街に、ルネッサンス UR都市機構

花咲く団地3 - 家族の新しいつながり方「近居」を促進

URPRESS 2015 vol.44 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

親世帯と子世帯がゆるやかにつながる「近居(きんきょ)」という住み方を団地から発信する。

菅原健介さんと妻の有紀子さん、3人のお子さんと、有紀子さんの母の白井路子さん。菅原さんは小規模多機能ホームを団地に開設、子どもたちはいつもこのホームで高齢者たちとふれあっている。「近居割」なら2世帯が同時に入居した場合、双方の家賃が5年間、5%割り引かれる。

「近居」という言葉をご存じだろうか。住まいが異なる親世帯と子世帯が日常的な往来のできる距離に住むことで、育児や介護を助け合いながら、核家族同士をゆるやかに結びつける新しい住み方だ。

UR都市機構では、同じUR団地や半径2キロ以内の別の団地に2世帯が近居する場合に、新しくUR賃貸住宅に入居する世帯の家賃を5年間5パーセント割り引く「近居割」を実施している。

辻堂駅からバスで約15分。神奈川県藤沢市にある湘南ライフタウンパークサイド駒寄(こまよせ)で事業を営む菅原健介さんは、この近居割を利用。自分の家族と、ひとり暮らしの義母・白井路子さんも同時にパークサイド駒寄に転居して、同じ棟の上下階で暮らしている。「住み慣れた鎌倉から引っ越すのは、ちょっと勇気がいりました」と路子さんは言う。「でも、ここに来てよかったと本当に思います。ここでは孫たちとひとつの家族のようにふれあえます。家事も子育ても仕事でも、何かあれば気軽に助け合い、毎日が楽しいです」

菅原さんは近居のメリットをこう話す。「二世帯住宅を建てるより圧倒的に安いですし、近居なら将来の家族の変化にも柔軟に対応できます。同居とは異なり、近居はそれぞれのプライベート空間が確保できるのもいい点ですね。近居には家賃の割引以上のメリットがあると思います」

「部屋から富士山が見えるのがうれしい」と路子さん。パークサイド駒寄は子育てにも便利な環境のよさが自慢。

団地以外にも適用

UR都市機構ではこの制度をさらに拡充。昨年9月から、全国で指定する対象エリア内の近居なら、一方がUR賃貸住宅ではない住まいでも、新たにUR賃貸住宅に入居する方の家賃を割り引く「近居割ワイド」を始めた。

この制度を利用して高座台(たかくらだい)団地(愛知県春日井市)で暮らし始めたKさん。婚約を機に新居を探す過程でこの割引制度があることを知り、高齢になる義理の両親の住まいから車で10分ほどのこの団地を見学に行った。「高台にあり、日当たりが良くて明るいという環境面、それに保証人や礼金が不要という点も気に入って」ここに決めたKさん。妻の両親も「近くにいてくれると助かる」と安心しているという。

Kさんは夏の花火の時期に、両親を部屋に呼ぶことを今から楽しみにしているそうだ。

【武田ちょこ = 文、佐藤慎吾 = 撮影】

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