URくらしのカレッジ

自分にぴったりな新しい暮らしを探す

住みたいへやの選び方

不動産会社の選び方。見極めポイントと必要な持ち物

お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります

一般的に私たちが賃貸物件に住むためには、不動産会社を利用します。物件情報を収集したり、気になる物件があれば内見に行ったり、そして契約などの事務関係まで、不動産会社は部屋探しのすべてに対応してくれます。では、そんな頼りになる不動産会社を探すには、どうすれば良いのでしょうか。何を基準に、どんな会社を選べば良いのか。住まい探しの大切なパートナーとなる、不動産会社選びのポイントを考えてみましょう。

不動産会社を決めるまでの流れ

不動産会社で自分に合った物件を紹介してもらうには、自分の希望する条件をもとに、不動産情報のポータルサイトで下調べをするなど、事前の準備が大切です。

●不動産会社を選ぶ主な流れ

不動産会社は物件を探したり、選ぶときに相談したりするところ。だからといって、不動産会社のカウンターで具体的な希望を提示せずに「どんな物件がありますか?」と相談を持ちかけても、自分に合った物件がうまく見つかるとは限りません。

まずは住みたいと考えているエリアとその理由(交通の利便性、治安の良さや医療施設の充実などの安心感、近隣にある施設の魅力、自然に恵まれた環境など)、希望の間取り・部屋数、払える家賃の額といった、自分が希望する条件をある程度まとめておきましょう。

さらに、条件の中で優先したい項目を決めて、優先度が低い項目はどこまで妥協できるかも考えておくと、物件を選ぶときの基準が明確になります。例えば「夫婦とも在宅ワークだから仕事用のスペースは必須。ただ、それぞれが個室でなくても広い部屋を間仕切りする形でもOK。立地はまあまあ妥協できる」などです。

そうした条件に合った物件を探すのは、不動産情報のポータルサイトが便利。エリア、最寄り駅、間取り、築年数、家賃の範囲といった主要な条件のほか、オートロックの有無、近くにスーパー・コンビニがあるかどうか、といった暮らしの安心や便利さにかかわる条件も加えた詳細な検索ができるサイトも多くあります。

ポータルサイトで希望の物件がいくつか見つかったら、次はその物件を扱っている不動産会社をピックアップ(不動産情報のポータルサイトや不動産会社の選び方は次項以降で紹介します)。電話やメールで希望の物件が空室のままかどうかを確認して、もっと詳しく知りたいなら不動産会社を訪ねるのが一番です。

せっかく不動産会社を訪ねるのなら、自分が希望する条件に合った物件がほかにもないか調べてもらいましょう。営業担当者に希望を詳しく話して、プロの目線で物件を提案してもらうのも良いでしょう。そうした選択肢の中から物件を内見すれば、自分が希望する住まい探しに近づくはずです。

●不動産のポータルサイトの選び方

以前は不動産会社を選び、その後にアパートやマンションを選んでいました。しかし、不動産情報のデジタル化が進み、まず不動産サイトで気に入ったアパートやマンションを選び、それから不動産会社に問い合わせをすることが一般的になってきました。
さらに、住まい探しのスタートとなる不動産サイトも、不動産会社が運営しているサイト、不動産会社以外の第三者が運営しているサイトと、大きく二つに分類することができます。
不動産会社のサービスに魅力を感じるなら、不動産会社が運営しているサイトで、より多くの物件情報から探したいなら不動産会社以外の第三者が運営しているサイトというように、目的に合わせて利用できます。
このことを踏まえた上で、不動産会社の選び方を確認しましょう。

不動産会社の選び方

それでは不動産会社を選ぶときには、何に気を付ければ良いのでしょうか。自分に適した会社と出会うコツをお教えします。

●会社の規模、業態

大まかに分けると、CMなどを展開し、幅広い地域を営業エリアにした大手不動産会社と、地域密着型の不動産会社の2種類があります。
大手の不動産会社のメリットは、広い地域で情報収集をしているので、いろいろなエリアの物件を紹介してもらいやすいという点。住みたいエリアがまだ固まっていない人におすすめです。
加えて、契約すると提携サービスのポイントがたまったり、便利なサービスを受けられたりする会社もあります。
一方、地域密着型は、店舗やテナントを構える地域に詳しく、大家さんとも深いつながりがあるケースが多いのが特長です。
メリットとしては大家さんの個々の特性や性格にも精通しているため、さまざまな交渉事もスムーズに対応してくれるなどの点でしょう。街や物件周辺の地理にも詳しいので、ある程度住みたいエリアが決まっている人におすすめです。デメリットは、扱っている物件数が大手の不動産会社に比べて少ないケースがあることです。

●営業担当者

こちらの要望をしっかり聞いてくれること。そして、その条件に合ったより多くの物件数を提示してくれる人がおすすめ。
しかし、予算を大きく超える物件ばかりを紹介する営業担当者は、自分のノルマを達成させるために営業している可能性も考えられますから気を付けましょう。
物件の良い面だけでなく、悪い面の両方を、隠すことなく教えてくれる営業担当者であるかも、チェックポイントです。
住まい探しでは物件の良さも大切ですが、営業担当者との相性も重要です。
気兼ねなくいろいろな話が聞けるか、連絡はスムーズに取れるかなど、営業スタイルも重視して、自分との相性の良さを基準に探してみるのも、希望の物件に出会う近道です。
また、清潔感のある営業担当者が好ましいといえるかもしれません。清潔感があるのは、身だしなみに気を遣っているのでしょうから、それは接客を大切にする気持ちの表れと思われ、誠実な対応が期待できます。

■営業担当者と良い関係を築くコツ
・自分の情報は隠さず、きちんと伝える
営業担当者と信頼関係を築くためといっても、職業や家族構成、年収などはあまり言いたくないこともあるでしょう。一人暮らしの方はなおさらです。
しかし、住まい探しにおいてはとても大事な情報となります。個人情報などの管理は必要ですが、住まい探しには大切な事項なので、はっきりきちんと情報を伝えましょう。
・遠慮なく質問し、曖昧な返事をしない
営業担当者は、知識も経験もある住まいのプロです。もし話をしていて、少しでも分からないことがあったら遠慮なく質問し、疑問点は解消しましょう。分からないことをそのままにしたり、分かったような返事をしたりしてしまうのはNG。後々トラブルの原因にもなりかねませんので注意してください。
・無理な交渉や駆け引きは控えること
例えば家賃で、相場とかけ離れた賃料を要求するなど、無理な交渉をするのはやめましょう。
もちろん、自分の考えや希望など、言いたいことは率直に伝えて良いのですが、値引き交渉や駆け引きをしても、お互い気分を害するだけですし、信頼関係を失うことになりますので得策とはいえません。
●広告

不動産広告は、消費者保護のために内容や表現、掲示期間などに一定の決まりが設けられています。これにより、合理的な根拠や事実がない状態で、最上級や著しく安いといった印象を抱かせる用語や、物件に欠点がないように思わせる用語などを使用しないようになっています。こうしたルールを守り、制限されている用語を安易に広告に使っていないことなどは、不動産会社選びの基本といえるでしょう。
※参考:不動産広告のルール(公益社団法人 全日本不動産協会)

不動産会社を選ぶときのポイント

次は、実際に不動産会社を選ぶ際、気を付けること・参考にすることなど、知っておいた方が良いポイントを紹介します。

●複数の不動産会社を比較する

不動産会社といっても、スタッフの対応や店内の雰囲気、物件の豊富さ、得意エリアなど、特徴はさまざまです。
そこで、どんな会社が自分に合っているかも含め、複数の不動産会社に来店して比較してみることも大事です。
また、物件に関しては、基本的にどこの不動産会社でも取り扱っているものに大きな差はありません。というのも、レインズ(不動産流通標準情報システム)といわれる流通機構があり、不動産会社などが閲覧できるデータベースがあるからです。そのため、加盟する不動産会社であれば、どこでも紹介することが可能なのです。
加えて、その会社の接客の評判などを、SNSなどで確認しておきましょう。店舗や営業担当者によって評価が大きく違うようなら、自分にとって好ましくない店舗・担当者を避けるのに役立ちます。こうした口コミの注意点は、書き込んだ人の主観に左右されること。あくまで参考程度にとどめましょう。

●仲介手数料を考慮する

仲介手数料は、不動産会社が「賃料の1カ月分以内」を上限に、自由に決められるものです。貸主と借主の両者から受け取る場合は、月額賃料の半額以下、貸主や借主の承諾があれば、一方から月額家賃の1カ月分が受け取れます。契約時の初期費用として敷金、礼金などと一緒に支払うものです。

また、以下のような場合によっては、この仲介手数料が無料になることもあります。

  • <1>貸主が借主分の仲介手数料も負担している場合
  • <2>不動産会社が所有(またはサブリース)して貸主となっている自社物件の場合

大きく分けるとこの2パターンになりますので、担当してくれる不動産会社が、どんな仲介手数料のシステムなのかを確認しておきましょう。
なお、仲介手数料無料をアピールする不動産会社の中には、貸主から広告料を受け取っている物件を中心に紹介するケースもあるようです。この場合は物件の選択肢が少なくなりがちなので注意が必要です。

●免許の更新回数を確認する

一般的に、不動産の購入・売却、仲介、賃貸住宅の仲介などを行う不動産会社は、宅地建物取引業法により宅地建物取引業の免許が必要です。免許の有効期間は5年間で、それ以降も不動産取引を続けるなら有効期間内に免許を更新します。このため、例えば3回以上更新している不動産会社は、10年以上営業を続けている実績のある会社と考えられます。

ただし、以下のような例外もあり、免許や更新回数だけで判断はできないので注意しましょう。
・国や自治体、それに準ずる組織(UR都市機構、各自治体の住宅供給公社など)、信託会社・信託銀行は宅地建物取引業法の適用外で、免許は不要
・免許が新しくなった場合は更新番号も1にリセットされる(営業拠点拡大により「○○県知事(3)第●●●●号」から「国土交通大臣(1)第●●●●号」に変わったなど。( )内の数字が更新番号)
●営業車があり、車で内見に行ける

内見のために何度も不動産会社に足を運ぶよりは、1日で多くの物件を内見できた方が効率的です。営業車のある不動産会社なら、それに乗って物件を案内してもらえるので、移動時間の短縮になり、体力も使わずに済みます。もちろん電車など公共の交通機関で案内してくれる不動産会社もあります。道路が渋滞する時間帯や、駅前など交通の便の良い物件を中心に回るときなどは、車を使うより早いケースも考えられます。

●仲介会社と管理会社を兼ねている不動産会社を利用する

賃貸の物件探しで訪ねる不動産会社は、物件を紹介する業務を行う仲介会社に分類されます。これ以外に入居者の管理や設備のメンテナンスを担当する管理会社があり、両方の業務を扱う会社は仲介管理会社とも呼ばれます。このように仲介も管理も行っている会社は、日ごろの建物の管理を通じて設備関係に詳しいことが期待できます。また、設備関係のトラブルが起きたとき、連絡がとれない大家さんの代わりに対応してくれるのもメリットです。

●UR賃貸住宅なら、礼金、更新料、仲介手数料が不要でお得

ちなみに、賃貸の契約時にかかる「仲介手数料」などの初期費用が抑えられる賃貸住宅もあります。
例えばUR賃貸住宅の場合は、礼金(お礼として支払うお金で、家賃の1~2カ月分が相場)、更新料(物件の契約を更新する際に支払うお金で、家賃の1~2カ月分が相場)、仲介手数料(不動産会社に支払うお金で、家賃の0.5~1カ月分が相場)がかかりません。
つまり、契約時に必要な費用は、敷金と日割りの家賃と共益費(管理費)だけです。

不動産会社で家探しをするときの主な持ち物

不動産会社で気になる物件情報を見つけたら、今度はいよいよ実際に住まいをチェックする内見です。見落としや確認忘れのないように、あらかじめ必要なアイテムを用意しましょう。

●筆記用具・メモ帳

内見中に気付いたことがあったら、すぐに書き留めておきましょう。後で検討するときに便利です。
また、住まいに対して希望条件があれば、あらかじめメモしておきます。そうすることで、営業担当者と話す際に、しっかりと自分の要望を伝えることができます。

●メジャー

契約して引っ越しするまでに、家具やカーテンの準備をする必要があるので、窓の大きさ、カーテンレールの長さなどを測っておくと便利です。
また家電のサイズも調べておき、部屋内に収まるかを計測しましょう。さらにソファやベッドなど、大型家具が持ち込めるか、玄関や廊下の幅を確認しておきます。こうしておけば引っ越し時に、家具が設置できないという事態を防げます。
また間取り図を印刷しておき、その都度サイズを書き込んでおくと、設置スペースの判断材料にもなります。

●カメラ

メモに書き残すだけでなく、物件の内観や採光、設備・仕様などを、ビジュアルとして記録しておきましょう。物件全体の写真、各部屋の写真、気になる箇所を撮影しておけば、複数の物件を比べるときなどに、画像を見比べて特徴を思い出しやすく便利です。

●コンパス(方位磁石)

スマートフォンのアプリなどを使って、現地で実際の方位を確認しておきましょう。窓は西日が入るような向きか、日中の日差しが期待できる南向きかなどを知ることができます。

●スマートフォン

内見中に気になった部分をメモと写真で記録したり、アプリで床が水平かどうかを測ったりと多目的に使えるので便利。念のため各部屋の電波の入り具合もチェックしておきましょう。

●スリッパ

不動産会社が用意してくれることもありますが、共用のスリッパを使いたくない人はスリッパを持参しましょう。100円ショップなどで携帯用スリッパを売っていることもあります。

自分に合った不動産会社・営業担当者を見つける

コロナ禍の影響もあり、近年はオンラインによる内見や相談に対応してくれる会社が増えてきました。契約前に行う重要事項説明においても、従来は店舗にて対面で行うことが義務付けられていましたが、現在はオンラインでも行えるようになっています。こうした時代に即した対応ができているかどうかも不動産会社選びの判断材料になるでしょう。

さらに、直接話を聞いてくれる営業担当者についてもその際にチェック。
仕事が早く、質問に対しての反応が良かったり、難度の高い質問にも、その場で分かりやすく答えてくれたりなど、いわゆる「仕事ができる人」かどうかを判断しましょう。
何といっても不動産会社は、住まい探しの頼もしいパートナーです。時間や効率だけにとらわれず、複数の会社とやり取りし、自分に適した不動産会社を見つけましょう。

監修/加藤 哲哉

記事のまとめ

住まい探しの大切なパートナーとなる不動産会社は慎重に選ぼう

  • ・不動産会社には、広いエリアの情報を持つ大手不動産会社と、エリアに詳しい地域密着型の不動産会社の2種類がある
  • ・複数の不動産会社を訪れて、自分に合った不動産会社を探す
  • ・不動産会社を選ぶポイントは、「複数社を比較する」、「どんな仲介手数料のシステムなのかを確認する」などがある
  • ・UR賃貸住宅は仲介手数料に加え、礼金、更新料も不要でお得
  • ・ネットだけで情報収集せず、実際に不動産会社に来店してみるのも重要

お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります

あなたにおすすめの記事