URくらしのカレッジ

自分にぴったりな新しい暮らしを探す

これからのくらしを考える ひと×コミュニティ

まちづくりの専門家が訪問。団地のコミュニティスペースは、まちを元気にする可能性を秘めている!

お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります

URでは、世代を超えて元気に暮らし続けられる「ミクストコミュニティ」の形成に力を入れています。この考えを元にした取組みが全国のUR賃貸住宅で行われており、愛知県岩倉市の岩倉団地では、2019年春に住民同士の交流の場「ほっとステーションなごみ」をオープンしました。
今回、「コミュニティによる地域再生」を研究している、滋賀県立大学地域共生センター准教授・鵜飼修さん(写真左)とともに、「ほっとステーションなごみ」を訪問しました。

「買いもの帰りに気軽に立ち寄れる場所をつくりたかった」

岩倉団地商店街の空店舗を活用してつくられた、交流の場「ほっとステーションなごみ」。
まずは、運営に携わっている奥村悦子さんと渡辺暢子さんに、この場所について伺いました。
「商店街にはスーパーマーケットがあり、団地の方や近隣の方が買い物に来るんです。買い物の後にちょっと休憩したり、おしゃべりしたりする場所があると良いなと、URさんに相談していました。こうして実現できてうれしいです。」

二人の話を聞いて鵜飼さんは
「地域にこういった居場所ができたのは良いことですね。特に、靴を脱がずに入れるというのは大切! その方が、靴を脱ぐ手間がなく、気軽に立ち寄れますから」とコメントしていました。

いつ来ても誰かと話せる場に!

「ほっとステーションなごみ」の運営には、20人ほどのボランティアの方々が参加。「いつも開いてる方が、安心して利用できると思う」という理由から、基本的には365日オープンしているそうです。
多くの方にこの場所を活用してもらおうと、ボランティアの方々が知り合いに声をかけているかいもあり、利用者は増え、毎日折り紙、健康体操、マージャン、ランチ会などで賑わっています。また、男性も立ち寄りやすくする工夫として、軒下に将棋盤や囲碁盤を出すことも!今では、季節ごとに部屋の飾りつけをしてくださる男性もいらっしゃり、室内を華やかに演出しています。

様々な活動を知り、関心している様子の鵜飼さん。
「ほぼ年中無休でオープンしているのは、すごいですね。こういった場所の活用で、特にいいなと思うのが、みんなで体を動かすこと。私は東日本大震災後、被災地である宮城県南三陸町のまちづくりを、学生たちと進めているのですが、三陸のお母さんたちはみんな踊りが好きで、それが元気の源になっているんです。ここでも、今行われている健康体操に加えて、もっと体を動かせる踊りをみんなでできると素敵ですね。」

若い世代へのアプローチ方法は?

奥村悦子さん(左)、渡辺暢子さん(中)、鵜飼修さん(右)

オープンからまだ3カ月ですが、雨の日でも客足が途絶えず、地域の憩いの場として根付いてきています。
「ほっとステーションなごみ」の次の課題は、いかに「若い世代」に立ち寄ってもらうかということ。
「近隣の小学校と連携できればと思い、知り合いに声をかけているのですが、『誘い過ぎても迷惑かな?』と遠慮してしまって」と渡辺さん。

そこで鵜飼さん。
「最初は、こういった地域活動に参加することに、躊躇する方が多いんです。私もまちづくりを推進するNPO法人を立ち上げたとき、いろんな人に声をかけて活動に引き込んできたのですが、後からこんなふうに言われます。『鵜飼さんにだまされたと思ったけど、参加してみたらやりがいがあって楽しい! だまされてよかった!』、と(笑)。お二人も、みんなが生き生きと輝けるような場をつくろうとしているのだから、自信を持って活動に引き込んでください!」

近隣の大学と連携して一緒にまちを活性化していくのも!

URでは、若い世代を巻き込むために、近隣の大学と連携している事例も多くあります。
「今、大学には地域貢献が求められています。大学に勤めている僕も、滋賀県彦根市の小さな集落で、古民家をリノベーションして学生たちと住み、地元の人たちと一緒にまちづくりを行っています。大学の地域貢献に関する部署にアプローチしていけば、一緒にできることが見つかるはずです。」

同時に、場所を知ってもらう努力を続けることも大切で、
「私の経験から言うと、情報って自分が思っている以上に人に届いていないものなんです。何かにつけて『この場所があること』を、みなさんに知ってもらい広めることが大切です。例えば、夏祭りなどのイベントの際、出し物とセットにして知らせるのも効果的ですよ。」とお話していました。

最後に鵜飼さんは、「地域の交流の場づくりで重要なのは人の力! お二人ならここからまちを活性化できますよ」と温かいエールを送っていました。

記事のまとめ

団地にコミュニティスペースができることで、人と人がつながり地域が元気に!

  • ・岩倉団地にコミュニティスペースがオープン!地域のみなさんが、折り紙、体操、ランチ会、おしゃべりなどを楽しむ憩いの場所となっている
  • ・若い世代に参加してもらうには、積極的なPRが必要。近隣大学との連携も◎
  • ・まずは、こういった場所があることを、知ってもらうことが大切!興味のある情報に結びつけて発信していくことも大事

今回の先生:鵜飼 修さん

滋賀県立大学地域共生センター准教授。
研究課題は、「コミュニティによる地域再生・地域創造」。大学では、コミュニティビジネスや、地域資源の生かし方(地域診断法)など、実践的なまちづくりの手法を教えている。
ご自身でも、地域の良いところや頑張っている人を発掘し、発信するNPO法人「大森まちづくりカフェ」を設立。

滋賀県立大学まちづくり研究室(鵜飼研究室)HP:http://eco-minka.com/wp/

鵜飼 修さん 写真
記事で紹介したURの物件はこちら

お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります

あなたにおすすめの記事