Interview職員インタビュー
設計者としての判断を下し、
たくさんの人と空間を共有する。
- W.M
- 技術系総合職(造園系)
- 東日本都市再生本部 基盤統括部 基盤統括課
- 前職:設計会社(外構)にてプランナーを担当
- 現在の主業務:設計・工事(造園領域)
前職は外構の設計会社にて、戸建住宅の外構・エクステリアの設計を担当。その後2019年にURへ入社し、団地の建て替えやリノベーション、都市再生における造園・屋外空間の設計、工事監理を担当。
他では経験できない仕事に
好奇心でいっぱい。
- 造園会社からの転職ということですが、もともと造園や屋外空間の設計に興味があったのですか?
- 幼いころから植物やお花が好きでした。母も庭を手入れするのが好きで、それをよく見ていました。
大学を選ぶときに「庭をつくる仕事」があることを知り、造園を専攻しました。前職は設計会社にプランナーとして入社し、そこでは主に戸建住宅のお庭や外構の設計、工事を担当していました。
- 転職については何かきっかけがあったのですか?
- 前職での仕事を通じて、お庭や身近な緑が人に与える影響の大きさや魅力を感じることができました。それと同時に、集合住宅や公園などのもっと大きな空間で、多くの人に関わるような仕事ができたらと思ったことが転職を考えるようになったきっかけです。
- なかでもURに入社を決めた理由は?
- 地元にもURの団地がたくさんあり馴染みがあったのですが、いわゆるマンションと比べた際にも団地の空間ってすごく緑が豊かなんですよね。加えて、都市再生事業にもおいても公園などの大きな空間を設計から施工まで携わることができる点は非常に魅力的で、他では経験できない仕事がたくさんあると思いました。事業の幅広さはもちろん、展開している地域も全国に広がっているため、いろんな経験ができるのではないかと好奇心でいっぱいでした。

URらしさを感じた2つのエピソード。
- 入社してからは実際にどのようなお仕事をされてきたのですか?
- 最初に配属されたのは西日本支社で、団地の建て替えにおける外構の設計、工事を担当しました。建物の設計を行う際に、建築や土木、設備の方々と一緒に集まり、どのような団地にするか検討を行い、設計をし、工事の進捗に合わせながら完成までを見届けるような流れになります。
- 実際にはどのような屋外空間を手がけてきたのですか?
- なかでも印象に残っているのは2つあります。
一つは戦後の住宅問題を解消するために建てられた古い団地の建て替えだったのですが、この団地には長くお住まいいただいているご年配の方が多かったんですよね。一方で、まち自体は「住みたい街ランキング」等でも上位になるような地域で、ファミリー層にも人気があり、多様な世代がこの地域におられるのが特徴でした。なので、もともとお住まいの方に親しみを持っていただけることはもちろん、新たに入居されるファミリー層の方にも馴染んでいただけるように、座ってお話ができるような街角広場と夜間照明に力を入れてつくりました。お住まいの方が「我が家に帰ってきた」とほっとできるように、入口前に大きなベンチを配置したり、ベンチの下に照明を設計してもらったり工夫をしました。
もう一つは団地屋外のリノベーションの仕事で、その団地はパブリックアートが多く設置されていました。アート自体は、地域住民の方々から親しみを持たれていたのですが、経年とともに汚れが付着してしまっているところがあり、経年変化ととらえてそのままとするか、清掃をするか、芸術家の先生方にご連絡をしてアドバイスをいただきながら工事を行いました。そこはアートプロジェクトという、大学の学生さんが企画したアートに親しむプログラムを実施したこともある団地で、工事後はベンチ型のアートに座っていらっしゃる様子を見ることができ、アートが皆さんの生活になじんでいる様子を見られて嬉しくなりました。


空間への想いや意図を、
利用者と共有できる喜び。
- そして現在は、都市再生に携わっているとのことですが。
- 防災公園に関する調査研究と、区画整理や再開発地内の屋外空間の設計を担当していて、主には後者の方がメインとなります。いわゆる「まちの公園」や「敷地内の広場」をつくる仕事で、現在まさに進行中の高輪ゲートウェイ駅周辺や虎ノ門一丁目の再開発を担当しています。実際には、敷地や周辺環境を鑑みて公園や広場のコンセプトをつくるところから、具体的なレイアウトや物の配置、工事にあたっての積算や監理までを行っています。
- 仕事をされている上でどのようなやりがいを感じていますか?
- 設計の仕事は単純にものすごく楽しいですが、いろんな意見を照らし合わせながら仕事を進めていくところが面白いと思っています。開かれた公の場所になるので、利用する方もいろんな方がいらっしゃいます。なので、私だけの意見ではなく、全然違う立場や世代の方がどのように使うか想像し、広く意見を取り入れ、いろんな方に使ってもらえる場所をつくっていく。さらには完成した後に、実際にいろんな方に利用していただけたときは、空間への想いや意図を共有できた気持ちになり、うれしくなりますね。
- 「独りよがりにならないこと」を大切にしているという点にもつながるわけですね。
- そうですね。私一人の感覚ではなく、いろんな世代の方にいろんな形で使っていただくためにも、しっかり「立ち止まって確認すること」を大切にしています。社内にはこれまで築かれてきたノウハウが蓄積されていますし、経験豊富な方がたくさんいます。もちろん、利用者様の声も大切です。最終的には、いろんな意見を踏襲しながら「設計者としての判断」を下すのですが、そのプロセスにおいては、独りよがりにならないように気をつけています。

任せてくれる環境を機会に、
より良い仕事を生み出していく。
- URでの働きがいについてはどのように感じていますか?
- 年次に関係なく、仕事を任せていただけるところが魅力的だと思います。ある程度造園に関する知識はあったものの、入社してまもない私に、大きな団地の設計を任せていただいたのはうれしかったです。「やっていいんですか!?」って感じで。当然フォローしてくれる先輩はいたのですが、裁量をもって仕事をさせてくれたのですごく楽しかったことを覚えています。
- 良い仕事をしていくために取り組んでいることを教えてください。
- 自分の中で「良いと思うもの」をどんどんストックしていくことですかね。良いまちや良い再開発だったり・・・。そういったものを自分の中に持ちつつ、柔軟にまわりの方の意見や考えを受け入れながら仕事をしていくことが大切だと思っています。かつ、先ほどお話しした通り、最終的には「設計者としての判断」を下すことになるので、いろんな意見を受け入れる土壌とそれらを解釈しより良いものに変換していく力を養っていけたらと思います。