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住まいの事例

EHAMI's Home 賃貸DIYで実現する 今の我が家に合う「暮らし」

case study 015

EHAMI邸

千葉県 民間賃貸

間取:1LDK

今回は、UR×LIMIA 賃貸でも楽しめる!DIY アイデアフォトコンテストで「あなたらしくYOUR賃貸賞」を受賞されたEHAMIさんのお宅にうかがいました。場所は、千葉県の築38年のマンション。賃貸DIY歴3年半のEHAMIさんのお部屋はさすがの完成度です。既製品に一手間加えて「目指すイメージ」に近づけるオリジナルのセンスはすぐに参考にしたいものばかり。今の気分や家族構成に合わせて自由に作り変えられるDIY。賃貸住宅だって、ここまで楽しめるのです。
DIYを始めて、今年で3年半
ーーーLIMIAフォトコンテスト受賞おめでとうございます! もともとEHAMIさんがDIYを始められたきっかけは何だったのですか?
EHAMIさん
もともとは妊娠中に何か楽しめる趣味はないかと探していて。昔からものを作るのが好きだったのもあって、たまたまテレビのバラエティ番組を観てDIYに惹かれました。その番組では久米マリさんのお宅のビフォー・アフターが特集されていて、「これだっ!」ってビビっと来たんです。ちょうど引っ越し先を探していた時だったので、次の家ではDIYをしようって。それがちょうど3年半ほど前で、今住んでいる家はDIYを始めてから2軒目になります。1年前に引っ越しました。
ーーーやはり物件を探す際には「ここならDIYできそう」というポイントを意識されるのでしょうか。
EHAMIさん
そうですね。築年数は古くてもいい、というか、その方が味もあってDIYしやすいというか…
あと、DIYをする分余計に気をつけて、最初に提出する「現況確認書」のシートを細かく書き込みました。ここに穴がある、ここに傷がある、ここの壁紙はちょっと剥がれている、とか。
実は物件探しの時は、キッチンに給湯器が露出しているタイプだったので、ここは候補から外していたんです。でも、間取りや立地はとても気に入った物件だったので、やっぱりここに住むことにしました。だから、露出した給湯器というところを、むしろ生かしてみようと思って黒板シートを貼ってみたら、かえって楽しい空間になりました。
ーーーカバーするアイディアが素敵ですね。
EHAMIさん
実は、あの黒板シートはマグネットのシートの上に貼って付けているので、すぐに取れるんですよ。給湯器に直接シートを貼っちゃうのはなんとなく気が引けるし、注意書きとかも読めなくなっちゃうと困るので。
あと、包丁やナイフ、キッチンバサミなどはIKEAで買ったマグネットナイフラックに付けてワンアクションで手にも取れて片付けられるような仕組みにしています。これはレストランのオープンキッチンで見て取り入れたアイディアです。頻繁に使用するカトラリーをしまう瓶も木材にマグネットを付けて壁面の取りやすい高さに配置しています。
ーーーなるほど! ちなみに、こちらは原状復帰が必要な物件ですか?
EHAMIさん
そうです。「付鴨居」にだけは穴を開けていいことになっています。
1LDKの間取り自体は変えていなくて、ここの住宅は南側にサンルームのようなスペースが付いていて、ここを初めて見たときに「キッズスペース」にしたら素敵かなって考えたんです。
ーーーなるほど。内見の時点で「ここはこういうふう使おう」って色々考えられたんですね。
EHAMIさん
そうですね。引っ越しを決めたときに、内観写真を見て次の家でのDIYを想像してニヤニヤしていました。ここはこういうふうにいじれるかな~って。LDKの全体的な構想はその段階でだいたい決めました。今は引っ越す予定はありませんが、変わらず賃貸情報を見るのが癖になるくらい、間取りや内観写真を見ながらここならどうDIYするかな~なんて考えるのが好きで、いまでもチェックするのが習慣になっています。
完成予想図を描きながらイメージを固める
ーーーそれぞれのスペースをどうするか、具体的なイメージは、どうやって固めていかれるのですか?
EHAMIさん
ハウスメーカーさんやリノベーション会社さんの実例写真を参考にしています。あとは、instagramで拝見した海外の方のインテリアを。それから、カフェやレストランの内装も参考にすることが多いです。賃貸の「原状復帰」を最初から意識しすぎてDIYを考えてしまうと、ゴールが中途半端になる気がして。例えば、ここの梁も、中古住宅をリノベーションしたお宅によくある「打ち放しのコンクリート」をイメージしてコンクリート柄の壁紙を張って、上から打ち放し風の塗装をしているんです。
ーーーすごいですね! 全然、気づきませんでした。梁の下の白い壁面も壁紙ですか?
EHAMIさん
これは、漆喰風の塗料です。柱を5本立てて合板を張って新しく壁を作りました。
ーーー二重壁なんですね。
EHAMIさん
そうなんです。この裏側にもともとの壁があって、さらに柱と柱の間には押入れの引き戸も隠してあります。だから、引き戸を隠している壁にネジを打つときには必ず柱部分に。けっこうややこしい構造なんですが、これは完成予想図を描きながら、作り方と使う材料などを考えて最後には作りながら調整していきました。いつもこうやってノートに書きながら出来上がり予想図と構造を考えます。
EHAMIさん
壁掛けにしたテレビもいかにも家電っぽくならないように、周りに額を配置して、その一つ、といった雰囲気にしました。額は100円均一ショップで買ったものにオイルステインを塗ってから白を塗り重ねました。100均で買った物はそのまま飾るものはあまり購入せず、ひと工夫加えるようなアイテムを買うことが多いです。あと、100均ではDIYに使える金具や紐などのパーツをよく買います。
EHAMIさん
そして、もともと押入れだった部分はDIYの道具や本をワンアクションで取れるように整理したスペースです。いつでもすぐに工具を使って作業ができます。
そして、脇には自分が事務作業をするときのテーブルを壁づけしています。
ーーーこの折り畳み式の机も手作りなんですよね。
EHAMIさん
そうですね。Pinterest(ピンタレスト)でこんな感じの机を見つけて素敵だなって。ただ、細かい作り方までは分からなかったので、見よう見まねで構造を考えました。まず、箱を作って、側面の板を斜めにカットして完成しました。
ーーーこの一角は作業スペースであり、クリエイティブな発想の場ですね。
EHAMIさん
いつも、動線を気にして収納場所や行動場所を決めながらDIYしています。自分が作業する場所はここのスペース、キッズスペースにはこどものものだけ、など「その場所で使用するもの」がひとまとめになるように。DIYなので、その配置決めも自分自身で決めることができるので、生活が便利になります。
ーーーDIYで使用するカラーは決めているんですか?
EHAMIさん
このカラーだけ、とはあまり決めていないです。自分の好きな色を選んでいたら、自然とナチュラルな色が多くなっていきました。あとは、キャンプが趣味な人のアウトドアな道具感のあるインテリアが結構好きです。メンズのラフな雰囲気のお部屋も好きでよく見ていますね。
ーーーそのイメージを具体的に自分の家で表現するときに、やっぱり賃貸というハードルがあると思うのですが。
EHAMIさん
そのハードルがかえって「このインテリアを、原状回復できるようにどうやって表現しよう」と考えることが楽しいです。もはや賃貸DIYの中毒ですね。それから、自分がDIYを始めたころはそんなに賃貸でできるDIYの材料がなかったのですが、今は壁紙を貼るにしても貼って剥がせる壁紙用ののり、「スーパーフレスコイージー」など、便利な素材が増えています。
ーーーこれは賃貸DIYの「三種の神器」的な存在でしょうか。
EHAMIさん
そうですね。DIYしている仲間の間だと皆知っています。DIYしている仲間の間だと皆知っています。あとは賃貸だとアジャスター器具を使って柱を立てたり、私はホチキスで引っ掛け金具を付けることが出来る「壁美人」がすごく好きで、この有孔ボードも壁美人を使って設置しているんですよ。
ーーーしっかりしていますね。
EHAMIさん
初めて使ってみたときにすごく丈夫に棚を付けることができて、設置の仕方を工夫すれば金具が隠せるのもあって「これはいいな」って思いました。それ以来、気に入ってよく使うようになりました。石膏ボードの壁で使えます。フィルムが別売りしているので外しても再利用もできるし、お勧めです。
ーーーダイニングテーブルも手づくりですか?
EHAMIさん
はい。ホームセンターで買った厚めの板を繋げてアイアンの脚を付けたシンプルなものです。表面にはブライワックスの「ジャコビアン」を初めて使ってみたのですが、少し扱いが難しかったです。やっぱり使ってみるとわかることもあります。
前までは和信の水性ステインの「ウォルナット」を使っていましたが、最近は白木や流木のような褪せた木の色のほうが好きで、最近作るものには濃い色のステインを塗らないんです。
ーーーもう無垢のままで。
EHAMIさん
そうですね。押入れにDIYしたものには塗装はしていないです。ウォルナット色よりも、これから作るものは白木や木目を生かした白塗装に移行しています。
ーーー飽きたら変えられるのがDIYのいいところですね。
EHAMIさん
キッチンの扉に貼っている板も、少し赤みがあったので水でシャバシャバに薄めた白ペンキを上に塗り重ねています。そうしたら流木っぽい褪せた色になりました。キッチンカウンターは前の家で使っていた解体材を組み立てたため、ステインが濃い色のままなので、いずれ色を変えたいと思っています。
DIYは終わりなく、ずっと続く
ーーー床はどうされているんですか?
EHAMIさん
床は、もともとクッションフローリングだったのですが、色味が好みでは無かったのでその上に「ウルティモフローリング」というはめ込み式のフロアタイルを敷き詰めています。接着剤もいらないので、次の家でも使えるかなと思っています。私は物を捨てるのが苦手な性格なので、物を選ぶときになるべく「次にまた使えるかどうか、長く使えるかどうか」を気にしています。
ーーー素材を選ぶポイントですね。
EHAMIさん
そうですね。割と値段はしたのですが長く使えるのと、色々と良い点がある分いいなと思いました。素材が塩化ビニールなのに凹凸もあってすごく木目がリアルです。遊びに来た友人は木じゃないの?と驚くほどです。敷く時にはカッターで切れるので施工もし易いです。あと、木みたいに反ってくることもないし、隙間もできず敷けるので水をこぼしてもすぐに拭けます。クッションフロアだと、家具の跡などが残ってしまうのですが、全然沈まないのでとても良いです。
ーーーDIYを始めて変わったことはありますか?
EHAMIさん
私自身、本当に片付けが下手で、物を元に戻すのがすごく苦手なので、とにかく全部戻しやすく、便利にすることにこだわっています。私がDIYをするときはいつも「見た目をこうしたい」よりも「ここをこう便利にしたい」から考えて、ついでにお気に入りの空間にしちゃえ! という感覚です。
ーーー効率性や性能の改善から考えるわけですね。
EHAMIさん
そうなんです。上着とかも脱いですぐに掛けられるように洋服掛けを作りました。これがないと、帽子とかも、夫婦であちこちに置きっ放しにしちゃいます。この穴にハンガーをかけるのですが、もうちょっと穴を広げたほうが掛けやすいかな、と改善を考えています。使っていくうちに改善を考えられるのもDIYの良さですね。このS字フックは、主人がよくズボンを脱ぎっ放しにしていたので、引っ掛けるだけで片付けられるようにしました。
EHAMIさん
DIYを始めて、生活がすごく楽しくなりました。もし、自分が持ち家に住んだとしても、たぶんなるべくは原状復帰できるようにDIYをすると思います。
ーーーそれはなぜですか?
EHAMIさん
飽きてしまったり好みが変わったり、生活が変わっていった時に作り変えたくなると思います。DIYではなかったら、家財道具を一式揃えたらなかなかインテリアを変更できなくなると思います。それが、DIYなら、ずーっと変えられます。変えていくときのことを考えるのも楽しみのひとつです。
ーーーDIYには終わりがないですね。
EHAMIさん
そうなんです。作ってみたら意外と使いづらかった、とか、この場所じゃなかった、とか今はこうしたほうが便利かな、と思った時にやる気さえあれば作り直せます。実は今、キッチンカウンターの形を作り変えたいなと思っていて、次のイメージの構想を楽しんでいるところです。
ーーー本日は、素敵なお部屋をご紹介いただき、ありがとうございました。EHAMIさんのDIYの続きを、これからも楽しみにしています。
2017年2月 取材・文:高木沙織 写真:鍵岡龍門
 
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