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団地に月1回現れるカフェ。実は大学の研究拠点なんです!

埼玉県上尾市の原市団地には、近くに大宮キャンパスを持つ芝浦工業大学の研究拠点があり、団地の高齢者を元気にするさまざまな活動を行っています。月1回開催されている「原市カフェ」を訪ねました。

芝浦工大生が団地で窯焼きピザ?

手作りのピザ窯で、ビザを焼くのに奮闘しているのは、芝浦工業大学システム理工学部の学生たち。ここは、原市団地の空き店舗を活用した「芝浦工業大学サテライトラボ上尾」。サテライトラボ とは、大学の敷地外に設ける衛星(サテライト)のような新たな研究スペースのことです。芝浦工業大学は、2013年に文部科学省「地(知)の拠点整備事業」(※)に採択されたことを受けて、以前から連携して健康まちづくりを行ってきた原市団地に、このサテライトラボを開設しました。学生が住民と触れ合いながら地域の課題を調査する実践的教育の場として、活用を始めたのです。
月1回開催される「原市カフェ」は、食で団地を活性化しようとする活動の一つ。ここで大活躍のピザ窯も、住民の方々と一緒に作ったものなのだとか。学生たちの焼きたてピザを楽しみに、カフェはお昼前には団地の住人でいっぱいになっていました。

※自治体などと連携し、全学的に地域を志向した教育・研究・地域貢献を進める大学を支援する取り組み

高齢者の健康をサポートする活動も好評!

「サテライトラボ上尾」の中心となって活動しているのが、大学院生の栁谷龍摩さん(左写真右端)。「地域のニーズを引き出すには、そこに住んでいないとダメ」と原市団地に住み、本腰を入れて団地の活性化に取り組んでいます。自治会にも日ごろから積極的に参加し、多くの住民の方とはすでに顔なじみ。夏祭り、芋煮会、キャンドルナイトなど、住民に季節折々の楽しみを提供しています。

「サテライトラボ上尾」では、「原市カフェ」のほかにも、定期的に開催していることがあります。それがNPO法人ヒューマンシップコミュニティと提携して行っている「原市いきいき相談室」です。ここでは、体重や体脂肪率、筋肉量などを測定して、体の状態をチェックしたり、医師や薬剤師、看護士、管理栄養士などに、運動や食事、薬などのアドバイスを受けたりすることができます。高齢者が一番気になる“健康のこと”をサポートしてくれると好評なんです。

孫に聞くように、困りごとも気軽に相談

「原市カフェ」で、住民の方が楽しみにしているのは、窯焼きピザだけではありません。実は、「学生さんたちとのおしゃべりが何よりうれしい!」という常連さんも多いんです。アツアツのピザを食べ終わったら、あちこちのテーブルで学生たちを相手に相談ごとが始まっています。その内容は、「コーヒーメーカーをもらったけれど、コーヒー豆の量がわからなくて」とか、「スマホを新しくしたらフェイスブックの使い方がわからなくなった」など、日常生活でのちょっとした困りごとです。若い人ならきっと解決してくれるだろうと、お孫さんに聞くように気軽に相談。学生たちも親身になって相談に乗り、この日も無事に解決できました! ほほえましい光景ですね。

ここでは、学生ならではの“高齢者を元気にする” 新鮮な試みが生まれていきそうです。

原市(UR賃貸住宅)

埼玉県上尾市大字原市3336
埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル)「原市」駅から徒歩15分。小・中学校が近くにあり、部活動に励む子どもたちの元気な姿が見られました。芝浦工業大学やコープみらいなどによる、団地活性化の取り組みもさかんに行われています。

芝浦工業大学「サテライトラボ上尾」

原市団地内の店舗跡地を利用した芝浦工業大学の研究拠点。システム理工学部環境システム学科を中心とした学生と、住民が知恵を出し合って、高齢化が進む団地の課題について、解決策を探っています。毎月第2土曜に「原市カフェ」、第1日曜に「原市いきいき相談室」を開催しています。

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