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大学の学生と職員がまとめて団地に住む「おとなりプロジェクト」って?

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愛知県豊明市の豊明団地では、地元大学の学生が団地に住み、住民との交流や地域貢献の活動を行う取り組みが始まっています。その名も、「おとなりプロジェクト」。多世代がつながり合い、生き生きと暮らし続けられる環境づくりの実現に向けて動き出しています。

大学生が“おとなり住民”として団地で活動

地元大学の学生が団地に住み、地域活動に参加する「おとなりプロジェクト」を進めているのは、藤田保健衛生大学。病床数日本一の大学病院を併設する、医療系総合大学です。この大学では、3年前に豊明団地内に「ふじたまちかど保健室」を開設。地域の健康づくりの拠点として、無料相談の対応やイベントなどを実施しています。

保健室があるだけでなく、実は学生が同じ団地に住んでいることがこのプロジェクトのユニークなところ。住んでいるのは、リビングの壁面におしゃれなアクセントクロスを使った「カラーコーディネート住宅」など、若者向けのリノベーションが施された部屋。学生は、団地に暮らしながら夏祭りやもちつき大会、清掃活動といった、団地の行事に携わります。また、子どもたちに宿題を教える「夏休み寺子屋教室」をはじめ、自分たちで企画・主催するイベントの開催にも奮闘しています。

暮らして寄り添うからこそわかる本当の課題

団地に入居しているのは、実は学生だけではありません。なんと、大学職員も一緒に団地に住んでいるのです。2017年度は、50名の学生と10名の大学職員が、豊明団地で暮らしています。
なぜ、学生や大学職員が団地に住み始めることになったのでしょう? このプロジェクトの先導者であり、ご自身も豊明団地にお住まいの藤田保健衛生大学講師・都築(つづき)晃さんにお話をうかがいました。
「訪問介護の現場では、生活習慣が病気の原因とわからず重症化してしまうこともありました。『もっと早く気付いていれば…』と無念に思うこともしばしば。だからこそ、自分たちもその場所に住み、“住民同士”という近い位置で、健康や暮らしの問題を共有したいと考えています。」

住民と何気ない会話を交わすことで、その人が抱える問題に気付きやすくなるということですね。
「相手の心情や生活状況を察しつつ、困っていることを読み取り、深刻化しないうちに手立てを講じる…。これは、地域の方々が健康で幸せに暮らすためには不可欠なことです。と同時に、未来の医療人に求められることでもあり、大学の講義だけでは得られない現場での“学び”です。」

高齢者の声の吸い上げが地域サービス「買い物支援」に発展!

豊明団地で行われているサービスのひとつ、学生による高齢者の「買い物支援」も、こういった小さな気付きから生まれました。
団地のことを深く知ってもらうウォークイベント「けやきいきいき健康ウォークラリー大会」の開催時、学生とおしゃべりしていたご高齢の参加者が、「荷物が重くて買い物に困っている」との悩みを口にされました。「それなら!」と、学生たちが高齢者と一緒に買い物に行き、会話をしながら玄関先まで荷物を運ぶ支援を始めました。
その取り組みが豊明市の行政などが集まる会議で紹介されたところ、新たな地域サービスへと発展。高齢者が利用しやすくなるよう、スーパーマーケットの配達サービスの拡充へとつながりました。何気ない会話から吸い上げたニーズが実を結び、地域での暮らしが便利になったのです。

高齢者の笑顔満開!学生参加の「ふれあい食事会」

団地の自治会主催のイベントでも、学生たちは高齢者に喜びを運んでいます。
「去年は2回、70歳以上の高齢居住者と学生が一緒に会食をする『ふれあい食事会』を開きました。高齢者の方々は、自分の孫のような学生さんとテーブルを囲んで和気あいあい。『若い子と話していると、すごく楽しい!』と、見たこともないとびきりうれしそうな顔で談笑していました」と、教えてくれた自治会のみなさんも、学生たちの存在に一目置いているようです。

「団地内で行事を開催するときに人手が足りないこともありますし、自治会メンバーの平均年齢も上がっているので、若い学生さんの力に期待しています。彼らの知恵も借りながら、団地をもっともっと盛り上げていきたいですね。」

住民のベテランさんと若手が力を合わせ、団地や街にどんな新しい魅力を創造していくのか、とても楽しみです!

記事のまとめ

豊明団地では学生が団地に住み、行事を通して住民との交流や地域貢献活動を行っている

  • ・学生自身が団地に住むことで、住民の抱えている問題にいち早く気付き、さらに将来の医療現場でも役立つ経験が積める
  • ・学生の活動によって、店舗サービスの拡充や、高齢者が笑顔になるなど、地域に活気を与えている
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