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UR賃貸住宅の魅力!数十年まで見越した屋外環境“緑の設計”術

前回の記事では、20代の皆さんから出たUR賃貸住宅や団地の素朴な疑問に対して、UR都市機構の担当者からいろいろ教えていただきました。でも、百聞は一見にしかず!ということで、UR賃貸住宅の快適な住環境づくりの取り組みを調査すべく、実際に現場へ足を運びました。
今回のテーマは、UR賃貸住宅の「屋外の自然環境への取り組み」です。

第2回:UR賃貸住宅に関する疑問に答えます! インタビュー「屋外の自然環境にこだわる、UR賃貸住宅の“緑の設計”とは?」

今回の訪問先は、JR中央線・荻窪駅の南側住宅街にあるUR賃貸住宅『シャレール荻窪』。荻窪団地として生まれてから半世紀を経て、平成23年に、安全・安心な環境づくりを目指して建て替えられたUR賃貸住宅です。

今回、20代を代表してライター・北山(左)が現地を訪問しました。そして、さまざまな疑問にお答えいただいたのは『シャレール荻窪』の開発に携わられた、UR都市機構の環境整備チームの松本さん(右)、造園設計ご担当の立原さん(中央右)、植栽管理担当のグリーンマネージャー中さん(中央左)。

Q.自然に囲まれて暮らしたい・・・! そんな想いを持つ人が知りたい、UR賃貸住宅の「緑化」ってどんなこと? どういった効果があるの?

ライター:
「前回の座談会で、UR賃貸住宅はお住まいの方がより快適に過ごせるために、さまざまな取り組みをされていると伺いました。その中で気になったのが『緑の環境づくりに力をいれている』というお話。そこでUR都市機構さんでは、具体的にどのような取り組みをされているのか教えてもらえますか?」
松本さん:
「よくぞ聞いてくれました。UR賃貸住宅では、人と自然が巡り合うまちづくりを推進しています。多くのUR賃貸住宅では『緑化』に力をいれていて、お住まいの皆様が自然に触れ合えるような工夫をしています。その『緑化』にどんな効果があるかというと、お住まいの方々に癒しをもたらすのはもちろんのこと、生物多様性の継承、風の通り道の確保、ヒートアイランド現象の緩和で涼しいまちを目指すなど、その地域一帯の自然環境に配慮しています」
中さん:
「そう、例えばここ『シャレール荻窪』ではキツツキの仲間であるコゲラが住めるような環境づくりを目指しています。コゲラは昆虫食なので、都市近郊生態系の中では上位に位置します。そのため、このコゲラがいる場所というのは、多種の生物が住める環境の指標となっていて、実際ここでは飛んでいるんですよ」
ライター:
「なるほど、荻窪団地周辺の自然保全の役割も担っているんですね」
立原さん:
「そうですね。コゲラなど生息する鳥たちのために『バードバス』と呼ばれる、雨水を利用したエコな水飲み場も設置しました。旧荻窪団地は昭和33年から入居がスタートし、当時から緑溢れる自然が多い敷地でした。その後、半世紀の間に荻窪周辺の都市化が進み、まわりの緑は少なくなったのですが、この場所だけはしっかりと緑が残り、いつしか地域の貴重な資源となっていたんです。そこで私たちUR都市機構は、旧荻窪団地時代からお住まいの皆様とともに、ここ『シャレール荻窪』ではこの地域が本来持つ緑豊かな資産を活かして、よりいっそう環境配慮に力をいれて建て替えに取り組んだのです」

Q.では『シャレール荻窪』はどのような緑化を実施されていて、お住まいの方々にどのような影響をもたらしているのでしょうか?

松本さん:
「例えばこちらの『壁面緑化』の壁は、広場に多くの樹木を配することで壁や地面の温度を調節し、夏は涼しく、冬は暖かく感じられるんです。日当たりの良い南側に設計された『壁面緑化』の壁は、景観の向上を図るとともに、建物表面の温度を低減させる効果もあります。さらに敷地北側に常緑樹を植えることで、北風を遮って、冬には建物が冷えるのを防いでいます。暖房や冷房の温度設定が控えめで済むので、ガス・電気代の節約にもつながり、健康的に過ごせると思います」
松本さん:
「また、注目いただきたいのが駐車場。直射日光でホットスポットとなりがちな平面駐車場の地面を住棟内にとりこみ、その分、植栽面を増やすことで、野外アスファルト面を縮小しています。これなら、愛車を炎天下や雨水にさらす必要がないので、愛車をお持ちの人たちにとっても、嬉しいですよね。また、住棟の屋上を緑化することによって、建物表面温度を下げ、団地の蓄熱を防ぐなどの工夫もしています」
立原さん:
「南風や善福寺川沿いの涼風を住棟間にとりこむ住棟配置にもこだわりました。風向きに合わせて風の通り道をたくさんとり、隅々まで風が通るように設計してあるので、お洗濯ものもよく乾きますよ。お散歩時にもぜひ心地よい風を感じて癒されていただきたいです」

Q.お住まいの方々の、お気に入りスポットを教えてください。

立原さん:
「代表的なのは、こちらの『中庭』ですね。お住まいの方から『まるでプライベートなお庭を持っているかのように感じられる』と喜んでいただいています。お部屋の窓から庭草木などの緑が眺められるように、住棟間に設計しました。ケヤキの大木を生かした『山の庭』、野原の風景を楽しむ『野の庭』、マツ、カキ、サクラを生かした『里の庭』など、モダンでありながらも和をテーマにした3つの中庭があり、どの庭も四季折々の景色がお楽しみいただけるんですよ。大阪芸術大学環境デザイン学科(※当時。現在は建築学科にご所属)の福原成雄教授に監修いただいたこちらには、ネコやカエルなどの動物をモチーフとした木彫もあり、それが子どもたちに大人気! 敷地内なので小さなお子さまのいるご家族も、気兼ねすることなくお散歩していただけます」
立原さん:
「そして、こちらはお住まいの方にお手頃価格で貸し出ししている菜園『クラインガルデン』です。野菜を育てることで、収穫の喜びを味わえるライフスタイルのご提案をしています。また、車椅子の方が座ったまま作業できるよう、高さのある花壇もありますよ」
ライター:
「家庭菜園もできるなんて楽しそう! しかも、ユニバーサルデザインだなんてとても素敵な心遣いですね」

Q.ところで、植栽の剪定など、メンテナンスはどうしているのですか?

松本さん:
「こちらは、中央にあるメインエントランス。荻窪の自然を生かした安らぎを感じる空間であると同時に、スタイリッシュな雰囲気も楽しんでいただけるスペースです」
ライター:
「素敵ですね。そういえば、敷地内は清潔感が溢れていますが、お住まいの方が交代で植栽の剪定をされているんですか?」
中さん:
「グリーンマネージャーである私たちが植栽のメンテナンスを担当していますので、お手入れの手間は心配不要です。また、クリーンメイトの皆さんが日常の清掃をしています。いろんな地域を巡回している際に寄せられる、お住まいの方々からのリアルなご意見を生かしながら、日々、居住環境の改善を図っています。それを実現していくことに責任を感じますね。とてもやりがいを感じています」

Q.素晴らしい環境ですね。ちなみに、こちらにお住まいの方々はやはり環境配慮の取り組みに関心をもたれる方が多いですか?

松本さん:
「そうですね。ご紹介してきたように『シャレール荻窪』では、自然に対する魅力を肌で直接感じられるため、よりいっそう環境配慮の取り組みに関心を持つ方が多いようです。また、太陽光発電と風力発電を生かした街灯などが身近にあるため、子どもたちにとっても環境に関心を持つ良いきっかけになるはずです」
ライター:
「皆さんに良い影響がもたらされそうですね」
松本さん:
「そうですね。私たちは、数十年先を見据えて、このように環境対策をしています。『シャレール荻窪』に限らず、全国のUR賃貸住宅でも、とくに緑の設計やエコにこだわった物件がたくさんあります。気になる方は、気軽に足を運んでみてくださいね」

前回の座談会に参加された関東在住の俊佑さん(25歳/広告代理店営業)さん。この記事を読んで疑問が解決したようです。

俊佑さん:
「自然に恵まれた郊外で育ったため、都心に出てくるとやはり緑が恋しいと感じます。この記事を読んで、UR賃貸住宅であれば、一戸建てでなくても気軽に庭を持つ感覚で自然を身近に感じられるなと思いました。それに、将来自分の家庭を持ったら、豊かな緑のある環境でのびのびと暮らしたいと考えているので、ここなら安心して永く住めそうですね」

実際現地に赴いてお話を伺うと、単なる見た目だけの緑化ということではないことがよく分かりました。その土地の環境に応じながら、住む方々の快適さをしっかり配慮しつつ、さらに中長期的な視野で取り組まれているUR賃貸住宅の緑の設計にとても興味を惹かれました。 こんな環境で生活できたら、家に帰る楽しみが一つ増えそうです!

さて、次回も現場に直接伺っていろいろ調査をしてきます。次回のテーマは『灯り』。建物の灯りって、安心して暮らすのにとても重要ですよね! 乞うご期待!

シャレール荻窪(UR賃貸住宅)

東京都杉並区荻窪3-7
長年育まれている木々と調和した住まい。それぞれ個性の違う3つの中庭も魅力的。

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