ゆたかなくらしって? ひと×コミュニティ
「こんにちは」と言える関係がやさしいまちをつくる。洋光台のまち・人・活動をつなぐ「まちまど」

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UR都市機構は、2025年7月に団地誕生から70年を迎え、UR賃貸住宅の新しい事業メッセージ「ゆるやかに、くらしつながる。」を発表しました。
そのメッセージが息づくように神奈川県横浜市の洋光台中央団地、洋光台北団地
では、人と人、まちと人をつなぐ活動が広がっています。
野菜でポン!世界に一枚の手ぬぐい作り
JR根岸線「洋光台」駅を出ると目の前に現れる、洋光台中央団地。利便性の高い立地に加え、「団地の未来プロジェクト」によるリニューアルも進み、長く暮らす住民に加えて若い世代も増えています。

さらに2025年3月には、洋光台北団地の歩行者通路が「団地の散歩道」として整備されるなど、新しい魅力も次々と生まれています。

そんな洋光台エリアで「まちの窓口」としてまち、人、活動をつなぐ役割を担っているのが、洋光台中央団地の一角にある「まちまど」です。まちづくりの一環として、地域のさまざまな活動やネットワークをサポートし、「こんなことをやってみたい」という思いを形にする手伝いをしています。
2024年3月には、団地内にシェアキッチン「シェアベース洋光台」もオープンしました。

「シェアベース洋光台」で、2025年8月に親子を対象に行われたのがワークショップ「手ぬぐいに野菜でスタンプしよう」。「まちまど」と日本総合住生活株式会社(略称「JS」)が、協力して企画しました。
当日は、参加者はまず「シェアベース洋光台」に集合。続いて、団地内にあるJSが運営するコインランドリー「J Smile Wash 洋光台店」に移動し、水通しした手ぬぐいを洗濯乾燥機にかけました。


乾燥を待つ間、JSの担当者が洗濯や洗濯機に関するクイズを出し、子どもたちは夢中になって答えを考えていました。

十数分後、乾いた手ぬぐいを手に「シェアベース洋光台」へ戻ると、机にはレンコンやオクラといった野菜とカラフルな布用インクがずらり。子どもたちはもちろん、大人も熱中して手ぬぐいに野菜スタンプを押し、オリジナル手ぬぐいを完成させました。
この日は2回に分けて開催され、合計17組の親子が色とりどりのスタンプを楽しみました。

参加した保護者からは、「家ではインク汚れが心配でなかなかできないので、とても面白かったです。子どもも楽しそうで、参加して良かったです」といった声が寄せられました。
大盛況だった今回のワークショップ。企画した「まちまど」の青山さんには、こんな思いがありました。

JSさんと仲良くなったことから、コインランドリーとシェアキッチンをつなげたワークショップを考えました。
親子向けのイベントでは、保護者のみなさんが落ち着けて、笑顔でいられることを一番大切にしています。私も子育て中だからこそ、保護者が笑顔でいれば、子どもも自然に楽しめると実感しています。

垣根のない輪がつながる、夕暮れのビアガーデン
同じ日の夕方には、「ちいきでビアガーデン」も開催されました。
このイベントは、「まちまど」と、洋光台北団地で自然食のカフェを営業している「まる然商店」が企画したもの。誰でも無料で参加でき、飲み物や食べ物などの持ち寄りもOK。生ビールや枝豆、フライドポテトといった定番のおつまみに加え、JSが運営する「団地キッチン」のブルワリーで醸造されたクラフトビールも販売されました。


「まちまど」の青山さんに、こちらのイベントへの思いも教えてもらいました。

洋光台には、引っ越してきたばかりでまだ知り合いが少ない方や、自分の居場所を探している方も少なくありません。これから暮らすまちの雰囲気を知りたい方、同世代の仲間とつながりたい方、あるいは世代や立場を超えた出会いを求めている方もいると思うんです。
そこで企画したのが、「ちいきでビアガーデン」です。連絡先を交換するような堅いものではなく、「あのときのイベントで話した人だな」と思い出す程度のゆるやかなつながりをつくれたらと思いました。それだけでも、道ですれ違ったときに「こんにちは」と声を掛け合える関係が生まれます。そんな小さなきっかけの積み重ねが、このまちをもっと心地よい場所にしていくと信じています。
夕食を持参して家族で訪れる人や、輪になって会話を楽しむグループの姿も見られ、団地の広場は温かな雰囲気に包まれました。
食を通じて会話が広がるシェアキッチン
2024年3月にオープンしたシェアキッチン「シェアベース洋光台」は、「食をテーマに、ゆるくつながる居場所」をコンセプトにしています。1階、2階それぞれに本格的なキッチンを備え、ガスオーブンやスチームオーブンレンジ、ガスコンロ、コールドテーブル、業務用食器洗浄機などの本格的な設備を備えています。
何より特徴的なのが、菓子製造許可と飲食店営業許可を取得していること。これにより店内で菓子やパンを製造して外部に販売したり、この場で飲食できる営業やテイクアウト販売したりすることができます。

「まちまど」の青山さんと伊藤さんに、「シェアベース洋光台」がどのように利用されているかをうかがいました。

定期的な料理教室の開催やカフェとしての営業、さらにお菓子を作って地域のマルシェで販売している人も多くいます。お店を構えることは難しくても、食に関するちょっとしたアイデアや思いが実現できる場所です。
「シェアベース洋光台」では、思いがけないつながりも生まれているそうです。

1階と2階で別々に利用していた人同士が、「良かったらどうぞ」と手作りの料理やお菓子を交換し合うような交流が、自然に生まれています。また、見学に来た人とその日に利用していた人が意気投合し、一緒にお菓子作りを始めるようになった、なんてエピソードもあります。食という共通のテーマがあるからこそ、初めてでも話しやすいんです。
利用者は団地の住民に限らず、遠方から訪れる人も少なくありません。実際に「洋光台の魅力を知る機会になった」という声も生まれています。
二人が目指すのは、顔見知りが増えるまち
地域の人の声を大切にしている「まちまど」の二人。日々の活動や会話の中で出てきたアイデアを、無理のない範囲で形にしていくことを心掛けているといいます。

何かをやりたい人を手助けすることで、その人自身や周りの人が笑顔になってくれたら良いなと思っているんです。まちのためというより、ただ近くの人がやりたいことに寄り添い、隣の人が笑顔になったらそれで十分だと思っています。

二人は、これからの洋光台にどのような願いを込めているのでしょうか。

洋光台団地ができて50年以上たちますが、団地とともに育ってきたみなさんは本当にすてきな方々ばかりなんです。年配の方々に助けてもらうことも多いですね。
住んでいる人って意外と自分のまちに目を向けていないことも多い気がします。だからこそ、「洋光台ってこんなに良いまちなんだ」っていうことを、もっと住んでいる人自身に知ってもらえたらうれしいなと思っています。

例えば、靴も履かずに歩いているシニアの方を見かけたとします。顔見知りで知っている人なら声を掛けると思うんですけど、知らない人だったら躊躇するかもしれませんよね。
そんなときに「あの人、誰々さんじゃない?」と声を掛け合えるのが当たり前なまちになってほしいんです。今日のビアガーデンもそうですが、さまざまな活動やイベントが、みんなが顔見知りになるきっかけになればと思っています。

これからも「まちまど」の活動が、洋光台エリアの魅力をさらに引き出し、その歩みがこのまちをもっと心地よい場所にしていくでしょう。


「まちまど」がサポート!何気ない出会いで団地から地域につながりが広がる
- ・洋光台中央団地の一角にある「まちまど」は、地域のまち、人、活動をつなぐ役割を担っている
- ・子どもと保護者向けのワークショップ「手ぬぐいに野菜でスタンプしよう」では、手ぬぐいに野菜スタンプを押した、オリジナル手ぬぐいを制作
- ・夕方には、「ちいきでビアガーデン」も開催
- ・シェアスペース「シェアベース洋光台」は、「食をテーマに、ゆるくつながる居場所」がコンセプト
神奈川県横浜市磯子区洋光台3-13 ほか
神奈川県横浜市磯子区洋光台2-1 ほか
JR根岸線「洋光台」駅より徒歩でアクセス可能。「横浜」駅や東京方面へ直通でアクセス可能。周辺には、スーパーマーケットや飲食店、公園、小学校などがあります。世界的建築家である隈研吾氏と、クリエイティブディレクター佐藤可士和氏がディレクションを手がける、「団地の再生」をテーマにした「団地の未来プロジェクト」の舞台にもなっています。

まちまど-洋光台まちの窓口-
神奈川県横浜市磯子区洋光台3-13街区5号棟212区画
洋光台エリアのまちづくりの一環として、地域コミュニティの形成を応援するとともに、まちににぎわいを創出する窓口。
レンタルスペース「CCラボ」も運営。気軽な集まりの場、地域活動の打ち合わせ、商業活動での利用も可能。- 【定休日】月曜日、土曜日、日曜日 ※臨時休業あり
- 【営業時間】9:45~17:00
シェアベース洋光台
神奈川県横浜市磯子区洋光台3-13街区5号棟107区画
2024年3月オープン。菓子製造許可、飲食店営業許可のあるシェアキッチン。1階、2階両方にキッチンが整備され、誰でも菓子製造や料理教室を開くことができる。
1階は、出店者と地域の方の会話やつながりが生まれるチャレンジキッチン、2階はイベントやワークショップもできるコミュニティスペース。- 【営業時間】1階 7:00~22:00(営業可能時間は21:00まで)、2階 9:00~20:00 ※応相談
J Smile Wash 洋光台店
神奈川県横浜市磯子区洋光台3-13街区4号棟107区画
洋光台中央団地内にあるコインランドリー。
一般衣類、布団、羽毛布団、こたつ布団、カーテン、スニーカーなどを洗濯することができます。
店舗内に宅配ロッカー「PUDO」を設置しており、宅配便の発送、受け取りが可能。フリマアプリ用の写真撮影コーナーもあります。- 【定休日】なし
- 【営業時間】24時間営業

くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
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