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芝山団地商店街の“顔”は老舗のパン屋さん。元ミュージシャンのまちづくりアイデアがヒット中!

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どの商店街にも地元の人に愛される名店がありますが、芝山団地商店街のパン屋さんはひときわユニーク。「アーノルド・フジ・タカムラ」という、なにやら不思議な名前がついたパン屋さんの名物店主に、愛される秘密をうかがってきました。

出迎えてくれたのはひときわ目立つ謎の看板

千葉県船橋市にある芝山団地の最寄り駅は、東葉高速鉄道飯山満(はさま)駅。東京メトロ東西線が乗り入れたことから、都心へのアクセスも良くなり、若い世代にも人気の団地です。そんな芝山団地の商店街で、青果店や精肉店などと並び、パンを焼く美味しそうな香りを漂わせているのが「アーノルド・フジ・タカムラ」です。

学校帰りの小学生数人が店頭に集まって盛り上がっていたので、何だろうと近づいてみると、「たまーに しゃべるかんばん」という文字と、おそらく店主と思われる似顔絵が。そしてなんと、看板から声が聞こえてきました!
「今日のおすすめは、明太子味のちくわパンだよ!」

実は、看板に無線のスピーカーが内蔵されていて、看板の前を人が通ると店内にいる高村清太郎さんが、イヤホンマイクで声をかけているというわけです。
そんなオリジナルなパフォーマンスにもこだわる「アーノルド・フジ・タカムラ」は、今年で創業41年目の老舗のパン屋。初代店主の父親から、店を継いだ清太郎さんが店舗をリニューアル。清太郎さんらしさをふんだんにつめ込んだ人気店になりました。
ちなみにちょっと変わった店名は、清太郎さんの父親がパン作りの修行をしていた店の名前にちなんで付けられたのだそうです。

父が作ったパン屋をなくしたくない一心で店主に

実は店主の高村さんは、元ミュージシャン。
「生まれも育ちも芝山団地でしたが、音楽活動を始めてからは、東京で暮らしていました。あるとき、ミュージシャンを辞めて就職することに。しかし、内定が決まった途端に母親が病で倒れてしまったんです。店を続けるためには、『自分がやるしかない』と思い、内定を辞退して手伝っていました。その後、今度は親父が『引退するので、店を閉めよう』と言い出したんです。それならば、自分が継ごうと決意しました。一大決心でしたが、ずっと一緒に育ってきたパン屋がなくなるのは寂しい。何とか店を残したいという気持ちだけで決めたようなものです。」(高村さん)

高村さんは、介護施設などを巡り訪問販売も行っています。そのお客さんは、30年以上前にパン屋の息子としての高村さんを可愛がってくれた人たちです。
「昔、当たり前のように店に来てくれたお客さんが、訪問販売で僕が行くのを待っていてくれて、孫の話をしたり、パンを買って喜んでくれるということが一番うれしいんです」(高村さん)
ミュージシャンとして、人を楽しませることを第一に考えていた高村さんにとって、パンを作って売ることは、人に喜んでもらうという意味で、音楽の仕事とそれほどかけ離れていないのかもしれません。

ユニークなイベントでも有名な芝山団地商店街。仕掛け人は高村さんでした

「アーノルド・フジ・タカムラ」は、パンのラインナップもなかなかユニーク。暑い夏に焼きたてパンは「ちょっと…」と思う人も多いだろうと、冷やして食べる「クリームメロンパン」を提案。そのほかにも、ちくわにツナを詰めてパン生地を巻き付けて焼いた「ちくわパン」、たくあんを刻んで炒め、マヨネーズで和えてコッペパンに挟んだたくあんのパン「おしん」など、定番商品に加えてアイデア商品が並びます。
「昔の商店街は、人が集まって来て、日常のたわいない話や家族の話をすることが普通だったと思うんです。だからうちも、人が集まる場所、楽しく買い物ができる場所、思い出になる場所にしていきたいと思っています。」(高村さん)

今では、この芝山団地商店会の会長も務めている高村さん。商店街を生かしたさまざまな企画を次々に発案しています。
例えば、各店舗が100円の商品を用意し、商店街全体を“100円ショップ化“するイベント「芝山100円商店街」は、近隣住民はもちろん船橋市以外の人も次の開催を楽しみにするような人気イベントに成長しました。
また、芝山団地商店街全体を人気ボードゲームに見立てて楽しむイベント「まちあそび人生ゲーム」も地域の活性化に一役買っています。昭和の風情を残しつつも、芝山団地に活気があるのは、商店街が元気だからなのかもしれません。

記事のまとめ

芝山団地の名物パン屋さんは、オリジナルのパンとイベントで商店街を活気づけている

  • ・店頭には、定番商品から冷やして食べる「クリームメロンパン」などのアイデア商品が並ぶ
  • ・昔からのお客さんのために、介護施設への訪問販売も行っている
  • ・「芝山100円商店街」など商店街を盛り上げるためのイベントも商店会長として主催
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