case study 004
K&T邸
北緑丘(豊中市)
間取:3DK
内装や看板などの施工をされているKさんと、 設計のお仕事をされているTさんは北緑丘にお住まいです。
ヴィンテージ家具が大好きで、 家具を探して日本中を回るというお二人がつくったDIYの住まいは、 そこかしこに美意識がちりばめられていました。 実際に解体から作業されたというお話には、さまざまなDIYのヒントがたくさん!
独自の視点でつくりあげたれた、見事というべきDIYの住まいをご覧ください。
独自の視点でつくりあげたれた、見事というべきDIYの住まいをご覧ください。
自由度が高くて、なおかつ賃貸というのが魅力
ーーーURのDIY住宅はご存知でしたか?
- Tさん
- 全く知らなかったのですが、たまたま彼が見つけてきて。将来的には一軒家を自分たちで建てたいので、まずは賃貸でもDIYできるならいいなと思って入居しました。
- Mari
- 1軒目はまずURのDIYでチャレンジされたのですね。
- Tさん
- 分譲にするよりは全然コストがかからないので。
- Kさん
- 自由度が高くて、なおかつ賃貸というのが魅力ですよね。
- Mari
- モデルルームはご覧になられたんですか?
- Tさん
- 箕面粟生に行きました。最初は箕面粟生の間取りがDIYしやすそうで気に入っていたんですけど。北緑丘は水色のドアがいいなと思って決めました。
- Mari
- プランを考えるのに時間はかかりましたか?
- Tさん
- 間取り図を見てパッと思いつくタイプなので、思いついたら、思いついた通りに絵を描いて、彼に見せて、彼が「こうした方がいいんじゃない」と微調整してくれて決めました。なので、結構早い段階で決まっていました。
- Mari
- 内装は家具から考えられたのですか?
- Tさん
- 家具ありきです! インテリアコーディネーターとして活動しているので、「この家具をここに置く!」というの前提でプランは決めています。でも結局この辺に何を置くかは決まってないんですけどね。
- Mari
- 家具はヴィンテージですよね。
- Kさん
- ふたりともこういう家具が好きなので、結構全国を回って気に入ったものを買ってくるんですよ。車に乗って。椅子なんかは持ち帰って。テーブルは後で送ってもらうんです。あれは金沢で、あれは東京で、あれはインターネットで。京都とか、福井とか。
- Mari
- そんなに行かれるんですか!
- Tさん
- 休みの日はだいたい。家具を探しにでかけます。
- Mari
- ブランドとかは決めておられるのですか?
- Tさん
- 決めてないですね。ヴィンテージは味わいがあって好きなんですよ。
- Mari
- ダイニングテーブルも素敵ですね。
- Tさん
- ありがとうございます。家具屋さんの方がきれいにメンテナンスしてくださって。最初はもっとボロボロだったらしいですけど。
ーーー最初からコンセプトを練ってやられたんですか?
- Kさん
- そうですね。URに簡単な計画図を提出する準備も兼ねて、図面を書きました。材料は決めていました。色とかは解体してから雰囲気を見て決めたんですけど、大枠は最初に決めていました。
- Mari
- 具体的な完成イメージがあったのですね。
- Tさん
- はい、ありました。私自身は仕事で現場に出ていましたが、実際に手を動かしたことはなかったので、自分でやったらどんな感じかなー、と思って。知識はあってもやるのは初めてって感じですね。
- Mari
- 解体作業もされたそうですね。
- Tさん
- いちばん驚いたのはゴミの量ですね。すごい量になりました。写真に撮ってしまったほどです。部屋が全部ゴミで埋まったんですよ。
- Mari
- 床や壁をはがすのは大変ですよね。
- Tさん
- 私は主にクロスをめくったりとか、回り縁とか、ちょっとした簡単なところだけやりました。大きいものは全て彼が。
- Mari
- 頼もしいですね。
- Tさん
- 頼もしかったです。
- Mari
- 全体で、DIYだけでざっくり費用って幾らくらいかかりましたか?
- Tさん
- 解体も含めると、70万くらいです。
- Kさん
- そんなくらいかな。仕事しながらやってるのでお金より時間ばかりかかって。
ーーー施工内容をお聞かせください
- Kさん
- まず、壁も天井もコンクリートの構造がむき出しになるようにすべて撤去しました。キッチンは元々のフローリングを活かして300角の磁気タイルを貼り、リビングは一部フローリングを残して新たに無垢材のフローリングを敷きました。リビング横の洋室はフローリングを撤去して一段下げて、キッチンと同じタイルを貼り、無垢材のリビングだけがステージのように浮いている状態をつくっています。洗面、バス、トイレと洋室を区切っていた壁も撤去したのですが、ここには新たに壁をつくり、独立性を高めています。扉はもともと付いていたものを活用して取っ手だけ変えています。
- Mari
- 今後はどのようなDIYを計画されているのですか。
- Tさん
- 洋室の壁側に箱をつくって、下を収納にして、上をロフトにする予定です。収納は高さ1200mmで設計しています。
- Mari
- ロフトへはどうやって上がる予定ですか。
- Kさん
- いちおう今の段階では階段を考えています。階段でちょっと困っているのが、片方を張り出しだけにしたいんですよ。
- Mari
- キャンティレバーということですか。
- Kさん
- そうなんです。そのために、木を張りたいんですけど、木だけでは絶対に強度が足りないので鉄板で支えようかと思っています。
- Mari
- 見た目は木で構造は鉄板にするのですね。
- Kさん
- そうです。鉄板を見えないようにして、蹴上と踏面の木部だけ見えるようにしたいので検討中です。
家具と住まいのコストを、DIYでバランスをとることができる
ーーーDIYを行なって感じたことはありますか
- Mari
- 玄関脇の洋室もDIYをされていますね。
- Kさん
- 壁をコンクリートのむき出しにして、彼女が設計の仕事をするための部屋にしました。
- Tさん
- 今後は家で仕事をする予定です。なので、奥に収納棚を付けて、玄関脇に腰高のコンクリートブロックの壁をつくって、カウンターテーブルを作り付けてパソコンを置けるようにしました。腰壁の上は、お気に入りの小物を置くギャラリースペースです。
- Mari
- 素敵な住まいができましたね。
- Tさん
- そうなんですよ。大阪市内にはないような緑の景色も良くて、本当に満足しています。
- Kさん
- ヴィンテージの家具が好きなので、家具にお金がかるけど、それはしょうがない。家具にお金をかける分、他のところを自分たちでやればトータルコストが下げられると実感しました。本物のヴィンテージ家具が好きな人は、そういう発想をすれば。
- Mari
- 家具と住まいのコストを、DIYでバランスをとることができるのですね。
- Kさん
- 家具を中心にした空間づくりを求めている人たちには、URのDIYはとても活用しがいのあるいい物件です。
取材:2014年6月