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URPRESS 2017 vol.48 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス] URPRESS 2017 vol.48 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

復興の「今」を見に来て!第9回 - 災害公営住宅の入居者と中学生が和やかに交流 岩手県 大船渡市

カンカンカンカンと賑やかな音がこだまする。ここは大船渡市立越喜来(おきらい)中学校の体育館。災害公営住宅の所通東(ところがよいひがし)アパートの入居者と越喜来中学校の交流イベントが開かれ、共にベンチの修理中。鳴り響いているのは、釘を抜いたり打ったりする音だ。

大船渡市の要請を受け、UR都市機構が建設した災害公営住宅の所通東アパートが完成したのは2015(平成27)年11月。目と鼻の先にあり、工事に協力してもらった越喜来中学校の生徒さんへ感謝を込めて、UR都市機構は完成した所通東アパートに招待して見学会を実施した。その時に中学生に提案してもらった、アパートに入居される方との交流方法のアイディアが、引き渡しから1周年となる2016年11月に、交流イベントというかたちで実現した。

所通東アパートの入居者と中学生がグループになり、そこにUR都市機構の職員も加わって、仮設住宅で使用していたベンチを補修。座面の板を外して、新たに地元産の気仙杉の板を張り、ペンキを塗った。完成したベンチは運動会の時などに地元の人に座ってもらえるよう一部は中学校に、一部は所通東アパートに設置した。

共同作業の中で生まれる触れ合い

交流イベントは、ベンチ修理とお菓子作りの2班に分かれて作業し、最後に「お茶っこ」で合流するという流れ。越喜来中学校の1・2年生34名が参加した。
お菓子作り会場となった所通東アパートの集会所を訪ねると、黒糖とりんごの甘い香りに迎えられた。この日のメニューは地元でおなじみの伝統菓子「なべやき」と「かまもち(鎌餅)」。中学生たちがフライパンの中の生地を裏返そうか迷っていると、「もうちょっとだな」と入居者の方からアドバイスが飛び、少し待って中学生が上手に裏返すと、会場からわーっと歓声が上がった。

「子どもたちはこの日を楽しみにしていました。近くにあっても親戚や知り合いが住んでいないと集合住宅に行く機会がないので、地元の人と交流し、地元のことを知るよい機会になると思います」

と中学校の大和公恵先生。また大船渡市都市整備部住宅公園課住宅管理係の大津泉係長は今回の交流イベントの目的について「越喜来にはこれまで鉄筋コンクリートの集合住宅がなかったので、中学生に集合住宅の人たちも地域の一員であることを理解してもらいたい。地域の皆さんと共同作業をする中で会話や触れ合いが生まれ、仲良くなってもらえたら」と語る。
実際、ベンチを修理しながらの会話の中で「あれ、〇〇くんのおじいちゃんなの?」とか「○○の息子かあ」とわかって打ち解ける様子も見られた。
締めは全員で一緒に「お茶っこ」。完成したお菓子を前に「作って楽しく、食べておいしいのが、お菓子の魅力です」と笑顔で語るのは、お菓子作りを提案した中学2年の花崎 踊(おどり)さん。

「家ではなべやきにフルーツを入れたことがなく、分量も違うので勉強になりました。郷土の食べ物を、私たちが引き継いでいかなければ」と力強いコメント。「釘の打ち方とか、ペンキを塗る順番を教わりながら作業しました。おじいちゃんやおばあちゃんとお茶を飲むのが好き。こんどお手玉など教えてもらえたら」
と微笑んでいたのは、ベンチ修理に参加した中学2年の岡澤風華さんだ。

所通東アパートの坂本喜一郎自治会長は、「今日は最高でした」と満面の笑みで振り返り、「一生のいい思い出になります。集会所は開放していますので、いつでも遊びに来てください。お茶っこしましょう」と中学生に語りかけた。

培ってきたノウハウをもとにこれまでも自立的なコミュニティー形成に向け、市や自治会のサポートをしてきたUR都市機構。今回も裏方として、所通東アパートの入居者の皆さんと地域の人々をつなぐサポート役に徹した。

「中学生のアイディアが実現できて、皆さん楽しんでくれてよかったです。1回の交流で終わるのはもったいないので、次につながることを願っています」
と交流イベントを担当したUR 都市機構の松本京子も今後に期待を寄せる。

UR都市機構が建設した従前居住者用賃貸住宅「コンフォール町屋」。エントランスには町屋を走る都電の軌道を模したデザインが。
取得した不燃化促進用地では、地域の皆さんで活用ルールを考え、このような看板を立てている。

【妹尾和子=文、佐藤慎吾=撮影、福田正紀=ドローン撮影】

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