住みたいへやの選び方
「借り上げ社宅」のメリット、「社有社宅」との違いを解説
お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります
「住居についての福利厚生を導入したい」と検討したときに、よく出てくる「借り上げ社宅」。ほかにも、「社有社宅」や住宅手当など、住居にまつわる福利厚生はさまざまあります。しかし、社宅と言っても「借り上げ社宅」と「社有社宅」では、そのメリットやデメリット、税法上の取り扱いや社員の満足度が異なるといわれています。ここでは、「借り上げ社宅」とほかの制度との違いについて、詳しく解説していきます。
「借り上げ社宅」とは?
住宅に関する福利厚生の中でも、「借り上げ社宅」は、そのメリットから認知度を上げてきています。まずはその定義と、どのような企業で採用されているかを詳しく解説します。
●「借り上げ社宅」の定義
企業が、不動産業者から賃貸物件を借り入れて、社員に貸し出す制度です。家賃の一部を社宅使用料として企業が負担するので、社員は低価格で住居を確保することができます。
●「借り上げ社宅」を採用する企業の傾向
地方に支社・営業所を持つ、転勤の多い企業が、 「借り上げ社宅」を採用している傾向にあります。地方に転勤するときに、社員が不動産物件を探す手間を軽減することができ、支社・営業所の近くの賃貸物件を借りることで、自家用車を使用するなどの通勤の負担を減らすことができます。
また海外事業を展開する企業も、 「借り上げ社宅」を多く採用していますが、それは社員が海外転勤する際に会社が物件を手配することで、社員の負担を軽減することができるためです。
特に海外では、慣れない土地で社員に不安に感じさせてしまうことも多いため、安心して働ける環境を提供し、治安などを気にしなくて良いようにする配慮から、採用するケースが多いようです。
「借り上げ社宅」のメリット
「借り上げ社宅」は、社員と会社のどちらにもメリットが多いのが特徴の制度です。それぞれどのようなメリットがあるかを確認していきましょう。
●「借り上げ社宅」の社員のメリット
- ・物件を探す手間が発生しない
- 会社で探してくれる場合が多く、自分で賃貸物件を探すときのような手間が発生しません。
- ・賃貸契約の手続きなどが不要
- 不動産業者と会社の契約となるため、手間のかかる個人での契約手続きが不要です。
- ・一部家賃を会社が負担するため個人負担が少ない
- 社員に貸し出すときに、家賃の一部を会社が負担するのが一般的で、個人で契約するよりも家賃が安くなります。
- ・賃貸契約の更新料が不要
- 会社との取り決めにもよりますが、更新料は会社が負担することが多い傾向にあります。
- ・給与から社宅使用料が引かれることで節税
- 所得額が減るため、所得税や住民税の節税につながります。
- ・一定の条件の範囲内で、社員が自由に物件を選べる場合も
- 法人契約できる物件であることや、会社との取り決めにもよりますが、会社によっては社員が自由に物件を選び、 「借り上げ社宅」として法人契約できるケースもあります。
●「借り上げ社宅」の企業のメリット
- ・住宅手当がないことにより、節税が可能
- 住宅手当を支給した場合は給与に該当するため、社員が支払う社会保険料などが増額し、結果的に企業負担も増えてしまいます。
しかし、「借り上げ社宅」の場合には、給与から社宅使用料が引かれるため、負担を抑えることができます。
- ・社員の税負担を軽減
- 所得額が減るため、所得税や住民税の節税につながり、手元に残る金額が増えることを社員にアピールすることができます。
- ・福利厚生として採用面でPR可能
- 最近、福利厚生として認知度を上げている借り上げ社宅制度。社員寮よりも自由度が高く、借りてしまえば、個人で賃貸物件を借りている場合と変わりません。
さらに会社にとってもメリットが多いため、採用の際のPRに利用されています。
- ・社員の転勤や海外赴任などのサポートが可能
- 転勤や海外赴任などが多い企業では、転勤先、赴任先の住居を会社側で用意しておくことで、社員が安心して活躍できる環境を整え、サポートすることが可能です。
- ・不動産会社などが管理する物件のため、管理が不要
- 社員寮などを代表とする「社有社宅」の場合、不動産の管理を会社が行わなければなりません。これに比べて「借り上げ社宅」は、不動産会社などが管理しているため、会社で管理を行う必要はありません。
「借り上げ社宅」と「社有社宅」の違い
同じ社宅の中でも、 「借り上げ社宅」と「社有社宅」はどのように違うのでしょうか。それぞれの違いについて解説していきます。
●「社有社宅」とは
会社が所有する物件を、社員に貸し出す社宅制度です。
社員とその家族のみが住むことが多いため、社員同士やその家族との交流もしやすくなります。
物件自体を会社が所有しているため、管理を会社内で行うのが一般的で、固定資産税などを納める必要があります。
●「借り上げ社宅」と「社有社宅」の違い
賃貸物件を借りて社員に貸し出すのが「借り上げ社宅」となり、物件を所有して社員に貸し出すのが「社有社宅」となります。
「借り上げ社宅」は家族構成や用途により、自分に合った場所を選択できますが、 「社有社宅」は会社が所有しているため、選択肢がほとんどありません。
また、「社有社宅」の場合は築年数が経過しているケースも多く見受けられます。
「借り上げ社宅」の税法上の利点と、住宅手当と社宅制度の違い
「借り上げ社宅」と住宅手当との違いはどんなものがあるでしょうか? 税法上のメリットとともに確認していきましょう。
●住宅手当
福利厚生として、会社が社員の住居費用の一部を負担する制度です。
社員に給与と合わせて支払います。住宅手当は給与となるため、所得税・住民税の対象となり課税されます。
また結果として、企業も社会保険料の負担が増えることになります。
●「借り上げ社宅」は節税が可能な制度
「借り上げ社宅」は、家賃として一定額を社員から徴収する制度です。
社員の給与が減るため、社員の税制上の負担が軽減されます。実際の家賃との差額を社員から徴収して埋めることになるため、社員への福利厚生費扱いとなります。このため給与扱いの住宅手当と違って、社会保険料の負担の増加にはつながりません。
「借り上げ社宅」を選べるならURがおすすめな理由
「借り上げ社宅」を選べるなら、UR賃貸住宅がおすすめです。社宅向けに割引制度があり、物件数も豊富なので、ライフスタイルに合った社宅を選ぶことができます。
●お得な家賃割引制度により、経費を削減できる
URの社宅に関する割引制度は、「複数戸割引制度」、「大口割引制度」の2種類があります。条件を満たすと、5年間の家賃・敷金が、5~10%割引になる制度です。
会社がURに支払う分が減額されるため、社員の負担を軽減することも可能です。
また上場企業なら、敷金が免除されるケースや提出書類が簡略化されるケースもあり、もっとお得になる場合があります。
●4つの「ナシ」で費用負担が軽減
「借り上げ社宅」で住む場合でも、URは4つの「ナシ」で費用負担が軽減されます。
- <1>礼金ナシ
- 通常は家賃1カ月分相当となる礼金が不要なので、初期費用を抑えられます。
- <2>仲介手数料ナシ
- 物件を紹介した不動産会社に払う仲介手数料がなく、さらに初期費用が抑えられます。
- <3>更新料ナシ
- 定期的に行われる契約更新は、面倒な手続きのない自動更新で更新料も不要。
- <4>保証人ナシ
- 保証会社による保証の必要もなく、保証料もかかりません。
●単身者からファミリーまで、多彩な住戸プランがそろう
大都市圏から郊外まで、URは全国に約72万戸もの豊富な物件数があるので、急な転勤時も、入居者のライフスタイルに合った物件を見つけやすいのも特長の一つ。ゆったりした間取りが多く収納も豊富なので、単身者でもファミリーでも、室内をすっきりとさせて気持ち良く暮らすことのできる環境が整っています。
さらに部屋の広さだけでなく、部屋数の多い物件も豊富なので、テレワーク環境を整えてメリハリのある生活を送れるので、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上を目指すことができます。
また敷地内に自然の豊かな物件も多く、気分転換に公園や遊歩道を散歩できることもメリットの一つです。
●ファミリー層には特にうれしい、暮らしやすい環境
近隣に保育園・小学校・中学校が近い物件も多く、ファミリー層には特にうれしい周辺環境。送り迎えや通学の時間が少なくて済むので、家族の時間をたっぷり過ごすことができます。
またURでは、住民の安全を守るために、敷地内の歩道と車道を計画的に分離するなどの取り組みも行っています。
中には、近隣の小学校とURが連携することで、敷地内に歩行者専用道路を設け、そこを通学路として利用できる物件もあるなど、安心して子育てができる環境が用意されています。
●いつでも安心。住まいの困りごとを相談できる窓口
敷地内には、物件内設備の確認など、住まいに関する困りごとがあったら気軽に相談できる「管理サービス事務所」がある物件も多く、頼りになる相談窓口として、入居者の相談を受け付けています。
さらに営業時間外でも、応急処置が必要な事故であれば、24時間365日連絡できる「緊急事故受付センター」も設置されています。
メリットの多い「借り上げ社宅」で、会社も社員もハッピーに
「借り上げ社宅」は、会社と社員の両方にメリットが多い福利厚生です。会社は節税や採用面でのPRができるなどのメリットがあるほか、転勤や海外赴任する社員をサポートすることができます。
そして社員は、物件探しや賃貸契約にかかわる手間が省け、低価格で住居を借りることができる場合もあります。
また住宅手当に比べると、税法上の大きなメリットを両者ともに受けられることも特長です。 「社有社宅」に比べると、会社は手間もリスクも少なくなります。社員は選択肢の幅が広がり、個人で借りる賃貸物件のように、ライフスタイルに合わせて住むことができます。
このように社員が物件を自由に選べると、福利厚生面でも好印象として受け取られます。
そこでおすすめなのが、社宅向けUR賃貸住宅。4つの「ナシ」で初期費用がお得な上、家賃割引制度によってさらに負担を抑えることができ、社員の家族構成やライフスタイルに合わせて、豊富な物件の中から選ぶことができるからです。
「借り上げ社宅」のメリットを把握して、会社にも社員にもやさしい福利厚生を目指しましょう。
監修/豊田 健一
「借り上げ社宅」は、住宅手当や「社有社宅」に比べ、メリットが多く導入しやすい
- ・「借り上げ社宅」は、会社が物件を借り入れて社員に貸し出す制度
- ・住宅手当に比べると、会社と社員両方の税負担が少なく、「社有社宅」に比べると手間やリスクが少ない
- ・「借り上げ社宅」なら、割引制度も多い社宅向けUR賃貸住宅がおすすめ
- ・URなら社宅でも、「礼金ナシ」、「仲介手数料ナシ」、「更新料ナシ」、「保証人ナシ」
くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります