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地域を頼りながら子育てしよう!パパ・ママを助ける新しいだんらんの場「COやね(こやね)」
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埼玉県さいたま市の田島団地の隣にある複合施設「団地キッチン」田島で、子育て世帯にうれしいサービスの実証実験が2024年8月から始まりました。その名も「COやね(こやね)」。
どのようなサービスなのか知るべく、オープニングイベントに行ってきました。
UR職員が自身の経験を元に立ち上げたプロジェクト
現代社会には、核家族の共働き世帯の増加、孤立やストレスを感じるパパ・ママがいるなど子育てを取り巻くさまざまな課題があります。
「多様な世代がいきいきと暮らし続けられる住まい・まちづくり」を目指しているURでは、地域で育児を頼り合える環境をつくるため、「食と暮らしをシェアするみんなのリビング『COやね』」の実証実験を開始しました。
子育てを家庭だけで完結させるのではなく、地域の多様な人たちと関わりながら行い、互いに豊かな暮らしを実現することを目指したプロジェクトです。
英語で「一緒に」という意味を持つ「CO」と、団地全体を大きな屋根に見立てみんなでだんらんをするようなイメージから「COやね」と名付けられました。
このプロジェクトを提案するのは、UR都市機構ウェルフェア推進部の大矢知さんです。
このプロジェクトはもともと、私自身の子育ての課題から始まりました。
子どもが0歳と3歳のとき、夫の単身赴任もあり、一人で子育てをしなければならない状況でした。コロナ禍で子どもを保育園に通わせることができず、頼れる人が近くにいなかったこともあり、子育てに負担を感じていたんです。
そんな中、行政の子育て支援制度を利用し、地域の方に頼れるようになることで、ふと「子育てが楽しい」と思い始めました。このような経験から、子育て中のみなさんを助けられるようなサービスをつくりたいと思い、プロジェクトを立ち上げました。
「親子の食事+見守り」がセットになったサービス
「COやね」の実証実験の場として選ばれたのは、埼玉県さいたま市の田島団地の隣にある複合施設「団地キッチン」田島(UR関連会社である日本総合住生活(株)が運営)。2024年8月に実施されたオープニングイベントには、このプロジェクトに興味を持つみなさんが集まりました。
今回の実証実験で提供しているのは、メインのサービスである「見守りごはん」。
大人、子ども1名ずつの食事に、「COやね」サポーターによる子どもの見守りがセットになった「見守りごはんセット」を注文することで受けられるサービスで、地域住民が子育て世帯のサポーターとなり、子どもの食事介助や、見守りを行うというものです。3才から小学生までの子どもが対象で、小学生であれば見守り時間中、パパ・ママが「COやね」を離れることもできます。
「見守りごはん」を利用することで、買い物、調理、片付けといった食事にかかる手間を省くことができる上、「COやね」サポーターに子どもの面倒を見てもらうことで、パパ・ママは自分の時間を過ごしたり、仕事をしたりすることができます。
食事だけを提供する「COやねの定食」もあり、帰りが遅くなったときなどにも便利です。
栄養バランスを考えた、子どもも食べられるやさしいメニュー
オープニングイベントでの食事のメニューは、肉じゃが、ニラとチーズのチヂミ、三食ナムルでした。
今後の営業日では、ハンバーグ、冷やしおでんなどのレシピも検討しているほか、お客さんの要望などを反映していく予定だそうです。
メニューの監修と調理を担当している株式会社ルータスワークスの大原康子さんに料理について、お話をうかがいました。
「実家に帰ったら出てくるようなほっとするお惣菜」をイメージしてメニューを考えています。お子さんにはバランスの良い食事を取ってほしい親御さんが多いと思いますので、彩りや栄養を考えながら献立を決めています。
私にも三人の子がおり、日々家事や仕事に追われています。そんな中で誰かに料理を作ってもらえると、とてもうれしいですし、自分で作ったものよりもおいしく感じることが多いんです。
「COやね」で家事の負担を減らしながら、食事をゆっくり味わってもらえたらうれしいですね。
リビングルームのようにみんなで集まれる場所
オープンイベントの会場には、けん玉や絵本、ボードゲームなどで遊べるプレイコーナーが用意され、子どもたちが楽しんでいました。スタッフがけん玉の遊び方を教えると、真剣に何度も挑戦する子の姿が。通常の営業では、より手軽な折り紙やお絵描きの道具などが用意されています。
オープニングイベントの参加者からは、「知り合いには子どもを預かってほしいと言いづらいですが、この形なら利用しやすそうです」、「『見守りごはんセット』を利用して、親は仕事をすれば、子どもに親が働いている姿を見せることができますね」、「共働きで、親が帰るまでの小学生の子どもの過ごし方が気になっていました。今後、子どもだけで来られて親は迎えに来るだけのような利用ができたらうれしいです」、といった感想がありました。
同じ屋根(団地)の下、団地や地域の住民さんたちがサポーターとして活躍し、子育て世帯と「ちょうど良い距離感」で関わっていただくようなことができたらと思っています。多世代が集まって住む団地の良さを最大限に生かして、地域全体まで巻き込んだプロジェクトにしたいですね。
「COやね」を通じて、「子育ては一人で抱え込まなくて良いんだ」とパパ・ママに思ってもらえるような仕組みと居場所づくりを実現していきたいです。
URでは今後、今回の実証実験の結果を経て、「COやね」の本格実施を検討していくとのことです。その際には、自転車に子どもを乗せたままお弁当などを購入できる「チャリスルー」や、子どもたちと地域住民が昔ながらの遊びを通じて交流する「あそびの達人」といったサービスも検討予定です。
子育て支援プロジェクト「COやね」は、忙しい日々を送る子育て世帯に必要な、新しい暮らしの形かもしれません。
- 「COやね」営業情報
- 営業日:2024年10月2日(水)、9日(水)、16日(水)、23日(水)、30日(水)
- 営業時間:16:00~20:00
- 場所:「団地キッチン」田島
- Instagram:https://www.instagram.com/coyane.tajima/
- LINE:https://lin.ee/T8Y63WJ
※2025年1~2月にも、同所での実証実験を予定しています
地域の人に子育てを頼りやすくし、豊かな暮らしを実現するプロジェクト「COやね」
- ・「団地キッチン」田島で実証実験を行っている
- ・「COやね」のメインサービスである「見守りごはんセット」は、大人、子ども各1名分の食事に「COやね」サポーターによる子どもの見守りがセットになっている。食事のみの提供もあり
- ・食事は栄養バランスと「実家に帰ったら出てくるようなほっとするお惣菜」をイメージしてメニューを考案
埼玉県さいたま市桜区田島6
JR武蔵野線「西浦和」駅から徒歩3~14分、JR埼京線「武蔵浦和」駅からバス4分徒歩1~8分、JR京浜東北・根岸線「南浦和」駅からバス15分徒歩1~8分。
「武蔵浦和」駅からはJR埼京線、「南浦和」駅からはJR京浜東北線への乗り換えが可能。
スーパーやコンビニエンスストア、郵便局、医療施設、放課後学童クラブ、保育園、幼稚園、小学校、銀行なども近くにあり、子育てにもおすすめな環境です。
「団地キッチン」田島
埼玉県さいたま市桜区田島6丁目1-20
JR武蔵野線「西浦和」駅から徒歩1分。
UR都市機構の関連会社である日本総合住生活(株)が運営する、カフェ、シェアキッチン、ブルワリーを併設した複合施設。
料理教室や地元野菜が並ぶマルシェなどのイベントも開催しています。
くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
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