをきっかけにつながりが生まれる未来を思い描いて設計しました。
使い方は無限大!コミュニティ拠点「キュウカンサ」
入居者からの問い合わせ対応などを行っている管理サービス事務所の移転後の跡地スペースが、コミュニティ拠点「キュウカンサ」としてリノベーションされました。「キュウカンサ」という名称は、「旧管理サービス事務所」に由来しています。窓が設けられているため、室内でどんな活動が行われているのかを外から見ることができます。

入り口や外壁には、目を引く黄色のロゴがあしらわれています。より多くの人に気軽に利用してもらいたいという思いから、明るく親しみやすいデザインが採用されました。

この地域に住むみなさんが「何かやってみよう!」となったときに、さまざまな用途で利用できる空間としてしつらえました。暑さや雨で外での活動が難しいときにも、ここを使ってほしいですね。
部屋の奥は倉庫スペースになっていて、プール跡ひろばで使うおもちゃやイベントで必要なテントやテーブルなどを保管できるようになっています。もともと管理事務所だったこともあり、電気、ガス、水道、換気扇などのインフラが整っているので、コンロを持ち込めば炊き出しなども行えます。
「キュウカンサ」の内装は、近隣の大阪電気通信大学 OECUまちづくり研究会の学生が協力しました。株式会社MUJI HOUSE監修の下、内装デザインの企画提案から多目的棚部分のDIY、壁面取り付け作業まで担当しました。


小川さん
自分たちのアイデアが実際に採用されるという貴重な機会だったので、積極的に参加しました!
壁には黒板シートを貼っていて、掲示板のように地域の情報や文化を共有することもできるんです。棚に置かれた本をきっかけに会話が生まれたり、人と人、地域と人がつながるような交流の場所になってほしいですね。

七種さん
プールの形に合わせて六角形のボックスにしました。普段の授業では、あまり経験できない作業に挑戦できて勉強になりました。企画の提案は自分たちの憶測だけで判断するのではなく、ここに訪れる方々の声をできる限り取り入れることを意識しました。お披露目イベントにたくさんの方が来てくださって本当にうれしいです。
ここで終わりではなく、これからどんなふうに使われていくのか、一緒に考えていけたらと思っています。
ひろばの可能性を知れるお披露目イベント
リノベーションのお披露目イベント「となりのひろばを使ってみよう」では、枚方市やその周辺地域で活動するみなさんが参加し、多彩なコンテンツでイベントを盛り上げました。
プール跡ひろばには、年齢を問わず楽しめる積み木「カプラ」1万ピースが登場。すべて同じ長方形のパーツですが、子どもの身長を超えるほどのタワーや動物のような立体など、自由な発想で形作ることができます。

さらに、プール跡ひろばの形を模したフレームと三角パズルも置かれていて、自由に手に取って遊べるようになっていました。

これまでの「となりのひろば」にも参加している「SPRINGひらかた珈琲俱楽部」による、ハンドドリップコーヒーの提供もありました。
「NPO法人えほんのお部屋 ひまわり畑」のブックカーもお目見えしました。読み聞かせが始まると、子どもたちが一斉に集まりました。
無印良品のブースでは、シルクスクリーンを使って綿のバッグに「となりのひろば」オリジナルデザインをプリントできる「マイバッグワークショップ」や、和紙に願い事や好きな絵をかく「灯籠づくりワークショップ」を実施。「無印良品 イオンモール四條畷店」による出張販売もありました。


そのほか、キッチンカーでは、「わらびもち館 本家 治五郎」のわらび餅やドリンクの販売、次世代モビリティ体験として登場した電動車いす「WHILL」の試乗コーナーなど、どの世代も楽しめるコンテンツで会場がにぎわっていました。


日が落ちるころには、プール跡ひろばがライトアップされました。ベンチの下に取り付けられた間接照明が足元を明るくし、暗くなってからも安心して過ごせます。

ベンチサイドには日中に作られた灯籠が並び、温かく広場を彩っていました。

イベントの締めくくりには線香花火が用意され、秋の夕暮れの中、穏やかな時間が流れていました。

2年にわたって地域交流イベント「となりのひろば」の企画を担当してきたのが、株式会社MUJI HOUSEの見通さんです。

どう改修していくかの方向性を探るために、「となりのひろば」を重ねてきました。イベントを重ねる中で、積み木などのおもちゃ、コーヒー、本といった、この場所に合うコンテンツが見えてきたんです。
屋外のプール跡ひろばと、屋内の「キュウカンサ」がすぐ近くにあることが、この場所ならではの大きな強みです。家ではなかなかできない大きな積み木遊びも、「キュウカンサ」からおもちゃを貸し出せるようになれば、広場でのびのびと楽しんでもらえるはずです。地域の人たちが気軽に集まる様子が日常の風景になっていくことが今から楽しみです。
これまでの取り組みを一番近くで見守ってきたのは、URの橋本さんです。今後のキュウカンサの活用方法について教えてもらいました。

今回リノベーションしたキュウカンサは、本を置く以外にも、展示をしたい人がいれば展示スペースに、物販や飲食に挑戦したい人がいればチャレンジの場になるよう、多目的に使える余白を残した空間になっています。
多世代が安心して過ごせるスペースとして、地域交流につながる使い方を地域のみなさんと一緒に考えていきます。
MUJI×URのオリジナルパーツを採用した部屋も展開中!
中宮第3団地内には、従来の団地の部屋にMUJI×URの共同開発パーツを採用した「MUJI×UR Parts Room」も供給しています。この部屋では、MUJI×URを象徴するアイテムである麻畳をはじめ合板フローリング、洗面化粧台などが取り入れられ、団地らしい温かみを残しながらも住む人が使い方を自由に考えられる空間になっています。

それぞれの「Parts Room」には、「変えられる」、「木に触れる」、「つなげたり、仕切ったり」、「素材を大切に」、「水まわりが気持ちいい」といったテーマが設けられています。
写真の部屋は、「水まわりが気持ちいい」をテーマにリノベーションされています。
プール跡ひろばと管理サービス事務所跡地(キュウカンサ)が生まれ変わったことで、ゆるやかにつながることができる場所が増えた中宮第3団地。ここで生まれる小さな会話や、ふと集まる時間が、これからの団地の新しい日常をつくっていくはずです。


中宮第3団地のプール跡地&管理サービス事務所跡地をリノベーション
- ・「MUJI×UR 団地まるごとリノベーションプロジェクト」では、団地の屋外環境のリノベーションや地域コミュニティの形成に取り組んでいる
- ・「プール跡ひろば」は、人工芝を敷き、ベンチや階段が設置され、遊んだり休憩したりできる場所に生まれ変わった
- ・コミュニティ拠点「キュウカンサ」も誕生。壁面の多目的棚は大阪電気通信大学 OECUまちづくり研究会の学生が制作

大阪府枚方市中宮北町1番・上野二丁目9番・御殿山町15番・御殿山南町3番
京阪本線「枚方市」駅からバス8分 徒歩4~14分、京阪本線「御殿山」駅から徒歩7~15分、JR東西線・学研都市線「長尾」駅からバス25分 徒歩4~14分。
大阪の中心地までは約30分で通勤や通学にもぴったり。「枚方市」駅前には、「枚方T-SITE」や「イオン枚方店」があり買い物に便利です。
団地近くには「市立ひらかた病院」や「北河内こども夜間救急センター」があるため、安心して暮らすことができます。

くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
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