これからのくらしを考える ひと×防災
いざというときでもおいしく食べられる!そろえておくべき災害食
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東日本大震災以来、災害食の常備が当たり前になってきました。でも、その災害食、賞味期限切れになっていませんか? せっかく準備していた食料が、いざというときに食べられない、ということがないように、上手な災害食の選び方と保存方法を管理栄養士で災害食専門員の今泉マユ子さんにうかがいました。
災害食は体だけでなく、心の栄養にもなる物を!
- Q.災害食を選ぶときに大切なことは?
「災害食(※)というと『おいしさは二の次』と考えている人が多いのではないでしょうか? でも、体も心も疲弊する災害時だからこそ、おいしい物や好きな物を食べることで、元気が湧くこともあるんです。もちろん、体に必要な栄養を確保することは重要ですが、それと同時に心の栄養を取ることも大切です。」
※災害食…おいしさや栄養価も考えられている非常食の一種と言われている
- Q.災害食は何日分くらい用意すればいいですか?
「災害が発生したとき、救援物資が届くまでに3日はかかると言われています。ですから余裕を持って、1週間分の水と食料を家族全員分そろえることが望ましいですね。さらに、電気、ガス、水道などのライフラインが止まることを想定して、調理がいらず、開けてすぐ食べられる物を用意しておきましょう。」
- Q.具体的な災害食の選び方を教えてください
「1週間分の災害食と聞くと、すごくハードルが高いように感じるかもしれませんが、特別な物を用意する必要はありません。普段から慣れ親しんでいる食料品のうち、常温保存できる物を少し多めに買い置きしておきましょう。それを普段の食事で消費して、また買い足すようにする。そうすればうっかり賞味期限が切れて廃棄などということも防げますし、いざというときにいつも食べている物を口にできるので安心です。このように、備蓄食料をしまい込まずに、普段から消費し、買い足すというローリングストック法がおすすめです。」
- Q.おすすめの災害食はありますか?
「自分の好きな味の物を蓄えるということが大切です。被災された方から『甘い物が食べたかった』とうかがったことがあるので、甘い物も用意しておくことをおすすめします。我が家では『どこでもスイーツ缶』という生食感が楽しめるケーキの缶詰や、ワインのおつまみとして売られているグルメ缶、そのほかに茶碗蒸しの缶詰などを常備しています。『どこでもスイーツ缶』はチーズケーキ、ガトーショコラ、抹茶チーズケーキの3種類があり、缶詰なので常温で2年間保存できます。」
- Q.そのほかに災害食で気を付けることはありますか?
「温かい食べ物は生きる活力になりますし、嗅覚が刺激されると食欲が出るというメリットがあります。カセットコンロとガスボンベがあれば、加熱調理ができ、食事のレパートリーが広がりますので、災害食と一緒に備蓄することを推奨しています。何より人は湯気を見るとホッとしますからね。災害時に健康を維持するため、自分に合った食料を備蓄し、体と心の栄養をバランスよく取るように心がけて欲しいですね。」
普段食べているものでOK!災害食こそおいしい&好きな味の常温保存できる食料品を!
- ・災害食は、1週間分の水と食料を家族全員分そろえることが望ましい
- ・備蓄食料は、普段の食事で消費しつつ、新しい物を買い足すことで賞味期限切れを防げる
- ・カセットコンロとボンベもあわせて備蓄すれば、災害時でも温かい食べ物を食べられる
今回の先生:今泉 マユ子さん
管理栄養士として大手企業の社員食堂、病院、保育園に勤務し、2014年に起業。管理栄養士・水のマイスター・防災士・ジュニア野菜ソムリエ、環境アレルギーアドバイザーなどの資格を活かし全国で講演、講座などを開いている食のスペシャリスト。また、日本栄養士会災害支援チームに所属し、レシピ開発、商品開発に携わる。『かんたん時短、「即食」レシピ もしもごはん』『「もしも」に役立つ!おやこで防災力アップ』をはじめ、缶詰レシピ本、レトルトアレンジレシピ本など、著書も多数。
くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
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