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団地で可能なレイアウトのアイデア。好みの部屋にできるDIY住宅とは?

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好みの壁紙を貼ったり、クッションフロアでフローリング風に仕上げたり。便利で手軽なDIY商品もたくさんそろう今だからこそ、ちょっとしたアイデアで、部屋を自分らしくカスタマイズする人たちが増えています。とはいえ、賃貸の場合「どこまで手を加えて良いのか?」、「退去時に元に戻すのが大変では?」など気になりますよね。ここでは、納得のいく部屋づくりを成功させるためのコツとアイデア、注意点を紹介します。
団地生活を快適にするレイアウトのアイデア
実は、日当たりや風通しが良いことの多い団地の部屋。間仕切りをなくしてオープンにしたり、家具の配置を工夫したりすることで、明るく広々、気持ち良い空間がつくれます。

●ダイニングキッチン(DK)とリビング(L)をつなげる
1DKから2K、3DKなど細かく区切られた間取りが多い団地。壁を壊すのは難しいですが、ふすまや引き戸であれば戸を外し、DK+L(洋室・和室)をひとつながりに。1LDKや2LDKとして使うことで、開放感が生まれます。
例えば、6畳と4畳半の部屋の戸を思い切ってすべて外して、ワンルーム感覚で使うのも面白いですね。
仕切りをなくした分、部屋の奥や隅々まで光が入り、風通しもアップ。敷地内の緑も見渡せ、自然と調和したナチュラルな暮らしを満喫できます。
●畳の部屋にクッションフロアを敷く
ごろんと横になったり、子どもを遊ばせたり、使い勝手の良さが見直されている和室ですが、ライフスタイルに合わなければ、クッションフロアを敷いて洋室に変えてしまいましょう。隣り合う部屋と高さや床材をそろえれば広さを演出できますし、逆に床を変えることで空間ごとにシーンを切り替えることもできます。
子ども部屋として使うのであれば、クッション性に優れているので、万が一転んだときもけがをしにくく安心です。
規約上、床の張り替えができない物件でも対応可能な上、防水・防汚加工されているクッションフロアなら掃除も簡単です。

●既存の壁に新しく壁紙を貼る
広い面積を占めるからこそ、壁で部屋の印象は大きく変わります。色や素材・質感によって、空間を広く見せたり、落ち着いた印象にも。
広く見せたいなら、白やクリームなどの明るい色使いがおすすめ。天井を明るい配色にすると、より高さを感じさせることができます。一面だけのアクセントウォールも、空間に立体感と広がりが生まれます。
簡単にはがせる壁紙も増えているので、原状回復時にも手間がかかりません。
●壁付けキッチンにカウンターを設置する
壁側に向いて設置されていることの多いキッチン。この場合、キッチンの横や後ろに、キッチンカウンターを置けば、L型やII型の対面キッチン感覚で使うことができます。ワークスペースが広がり収納も増やせるので、料理や片付けがしやすく、家族やゲストとのコミュニケーションもとりやすくなります。
さらに、キッチンの扉やカウンターをおそろいのシートやタイルシートでリメイクすれば、統一感のあるおしゃれな雰囲気に仕上がります。

●家具やインテリアを壁際に寄せる
部屋を広く感じさせるレイアウトのコツは、ソファやベッド、収納棚などは、できるだけ壁際に置くこと。部屋の中心に大きな家具があると、圧迫感が出てしまいます。
また、背の低い家具でそろえるのも有効です。家具の奥行きや幅などをそろえて凸凹を減らすのも、すっきり見えるポイント。
置き家具を増やさない工夫としては、押入れを改装してキッズスペースにしたり、ワークスペースやワードローブとして活用したりといった方法もあります。
団地のレイアウトを考えるときの注意点
DIYやセルフリノベーションを行う際、絶対に忘れてはならないのが、「どこまで手を加えて良いのか」をよく確認すること。無駄なトラブルにならないよう気を付けましょう。
●契約書をよく確認する
まずは、契約書などをよく確認しましょう。定められた範囲を超えてDIYすると、退去時に原状回復費用が発生する可能性があります。契約書の中に明記されていなくても、大がかりなDIYを行おうとする場合は、自己判断せず、管理会社に確認すると安心です。

●部屋全体のバランスに気を付ける
プランを考える上では、事前のシミュレーションがポイントです。床や壁などのデザインを変える場合、手持ちの家具やインテリアとのバランスを考えておきましょう。テイストを大きく変えると、もともと備え付けられていた設備や建具が浮いてしまう恐れも。
●部屋を傷付けずに済むDIYを行う
壁に穴を開けたり、壁を傷付けることなくDIYが楽しめる、便利なアイテムがたくさんあります。
その一つが、突っ張り棒を利用した収納棚。突っ張り棒に、トレイやフックなどを組み合わせれば、自分好みにカスタマイズができます。部屋のコーナーや、トイレのような壁の横幅が狭い空間など、縦にも横にも使えるので、デッドスペースを有効活用できます。
また、インテリア用のリメイクシートもおすすめです。後できれいにはがせるので、壁や扉、キッチンなど、いろいろな場所に貼ることができます。デザインも豊富なので、オリジナルな空間を楽しめます。
団地の狭い部屋を広く見せるレイアウト変更のコツ
団地で使われる畳のサイズは、一般的なサイズより小さいことがあります。想像していた6畳よりも狭い? などということも。手狭な団地の部屋を、広く見せる工夫を紹介します。
●低い家具を置く
最近のマンションでは、天井の高さは平均2.5m。築30年以上経っているような団地では、天井高は2.2~2.3mが多いようです。そのため、背の高い家具を置くと、それだけで圧迫感が増します。
例えば、カラーボックスを横置きにするなど、低い家具でそろえることで、視線も低く奥まで抜け、広く感じることができます。
●収納スペース付きの家具を利用する
床面が見えていないと、部屋が手狭に感じます。物が出しっぱなしになっているのはもちろん、収納家具をたくさん置くのもおすすめできません。
そこで、引き出しや収納ボックスをしまえるベッドやテーブルを活用して、床面を多く見せるように意識しましょう。
●壁と家具の色をそろえる
色の使い方も、部屋を広く見せるテクニックの一つです。インテリアに使う色は、3色程度に抑えることで部屋に統一感が生まれ、視界で意識する色が少なくなるので、広く感じるようになります。
また、壁紙を無地や淡い色にすることで、見た目の圧迫感が軽減され、実際の面積より広く感じる効果を期待できます。
●自然光を取り入れる
窓のまわりには家具などをなるべく置かないようにして、自然光が部屋にたっぷり入るようにしましょう。また、視線が外に抜けるだけでも、開放感を感じることができます。
大きな窓のある物件を選ぶことができれば良いですが、窓が少ない場合には、部屋の奥に間接照明を取り入れ、奥行きを感じさせる工夫もポイントです。
団地の間取り別レイアウトのコツ
団地の間取りに多い2DKとその前後の間取りを中心に、広く暮らすためコツを紹介。家具の選び方やその配置の仕方で、住み心地は様変わりします。
●1LDK
LDKに居室が一部屋プラスされた間取りです。LDKの形が縦長なら、直線を意識して片側に家具を寄せて配置すると、玄関から窓まで視界が通り抜け、空間が広く感じます。
L字型の場合は、キッチンスペースをダイニングとして使って、残りをリビングにするのがおすすめです。ダイニングに背を向けるように置いたソファや、収納ラックで仕切ることで、食事をする空間とリラックスする空間に程よい境界ができ、シーンによって使い分けできます。
正方形に近いLDKなら、ダイニングとリビングを対角線で配置して、使えるスペースを広くしましょう。
●2DK
団地に多い、各部屋がコンパクトにまとまった間取りです。広い空間を求めるなら、隣り合うDKと和室のふすまを外して、LDKのように広く使えます。もう一部屋は、寝室や在宅ワークスペースなどに活用できます。
ダイニング・キッチンからほかの部屋への出入りのしやすさや、水まわりへの動線をふさいでいないか意識しながら、家具を配置しましょう。各部屋が狭いことが多いので、コンパクトな家具を選んだり、家具を増やしすぎないこともポイントです。
●2LDK
リビングのほかに、二つ居室がある間取りです。一人暮らしでもファミリーでも、さまざまな家族構成に対応できます。
LDKはゆったりと過ごせるように、ローソファを置いて部屋を開放的に見せるのがおすすめです。ソファが視界を遮らず、キッチンからの見晴らしも良くなります。
また、リビングとダイニングをソファで間仕切り、生活空間を分けるアイデアも。一つの大きな空間で、食事する場所とくつろぐ場所がうまく切り分けられます。
●3DK
DKと居室をつなげてLDKのように使う、家族それぞれの個室を確保するなど、各居室をどう利用するかがポイントです。各居室が手狭なことが多いので、動線上には家具を置かないことや、家具はなるべく壁側に付けて、広がりをキープしましょう。
●3LDK
3部屋に加えて広いリビング・ダイニングスペースがあるので、3DKに比べてレイアウトの自由度が広がります。
各居室は、寝室や在宅ワークができるスペース、子ども部屋など、プライベート空間に活用できますが、もし部屋数に余裕があるのなら、一部屋を納戸のように使うのも良いかもしれません。この部屋に、大きな荷物などの収納を集中させて、各部屋は好みの家具でレイアウトできます。
レイアウト変更の自由度が高いUR賃貸住宅のDIY住宅
「UR-DIY」は、自分の手で部屋をカスタマイズできる、UR賃貸住宅のDIY向けの住宅シリーズです。団地に住んで、自分好みのインテリアをつくりたい人におすすめ。

- ●「UR-DIY」利用の流れ
- <内覧の申し込み>
- 気になる物件が見つかったら、UR賃貸住宅のホームページか、最寄りの営業センターから、内覧の申し込みを行います。
- <内覧・契約>
- 実際に部屋を見学し、気に入ったら契約を結びます。DIY住宅、Petit DIY住宅は、入居者による施工を前提としているため、未補修のまま引き渡しとなります。
- <入居・DIYのプランニング>
- DIYを行うには、事前にプランの申請と承諾が必要です。まずどのように施工するか、計画と実施内容を考えることからスタートしましょう。
- <DIYプランの申請・承諾>
- プランが決まったら、UR都市機構にDIYの施工内容を申請し、承諾を得ます。
- <施工・完成>
- プランに基づいて、思いきりDIYを楽しみましょう! 完成後に、追加でDIYを行いたい場合は、再度プランを申請し、承諾を得られれば何度でも施工可能です。
「UR-DIY」のラインアップ
「UR-DIY」には、施工できる範囲や内容に応じて三つの種類があります。初心者から本格派まで、自分たちの希望や予算に応じて、納得のプランを選べます。
●本格派におすすめDIY住宅
建物の構造部分(躯体)以外は原則としてDIY可能。とことん変えてみたい本格派DIYerにおすすめ。家族の成長とともに、住まいの成長も楽しめます。

- <参考例>
- ・床を無垢床に張り替え
- ・床をタイル張りにしてインナーテラスに
- ・天井をむき出しにしてラフな質感に
- ・建具をペイントドアや透過性のあるアクリル素材に交換
- ・室内窓でゆるやかに空間をつなげる
- ・玄関を拡張して土間スペースに
- ・キッチン、洗面台、バス、トイレなどの水まわり交換
- ・スケルトン状態から間取りを変更
- ●初心者でも楽しいPetit DIY住宅
- 壁紙や床面など、内装部分のDIYが行えるシリーズです。大きなレイアウト変更はできませんが、初心者でも手軽に、自分好みのインテリアにカスタマイズできます。

- <参考例>
- ・床のフローリングを変更
- ・和室の畳をおしゃれな琉球畳に
- ・壁の塗装を珪藻土や漆喰などの自然素材の塗り壁に
- ・クロスやペイントでアクセントウォールに
- ・押入れをキッズスペースやワークスペースに改装
●「UR-DIY」以外でも原状回復が免除になるケースも
また、「UR-DIY」以外の物件でも、「模様替え申請」をすることでDIYが可能になるケースもあります。ライフスタイルの変化に応じて「押入れをクローゼットに替える」ことや、「壁紙の貼り替え」、「壁の塗装」などがその一例。この範囲であれば、原状回復も不要です。

団地レイアウトのアイデアが広がるUR
団地は古いというイメージをお持ちかもしれませんが、工夫次第で、味わいのある空間がつくれるのも団地の魅力。
大規模なリフォームをしなくても、ふすまや建具を外したり、壁紙や床の色・素材を工夫したり、低めの家具でそろえるなど、視覚的にも広さを感じられるようにすることで、ゆとりのある住空間が生まれます。
さらに、「もっと本格的にDIYを楽しみたい」という人向けには、DIY可能な「UR-DIY」の物件がおすすめ。「UR-DIY」のホームページには、実例も紹介されています。
また、実際にDIYを始める前には、URの各所で開催されている木工ワークショップや、塗装の仕方やクロスの貼り方、工具の使い方を学べる講座に参加してみてください。そこでつながりが生まれて、お互いに協力し合えることも。
建物の制約がアイデア次第で魅力に変わる―そんなDIYを楽しんでください。
監修/山下 あい


DIYやレイアウトのアイデアで、団地での暮らしをより自分らしく、快適にできる!
- ・ダイニングキッチンとリビングをつなげたり、和室にクッションフロアを敷いて洋室に変えたりすることで、これまでと違った暮らしを満喫できる
- ・大がかりなDIYを行う場合は、事前に契約書を見たり、管理会社への確認が必要
- ・UR賃貸住宅には、本格的なDIYを楽しむことができる物件から、インテリアを手軽にカスタマイズできる物件まで、選べるDIYプランが用意されている

くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
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