これからのくらしを考える まち×コミュニティ
シェアハウス、貸し菜園、シニア世代に優しい住居。新しい取り組みいっぱいの「たまむすびテラス」って?
お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります
東京都日野市にある「多摩平の森」は、若者向けのシェアハウスや、貸し菜園があることなどで、さまざまな層から注目を集めています。商業施設や病院も建設され暮らしやすくなり、現在も地域のまちづくりが進んでいるこの場所を訪ねました。
団地住棟をおしゃれにリノベーションした「たまむすびテラス」
昭和30年代に建設され、多くの人にとってあこがれの住まいだった多摩平団地。平成8年からは、現代のニーズに合わせ、より暮らしやすくするため、「多摩平の森」として団地の建替えが始まりました。
そして、そのプロジェクトの一つであるのが「たまむすびテラス」。空室になった住棟を、民間事業者がURから借り受けて、若者から高齢者まで、住む人に合わせたリノベーションをし、新しく生まれ変わった集合住宅エリアです。
「りえんと多摩平」、「AURA(アウラ)243多摩平の森」、「ゆいま~る多摩平の森」の3つの住棟が集まり、2012年には、グッドデザイン賞を受賞しているこの場所は、どのような住宅なのでしょうか?
- りえんと多摩平
- 若い世代が多く住むシェアハウス。
2棟のうち一部は大学の学生寮となっていて、留学生と日本の学生が一緒に暮らしています。エントランスから続くウッドテラスでは、本を読んだり、仲間とくつろいだりと、自由に過ごせるオープンスペースとして活用されています。
- AURA243多摩平の森
- 貸し菜園や庭が併設された賃貸住宅。
入居ターゲットは20代からシニア層までの二人暮らし。菜園は住民でなくても借りられ、夏は、トマトやカボチャが栽培されています。施設の一角にはBBQ場が併設されており、パーティーが開かれることも。
- ゆいま~る多摩平の森
- 生活支援サービス付き高齢者向け住宅。
地域に開放した「ゆいま~る食堂」が併設されており、栄養バランスを考えた手作りの食事が楽しめます。食堂内には、入居者から寄贈された書籍が並ぶ図書スペースもあり、ゆったりと過ごせます。
まちの再開発を通じて広がるつながり
さまざまな世代にとって住みやすいまちづくりが進む「多摩平の森」。そんなまちづくりの一手を担っているのが「多摩平の森」の自治会です。自治会長である笹原武志さんにお話をうかがいました。
- Q. どのようにまちづくりに携わっているのですか?
- 「多摩平団地の建て替え計画時は、UR、日野市、そしてわれわれ自治会で定期的に勉強会を開き、みんなで意見を出し合いました。建て替えが終わった後も、より住みやすく、より活性化するためにはどうしたらいいか、話し合いを続けています。周辺の施設や民間の集合住宅の人たちとも一緒に考えることで、横のつながりが徐々に広がっていると感じています。」
- Q. この場所に住んでいる人とどのように関わっていますか?
- 「自治会が主催するイベントの際には、『たまむすびテラス』の住民や、近隣地域で活動している若い人たちにお手伝いをお願いすることもあります。外国人の留学生に声をかけて、一緒にお花見もしましたよ。
再開発で、医療機関が充実し、保育園や幼稚園が新設され、商業施設も完備されたため、新しくこの地で暮らす人も増えています。」
住民のことを考えて開催される多彩な集会所イベント
「多摩平の森」では毎週のように、自治会が主催するいくつものイベントが開催され、団地に住むみなさんの心を楽しませています。
毎週木曜日にはさくら集会所で「ひの筋体操」が行われています。これは、脚や腕に筋力を付けて、老後を健やかに過ごせるようにと、日野市の高齢福祉課が考案した体操です。誰でも無理なく続けられるようにつくられていることもあって、この日もみなさん楽しそうに参加していました。継続することで、じっくりと筋力を付けることができそうです。
このほかにも、みんなで一緒に映画を見てお茶を飲みながら感想を語り合う「よりみち映画館」、ランチのひとときをともに過ごす「さくら喫茶室」などの催しが行われています。昔からこの場所に住む人と、新しく住む人が気持ち良く交流していて、風通しの良さを「多摩平の森」から感じました。
再開発された「多摩平の森」は、さまざまな世代の居住者が交流し、活性化が進んでいる
- ・シェアハウス、貸し菜園付き賃貸住宅、生活支援サービス付き高齢者向け住宅の3つが集まった「たまむすびテラス」は、2012年グッドデザイン賞受賞
- ・「多摩平の森」の団地再生事業では、UR、日野市、自治会が意見を出しながら、さまざまな世代の人たちが安心して住み続けられるまちづくりを進めている
- ・「多摩平の森」の集会所では、「ひの筋体操」などのイベントが多数行われている。
東京都日野市多摩平4-6 ほか
JR中央線「豊田」駅徒歩11分。敷地内にたくさんの樹木がある緑豊かな環境に加え、駅の近くにショッピングモールがあるため、ファミリー層にもおすすめのエリア。
住宅は、1997年から順次建て替えが始まり、それに伴いさまざまな施設を誘致し、ますます生活は便利に。住民がみんなでまちづくりを考え、進化し続ける場所です。
くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります