Interview職員インタビュー

なぜURがやるのか?
その問いの先に、まちの未来がある。

S.H
技術系総合職(土木系)
本社 都市再生部 事業管理第1課
前職:地方公務員としてまちづくりや生活道路の設計監督を担当
現在の主業務:企画・計画(都市再生)

前職は地方公務員として区画整理などのまちづくりや生活道路の設計監督を担当。2019年にURに入社したのち、女川(宮城県)での復興支援、荒尾(熊本県)での都市再生を経て、現在は市街地再開発事業に係る事業管理に従事。

URならではのかけがえのない経験。

前職での区画整理の仕事が、まちづくりに興味を持つきっかけになったそうですね。
まちがきれいに生まれ変わっていく仕事は本当にやりがいがあり、これから先もまちづくりに関わる仕事に携わりたいと思うようになりました。もともと転職をするつもりではなかったんですが、市役所ではまちづくりを専門としてずっと関わることが難しいのではないかというのが正直なところで。そんななかで、みなとみらいやうめきた、千里ニュータウンなど、私が好きなまちをURがたくさん手がけていることを知り、興味を持ったことが転職のきっかけです。URのまちづくりはそれぞれに特徴があって、私が思い描くまちづくりそのものでした。
そして入社後は、女川(宮城県)の復興支援に携わったそうですね。
入社前から「区画整理をやりたい」ということを伝えていたので、「大きな経験ができるように」と震災復興に携わらせていただきました。2019年当時は事業の最終年度の局面で、換地処分という区画整理事業の締めの業務を担当しました。具体的には、新たに整理された土地に係る権利等を確定させる業務で、地権者様へのお知らせや、事業終了に向けた行政との手続きに関する協議が主な業務になります。
東日本大震災が起きた2011年はまだ大学生だったのですが、私にとっては衝撃的な出来事でした。当時は何も力になれないことに悔しさを感じていましたが、こうしてURに入社して少しでも携わることができて、かけがえのない経験を得ることができました。
実際に行かれてみて現地はいかがでしたか?
何よりも印象的だったのは、地元の方々の姿です。みなさんとてもやる気に満ちていて、前向きで。そんな姿に勇気をもらいましたし、前進しているんだという活力を感じましたね。
S.H

受委託という関係性を超える
親密な人間関係。

その後は、荒尾(熊本県)にて都市再生に関わったそうですが、具体的にはどのような仕事を?
荒尾市はもともと炭鉱や競馬場等で栄えた地域だったのですが、1997年の炭鉱閉山に伴い人口が減少し、荒尾競馬場も閉鎖をしてしまいました。荒尾市では、市民に愛されていた競馬場の跡地を有効活用するために周辺を含めたまちづくりを検討し、最終的に市施行による区画整理を用いたまちづくりを行うこととなりました。検討の中で荒尾市から相談があり、URも支援することになったのが、このプロジェクトの背景です。私自身は、市が施行する区画整理における法定手続きの支援を行うことが主な役割になりました。それと同時に、近接する荒尾駅の周辺の活性化に向けたまちづくりの検討が進められていたため、URも区画整理による競馬場跡地のまちづくりと併せて駅周辺の活性化についてもコーディネート業務として担当させていただきました。
なかでも印象的な出来事があったそうなのですが。
実は荒尾事務所から本社に異動になった際に、市の方々が送別会の企画や手紙をくれたんですよね。かなり密にお付き合いをさせていただき、二人三脚でやっていたので非常にうれしかったです。
私自身も、課題や論点の整理や、URでの他地区の事例提供など、市が取り組みたいことを実現するために考えられる選択肢を積極的に提示することを心がけていましたし、何より受委託という関係性を超えてお付き合いできたことが非常に良かったと振り返っています。
S.H S.H

政策的な観点から、
魅力的なまちづくりを。

そして現在は、市街地再開発の事業管理に関わっていると。
そうですね。近年は建物やインフラの老朽化に伴い、建て替えを実施するケースが増えていきています。そういったときに防災や安全性等の観点から、ビル単体で建て替えるのではなく、複数の建物を一体的に建て替えしたほうが良いケースがあり、市街地再開発事業という手法を用いられることがあります。
私が所属している都市再生部事業管理第1課は各本部支社でURが関わっている市街地再開発事業の事業管理を行う部署で、なかでも私自身はURが組合施行に参画している案件の経営状況や事業管理などを担当しています。市況の変化等により、当初予定していた事態と変わることもありますので、そういったときに会社としての意思決定を行う手続き等を実施しています。
どのようなところにやりがいを感じていますか?
本社にいると、現場の皆さんが困っていることに対し、ルール等の改善を検討できるのは、現場ではできなかった仕事の一つかなと思います。「今の時代に合わせた形に変える」議論ができるという点は、この仕事の魅力の一つだと思います。
S.H

一つひとつの積み重ねと、
着実に実現していく力。

これまで、さまざまな形でまちづくりに関わってきていますが、URでのまちづくりの魅力は?
「今この時代に必要なものって何だろう?」と考え、それを提案することができることでしょうか。私自身、「なぜURがやるのか?」ということは常に問いながら働いていますし、私以外の方もみなさんそうだと思います。「経済性だけではなく、このまちに必要とされているものは何か」という観点で公益を追求するからこそ、社会的な意義を果たしていけるのだと思います。
復興支援もURならではの仕事です。入社当初、はじめて現場を見たときに「この規模をできるのはすごいことだ」と実感したことを覚えています。これまでのまちづくりのノウハウや経験があったからこそできる事業だと思っています。
ご自身が大切にしている「まちづくり」とは?
将来を見据えたまちづくりを心がけています。あくまでも主役はそこに住む地域の方々だと考えているので、そういった方が将来に何を望んでいるのか、それに対して選択肢が見当たらないようであれば選択肢を提示することでサポートしたいと思いますし、それを実現していくためには何が必要なのかを一緒に考えていきたいと思っています。
寄り添ってやっていくということですね。
「こんなまちにしたい」という考えが出た際に、それを実現するためには意外と専門性が求められる気がします。行政での経験を通して、法律や制度、手続きなどがかなり複雑だと感じるので、やはり実現していく力というのが重要だと思っています。そのためにも、たくさんのまちにふれながら、一方で法律や制度も学び、しっかりとそれらをアウトプットしていく。そうした一つひとつの地道な活動の積み重ねが、より良いまちづくりに貢献していくことだと思っていますので、これからも前向きに取り組んでいきたいと思っています。