街に、ルネッサンス UR都市機構

街みちネット 第16回見学・交流会「すみれ野地区におけるエリアマネジメントについて」

これまでの活動の紹介

活動議事録

講演2「すみれ野地区におけるエリアマネジメントについて」

一瀬 隆一 氏(NPO法人エリアマネジメント北鴻巣 事務局長)
一瀬氏
自己紹介
  • 北鴻巣に来て30年弱になります。国鉄最後の駅として北鴻巣駅ができた時、住宅公団の戸建ての1期で縁があって、線路の向こう側の赤見台というところに住みはじめました。そして駅の西口が開いて、またこちら側の皆さんと知り合いになれた。実は私は子どもがいなくて、2人きりなんですが、孫がいないから子どもたちを孫みたいに見れるのかなと思ったりしています。
  • 近所の皆さんもふらっと来る、会社でも職場でもない、学校でもない、第3の居場所と私は言っていますけれども、実は私も第3の居場所としてここに来ているんです。私がここに来るようになって、3年を超えましたが、この場所に来るようになって、いろいろな知り合いが増えております。
  • 会社を定年すると、知り合いとたまに会っても、過去形の話しかしないから、進行形の話がないんです。昔の思い出話だとか、愚痴で酒を飲んで終わってしまうのですけれども、ここへ来ると、新しい人と出会って、今度のイベント、もう準備しなくちゃいけない、また視察が来る、などと言っているんです。この写真は4月の様子ですが、芝桜がきれいです。
はじめに
  • ここは「誰もが暮らしたくなるような素敵なまちにしたい」という思いで区画整理が始まりました。今はこういうふうにきれいになっていますけれども、これは、地権者、住民の方と行政、鴻巣市の都市計画課という部門と一体になって進めたまちづくりで、用地買収、9.2haの区画整理の後、調整池の上に4300m2の広い公園をつくりました。別につくったら大変ですよね。地価も高いですし。調整池の上に公園をつくったというアイデア、それを行政が条例で認めてくれて一緒にやろうよということでできた公園ですので、これは非常に価値あるものだと思います。
  • 私の住んでいる赤見台でも調整池がありますけれども、金網、フェンスで囲まれて、今はヨシみたいな植物が茂っていて、年1~2回刈ると、行政に文句を言う人がいるんですって。せっかく自然の鳥だとかいるのに、原っぱをきれいにしちゃったから、自然がだめになるじゃないかと。住民ていいかげんですよね。雨水のために調整池をつくろうとすると、今度は自然が破壊されるからやめろと言う人もいるそうなんです。そうはいっても、ここには池の上に広い公園をつくっていただきました。
  • それと、皆さんがこういうふうに集まっていただけるように、気楽に立ち寄れる集会施設。これは鴻巣市の財産で、区画整理で建てて、市に移管しています。運営をすみれ野自治会、新田自治会、追分自治会と3つの自治会で行っています。実際は、90%以上がすみれ野自治会のエリアです。でも、もともと住んでいたのは周りの2つの自治会のエリアでした。集会施設がなかったので、3自治会に運営を任せますという形でつくられた、よりどころとして、ここに気楽に来れるという集会施設です。それから、見学で見ていただいた、宅地をセットバックしていただいた花壇をつくっていただいております。そのように、ハード的に美しい景観ができ上がっています。
  • ここまでは多分多くの方ができると思いますけれども、あとは維持管理、これが大変です。草取りから始まって。ガイドラインの話が先程出たと思いますけれども、生け垣を自由にしたり、ブロック塀を建てたりしてしまうと、どんどん資産価値だとか、“環境に優しいまち”というキーワードがどこかに行ってしまうので、何とかそれを維持するためにどうしたらいいか。自治会がやるのではなくNPOを立ち上げてやっていこうというところで生まれたまちづくり。すでに8年経過しております。鴻巣市さんも非常にまちづくりに協力していただきました。
すみれ野地区について
  • 鴻巣市は東京から50キロ圏、北鴻巣駅には快速は停まりません。湘南新宿ラインや東京上野ラインができて、楽になりました。
  • それから、鴻巣市は花のまちで、パンジーとかプリムラ、マリーゴールド、サルビアの生産出荷量が日本一となっています。あと、市内を流れる荒川の川幅が日本一広く、2500mあります。毎年、河原で花火を上げます。去年、正四尺という、1.2mぐらいあるものが上がって、ギネスに認定されたので大騒ぎしています。今回も若手の商工会の皆さんが頑張って、2万発ぐらい上がるんです。スターマインもとめどもなく上がります。ちょっと遠いので自転車で見に行きます。歩きだと30分以上かかるのではないかと思います。この辺りでもマンションや、駅の連絡通路、階段を下りる手前でも見られますけれども、あそこには限られた人数しか入れません。そんな環境です。
  • 平成23年に終わった区画整理事業で生まれた新しいまちで、まちの名前は「すみれ野」と地名がつきました。市内でも「すみれ野」という地名は、知らない人は知らないです。昔は、ここは箕田地区という地名でした。
  • ここはひな人形のまちでもあります。最近は花火でギネスをとったので、花火のまちというのと、埼玉県内に住んでいる方はご存じかと思いますが、鴻巣は免許センターがあるので、知らない方も、免許センターのまちですと言えば、わかっていただけます。
すみれ野中央公園の概要
  • 今、皆さんがいらっしゃるのは、すみれ野中央公園の中のすみれ野の集会所という場所です。春には芝桜が咲きます。それから、「スポンサー花壇」や「まちかど花壇」、イベントを行ったりする球技広場があります。テラコッタ花壇は雪が降ってから割れてしまって、形が不揃いになってしまったり、植えてある木の1本は今年の暑さでやられて枯れてしまいました。
  • 調整池の上に4300m2のまとまった規模の公園を、駅からも近い場所につくって、隣接してみんなが集える、交流できる仕掛けをつくっていただいております。
すみれ野中央公園の位置づけ
  • 公園の位置づけは、みんなの居場所にしたいということでサードプレイスと呼んでいますが、私もここへ来てからサードプレイスという言葉を聞きました。
  • 来るからには、いろいろな花があふれた公園でなくてはいかんということで、つくる段階から住民の方々が参加しており、木造の通路などは、皆さんがボランティアで作り込んでいるんです。全部造園屋さんじゃなくて、西村さんにも手伝っていただいて、最初の頃は、本当に人力でこの辺をつくっていて、公園をつくる段階からみんなが関わっています。住民もやるから、行政も一緒になってやろうということが言えるんですね。ギブ・アンド・テークじゃない、ギブ・ミーだけではちょっとまずいという形ができたから、できているのかなと思います。
  • 公園と一体となった地区の景観をつくろうということで、公園には遊具のかわりに花だとか球技施設を設置させていただいております。
  • それから、もう一つは、ここは市の公園ですから、指定管理という形でNPOが受けて、住民がみずから管理する。シルバーだとか何々造園さんが公園を管理するのではなくて、この地域の人たちが組織をつくって協働でやりましょうという形をとらせていただいております。
  • それから、公園マネジメントという考えで、スポンサー花壇や、ルール、ガイドラインを設けていただくことによって、通常はつくったと同時に陳腐化しますから、その落ち込みをなだらかにスローダウンさせるということと、それを地域の人たちでやることによって、思い出なども自然発生的に生まれてくるかなと思っております。
  • 遊具の滑り台とかブランコだとかは、設置はいたしませんでした。滑り台では遊ばないけれども、水をやる。これは毎月のイベントで、当然子どもさんもついてきますので、僕が水をやろうとか、自然にそういう行動になります。また、花壇に不適切な石の多い土なので、子どもたちが石を拾ってくれることもあります。
  • 子どもは子どもなりに遊びのプロですから道具がなくても、葉っぱであったり、木の枝で遊んだりしております。遊具がないかわりに、あるものでもって何を考えるか、あるいは知恵を伸ばすか、作り込むかという形をしていただいています。滑り台で遊ぶのは幼稚園へ上がる前の子どもですよね。小学校の子どもが遊ぶのは、遊ぶというよりは、半分ふざけているようなものです。塾も多いのか、子どもたちがわあわあ、30人前後いつも来ています。子どもたちが球技広場でボール遊びをする。サッカーをしちゃうと、怒られていますけれども、それは子どもだからしようがないと思ってやっております。水やりで友達同士でも、僕がやるだとかもめるんです。子ども用の道具がそんなにないですから、待ちという体験を子どもたちがしたりする。1個しかない道具をお互いに使い合うという形での学習もできるかなと思っております。
まちづくりに込めた想い
  • 「北鴻巣スタイル」という記念誌があって、ホームページからダウンロードできるようになっています。これを見ると、思いがみんな入っているんですね。非常によくできた記念誌だと思います。これをやり通すのは、はっきり言って大変だと思います。それを僕は半分もできれば十分だなと思っております。
  • 「4つのコンセプトと7つの思い」というものを合い言葉に、取り組んでおります。鴻巣市は花の生産で1位ですが、出荷するだけでなくて、花をどういうふうに使うか、料理で言えば、レシピが求められますよね。地産地消であったり、どうやって花を生かしていくか。個人のお宅が自分の思いのままお花を入れたり、木を入れたりもしますけれども、こういったゾーンとして花を活用していくというようなまちづくり。これもまちづくりのレシピの一つだと思います。
  • 区画整理では、どういうまちにするか地域の人たちに公募して決めたそうなんですね。そうして「花とおはなしできるまち」にしたいということで生まれたまちなので、花に対して、人も一緒に成長する。花や木も成長するけれども、ここにいる人たちも、会員の皆さんもこれに参画している人たちも成長するという意味ですよというふうに決められたコンセプトになっております。記念誌の中にありますのは、花を介したシーンであるとか、場面なんですね。これをやっていこうという形になっております。
  • まちに4つのコンセプト、7つの思いがありまして、「花のまち」を合い言葉にして、一緒にまちづくりを積み上げていく。誰もが暮らしたくなるようなまちにしたい、ここに住んでよかったな、ここに住み続けたいなというまちにしたい。これは、値上がりして商売として売るというのは別としても、環境がいいから住んでいいなと、年取ってもここにいたいというような。
  • 4つの基本となるまちづくり。花と緑とともに一緒に育とうという第1の考え方。
  • 2番目が、世代を超えた交流。子どもたちから大人まで、あるいはおじいちゃん、おばあちゃん、世代を超えた交流のまちをつくっていこう。簡単に言うけど、これは大変なんです。今、事務局でやっていますけれども、イベントを打つのが大変。後で愚痴を言うかもしれません。
  • 3つ目は、参加する人が主役。神輿を担ぐほうもおもしろいと僕は思っています。そうじゃないとやっていられません。皆さん、主役になってやりましょうよ。
  • それから、あとはルールです。挨拶。挨拶ができないんですね。当たり前のことが当たり前になかなかできないんです。見学中も、ちょうど4年生の子が帰ってきていやいや挨拶していましたけれども、あれならいいほうかなと思っております。普段あんなに大人がゾロゾロとここにいませんから。
  • ですから、こういうまちづくりはやっぱり人づくりというところですね。そういう文化があるまちを目指しております。
NPOと鴻巣市の関わり
  • これは鴻巣市がよく懐を広く対応してくれたなと思っております。
  • ガイドラインは紳士協定で、条例ではありませんが、市が普及・促進をしてくれています。
  • 集会所を自治会に開放してくれていて自治会が管理運営をやっておりますので、気軽に使うことができます。もうすぐ、クリスマス会を30人ぐらいでやりたいからとママさんたちが来たり、夏休みもギョウザをつくるとかですごく臭かったですけれども、いろいろなことを子どもたちがやります。お母さんたちが主体になってやっている場所になっています。自治会の役員会などにも当然使っています。使うのは有償ですが、4時間で500円、非会員1,000円と安いです。気軽に立ち寄れる場所ということで、子どもも気軽に来ます。
  • 中央公園の指定管理もNPOが行っているし、スポンサー花壇を設けることも市が許可してくれました。
  • それから、駅の広場などの道路占用の弾力化ということで、公園の中やロータリーにテラコッタを置くことを許可をしていただいております。
  • また、球技広場でイベントを打つということについても、許可をいただいております。市としましては、多分市内でもこんなに自由にとは言いませんけれども、ルールの中で許可していただいているのは、ほかにはないと思います。
エリアマネジメントの取組み
  • ここに来た3年前は、エリアマネジメントが何かよくわからなかったです。具体的な取組みとしては、建築・外構ガイドラインの審査、日々の環境整備巡視、1日1回、専任で、2名が隔月で365日、雨が降っても、雪の日も一応回っていただいております。また、公園・花壇の植栽管理、今日も草取りをしていますが、お月見は終わったらススキを刈ったり、汗を流して、見よう見まねでやっております。あと、まちのイベントの企画をやっております。
  • NPOが目指すものですが、まちづくりを通したみんなの居場所づくり、誰が来てもいいようにやりましょう、それから、良好なまちの景観、まち並みを維持していこうということでやっています。
  • 当然こういった活動をしていけば、資産価値の低下も、急じゃなくなだらかにいく。あるいは、木々が潤ってくれば、逆に資産価値が部分的には上がる。ここに住んでいる人も顔見知りになる。イベントで顔見知りになると、いいコミュニティ、人間関係をつくれますので。ゆくゆくは防犯効果にもつながるんじゃないかなと思っております。
  • 皆さん、子育てがだんだん終わってくると、パートへ出たりして、あと20年たてば絶対、夫婦二人きりになりますから、その時にどういう生活をするか。あるいは、日本の国土の中では空き家がいっぱいあると言われていますが、若い時に近所つき合いがあったり、あるいはゾーンとしてできていれば、将来的に、あそこがあくのだったらこっちにつくればいいよねとか、声のかけ合いだとか、そんな形でまちづくりができて、住み続けたいまちをつくる事業に発展できると思います。100人のうち5人でも10人でも、そういう人たちが残れば、僕はいいかなと思っております。
  • 当然、持続可能なまちづくりということですから、それは行政じゃなくて、住民主導で行政と一緒になってやらないといけません。できるところは自分でやる、できないところは行政にお願いする。典型的なのが、NPO会員は300人ちょっといますけれども年間6,000円も会費を払っているんです。権利と義務を遂行する、いいまちにしようというのには、やはり自分らもお金を出す。そうじゃないと、100%税金で待ち行列になりますから、いつきれいになるかわかりません。予算がない、じゃ、来年度ねと。
  • 実は今、北鴻巣駅は階段の屋根もトイレも交番もないです。階段の屋根とトイレはやっと今年度の予算で今週か来週あたりから工事が始まります。駅の階段は、JRではなく鴻巣市がつくった市の財産です。もうすぐ工事が始まるので、次にもし機会があって、来年の春、芝桜を見に来るときには、トイレもあります。屋根もちょっとかかっています。ちょっと環境が変わっています。
  • 6,000円払って一緒にやっていく。ですから、人的資金とか財源、お金、指定管理だとかスポンサー花壇という形でもって事業展開をさせていただいております。何度も言いますが、住み続けたいまちにするためには、次の世代にうまくバトンリレー、その世代でなくて、隣近所もリレーできるようにやっていきたいということで取り組んでおります。
NPO北鴻巣の組織
  • 会員は、正会員、一般会員。正会員は25名ぐらい。正会員がスタッフとして企画運営をやっており、月1回、会議をやっております。一般会員、賛助会員は、現在、ほとんどいません。法人会員が1社だけあります。ボランティアも高校生です。
  • 組織的には、広報活動部会、資金計画部会、それから、まちづくり部会は、フィールドで花を植えたり、草をむしったり、剪定したり、お水をあげたりしており、一番人数が多いです。
  • それから、イベント部会は、毎月1回の公園整備イベントをやったり、季節イベントをやります。
  • それから、景観指導部会は、ガイドラインに基づく審査・指導を行いますが、住宅は9割以上終わっていますので、最近は年2~3件で、アパートが多いです。新築はもうほとんど頭打ちだと思っていますので、ガイドライン云々は、隣と近所で見てやってくださいというくらいになっています。
  • あと、事務局は私のほうでやっています。
  • 1つ、感心していただきたいのは、アパートの人も活動に賛同していただいています。大和リビングさんとオーナーさんがこういう活動にご理解をいただいておりますので、管理費の中からワンコイン500円を、アパートの場合は日割り計算、家賃総額、そういう形で賛同いただいております。アパートの管理会社やオーナーさんがOKしないとだめです。大和リビングさんは4棟あります。
NPO北鴻巣の資源
  • 大体700~800万円の事業規模です。支出は事業と管理費ですが、イベントだとか、会議だとかは、無償のボランティアです。毎月イベントがありますし、季節イベントもあります。会議も最低2つはある。それは皆さん無償ですので、そういったものがあっての管理費になっております。実態的には、非常にローコストで運営をしております。
  • 賃金も埼玉県の最低賃金に毛が生えたようなものです。まちに対する思いがあったり、自分も6,000円払っているのですから、メンバーにならないと参加できないという形をとらせていただいているのが実態であります。そういうのが運営に非常に支えになっております。
  • そういう中で、各部会の正会員の皆さんや、あるいは「すみれ野の匠」と言われるまちづくりに関わる人たち、若いリーダーがいて、農業学校の先生をしていた人が会員にいるので、剪定をお願いしたり、それから、会計士さんや建築士さんも会員にいます。そういった形をやっている人たちに恵まれてやっています。それから自治会さん、コンサル企業さん。コンサートをする時は、地元の小・中・高校生の団体さんや音楽教室の人たちも協力していただくのと、当然、市や商工会、それから、農協さん等の公共の関係。テントを貸してくれるとか、今日も実は椅子は農協さんから借りてきたんです。これは足りないなと思って。そういう風に、いろいろなところからご協力いただいております。ここの活動そのものも、こういった多くの人たち、あるいは団体さんの支援のもとに、こういう形で運営をされているということをご理解していただければなと思っております。
建物・外構ガイドラインの運用
  • 外構ガイドラインは、ヒートアイランド現象を抑えるために、アスファルトでなくて、透水性のいいものだとか、いろいろなものを駆使してやっていただいております。建物の外壁の素材や色も指定をさせていただいております。そういうことによって借景し合うと。我が家もそういった形に協力して、そこでもっといいまち並みをつくることに参加しているという意思表示だと思うんです。
  • ガイドラインの高さ制限や緑化率もルールとして定めさせていただいております。最初の頃は、理想的にルールブックによって建ててあるのですけれども、ここ3~4年はちょっとルールがおろそかになっているのが実態かなと思っています。そのかわり、緑被率がだめなら、駐車場の緑化をもう少し広くなど、そういった、まちづくりに参加しているという思いが伝わるように、あるいは、自分の子どもや孫に温暖化、ヒートアイランド現象を少しでもやわらげる活動をしている親であるというところを見せてほしいという形でお話をさせていただいています。ヒートアイランド現象を少しでもやわらげるために、皆さん、ほんのちょっとずつでも協力してほしいと。そういうことをやらないと、ゲリラ豪雨とか、ここもちょっと降っても、排水が間に合わなくて10cmぐらい水がたまるんですよ。ここだけの問題じゃなくて、上流に降ったり、最近、雨が降るたびに、洪水が出ていますよね。噴火や地震や津波もある。こういったことで、ヒートアイランドとか、緑化については少しずつ恩返しできるところはするようにしましょうというところでお願いをしております。
  • ガイドラインの運用の様子ですが、ポイント的に高さのある植栽を施すことによって、中央の公園の緑が見える、周辺の宅地との借景で親近感やつながりができるというのが整備の特徴になっています。
  • 建築学会でプレイスメーキングの学術論文を出されている方、私たちの会員さんなんですけれども、論文にも事例を使って紹介してもらったりして、協力していただいております。
年度活動事業計画
  • 春夏秋冬の季節イベントと、日々の花の手入れだとか、公園の芝刈り、草取り、冬場になると剪定を行っております。ストリート花壇と言って、皆さんセットバックして花壇をつくっていただいておりますので、年2回、戸建ての皆さんにはお花を少しお分けして、このお花をトリガーにして、花壇をきれいにしてくださいというのをやっております。そのときは皆さん出てきます。子どもさんも入れて3桁までいかないぐらいの参加者がいます。参加者には、ジュースだとか、花ポットとか、11月のときはチューリップの球根だとかをあげたりするようにしております。
  • あとは夏の風物詩の流しそうめん。そうめんは、自然の竹を割って流すんです。それを毎年つくってやるというのと、大釜でやりますので、今年は200~300人、すごい量です。
  • 10月31日はここでコンサートをやります。コンサートは500人以上の規模になります。芋煮の会もやります。大鍋2つぐらい。新米を炊いて、ご飯も添えてやります。一大イベントです。冬はクリスマスや新年のイベントがあります。
活動実績事例
  • 昼の活動の中に、タバコの吸殻を集めるのをやっていますけれども、本当になくならないんです。しようがないから、行政と一緒に、半年でこんなにたまっていますよと実態を知らせる活動をしています。
  • もう一つは、イエロー作戦。犬のフン対策です。実は、公園、マンション、アパートも犬オッケーなんです。珍しいでしょう。そういう環境なんですけれども、フンの放置は起こってしまうし、現行犯で見られないので、イエローカードをつくったんです。
  • イエローカードというのは、半分しゃれです。公園ですと、大体土のところが多いですが、犬はまた同じところに来るので、見つけたらイエローカードを刺しておく。犬が悪いわけじゃなく飼い主が問題ですから、飼い主に啓蒙しようということで去年の1月から始めて、フンの放置は大分少なくなりました。7~8月はゼロでした。これは特に金がかからないんです。割り箸と黄色い紙を買ってきてやっているだけですから、別段大したことじゃない。飼い主に訴えようという形で、鴻巣市の看板もあるんです。小さい子どもたちも遊んでいますので、犬のあとは嫌じゃないですか。もしかすると踏んでいるかもしれない。一応これを立てておくことによって、あそこはフンがあったのか、とわかる。散歩している人たちも、お互いに言い合ったり、私にもあそこにあるから、立ててくださいよとか教えてくれます。そんな形で見張ったり、次のためにも、相乗効果になればいいかなと思って、このゾーンだけでやっています。
  • あと、駅の階段とかのガムのポイ捨て。プロじゃないのできれいには取れません。いろいろ探して、日本チューインガム協会を見つけて電話したら、道具の提供を受けた。ヘラと薬があるんです。それと金ブラシで掃除すると、かなりきれいになりますが、毎月やるわけにいかない。まだ年1~2回しかできませんけれども、掃除することで、環境をよくしている人がいることを知ってもらって、よそへ行って捨てないようにするマナーも醸成されればそれでいいかな、北鴻巣ではおじいさんとおばあさんたちが掃除していたなと思ってもらえればいいかなと思っています。チューインガム協会からも支援をいただいております。行政から相談が来ることはあるけどNPOから来るのは珍しいですねと言われてしまいましたけれども。
  • 公園のベンチのペンキ塗り。これもみんなでやっていて、無垢の白木が5年経つと茶色くなってくるので色を塗りましょうという形でやりました。今年も企画はしたのですけれども、夏は暑過ぎてだめ、お盆になって今度は雨ばかり。先月に予定していたけれども、前の日に雨が降ってしまったから、できずじまいで、もう一回塗りたいなと思っているけれども、もう秋なので、ちょっと首をかしげています。
  • こういうことによって、この間は、子どもたちが、「僕が塗ったベンチだから大切にするよ」と言っていたとママが私のところに言いに来てくれた。要するに、自分が塗ったら愛着があるんですね。そういったことは、地域のまちづくりの一環として、いい部分だと思います。こういうふうに表に出ていないことだっていっぱいあるんだと思いますが。たまたまこういう形で一緒になってまちづくりを、汗を流してボランティアでやっているわけですけれども、やっていかないと、どんどん陳腐化してしまう。手を抜いたら劣化してしまいます。ということで継続しております。
  • 季節のイベントでは、春のフェスティバルは協力してくれる団体があって、去年、一昨年もやっています。
  • あと、流しそうめんは6回やっています。今週末は枝豆収穫祭。近くで枝豆をつくってもらっていますので、大人向けで募集したら50名ぐらい集まって、募集を打切りにしたんです。たまたまこの日が鴻巣の花火大会なので枝豆を午前中仕込んで、夜の花火のつまみにしますというシナリオでした。あとその日は幼稚園で運動会をやっているので見にいかなくちゃいけない。見にいって応援して、それから夕方花火に。結構忙しい。それは余談ですけれども。
  • その次の週末は、今度は子どもたちとサツマイモの収穫祭です。結構とれますよ。
  • 去年の音楽祭の小学校1年生の発表です。半年たつと、歌ったり踊ったりできるんです。本当に成長が早いです。鴻巣は和太鼓が有名なんですが、高校生の和太鼓の演奏もありました。あと、音楽教室、吹奏楽の演奏もありました。
  • 冬は、クリスマス会で、子ども向けの読み聞かせだとか、ゲームをしました。
  • 春は芝桜が終わってからオープンガーデンをやっています。もし機会があれば、4月中旬ごろに来れば、秩父まで行かなくても芝桜が見られますので、ぜひごらんになっていただきたいと思います。
エリアマネジメントの効果測定
  • 工学院大学の倉田研究室に、ここのまちづくりについて、去年の3月にアンケートをとっていただきました。私たちがまちづくりを進めているんだけれども、本当に方向性だとか、会員の皆さんがどういうことを考えているのか、アンケートをしたところ、82%の皆さんが「住み続けたい」と回答してくれました。これを崩さないように、またイベントの方法を考えて、私たちも活動、それなりの後押しであったり、少しずつ変えるところは変えるというシグナルにしていきたいという形で捉えているところです。
活動の発信
  • 結構いろいろな地区の皆さんに視察に来ていただいております。行政や区画整理の皆さん、玉野総合コンサルタント、横浜市の戸塚駅の区画整理の皆さんなどが来られております。つくば、小布施、愛知県の春日井市の人たちも来ましたね。あとは、国交省から新たな時代の都市マネジメントづくりというのでヒアリングに呼ばれて参加しております。
  • 県からは、今年の春、彩の国埼玉環境大賞奨励賞を受賞いたしました。それから、6月には国交省の景観づくりの特別賞で表彰されました。これも応募するのも、結構資料をつくるのが大変でした。
  • こういう取組みをしているのを会員の皆様にも理解していただきたくて全国に発信する、あるいは私たちの活動がどの辺のレベルであるか知りたいということもあって、応募しております。いいところがあっても足りないところもいっぱいだと思いますけれども、足りないところを補うように、いいところを伸ばすように努力をしていければなと思っております。
すみれ野のこれから
  • 最後なんですけれども、「花とおはなしできる、北鴻巣すたいる」ということでまちづくりの活動をしてきて、将来的には、子どもたちが大きくなったときに、第2のすみれ野もどきをつくるような人が出てくれればいいかなと思っております。種をまかないことには花は咲かないんです。少しでもこういった活動が、こういうセクションで、いろいろな地域でできればいいかなとは思っております。年間イベントのコンサートが雨で中止になりましたが、去年は延べで2,000名来たんです。こういうイベントを続けていけば、これがすみれ野の文化になります。この地域に生まれた子どもたちはここがふるさとですので、子育てをする時に、僕の、私のふるさとでは、そうめんやったねとか、春とか秋になると、ストリート花壇で何か花をいただいて家で植えたけど、あの時ジュースをもらったよねとか、思い出してもらえるといいと思います。コンサートの抽選会でディズニーのチケットが当たって家族で行った方もいましたし、地元ですから、花もプレゼントしまして、新米5キロが当たって、ママが大喜びというのもありました。いろいろなふるさとづくりの一環として、子どもたちが育ってどういう形でこの日本の中でやっていけるかな、という時に、それは、小さいときに育った環境が大事だと思う。小さい時に環境がいい面、悪い面があったら、親になればいいところは続けて、悪いところはなくしていこうというのが普通の親だと思っております。そうすることによって、いい世の中になっていく、まちづくりがよくないと、地方再生というのはないと思います。
  • そんな形で、大きくなったときに、それを覚えておいていただければ、いいまちづくり、いい大人になれるかなと思っています。なかなか今、ギスギスした社会なので、テレビだとかニュースを見ていると、うちでも、もう見なくていいよと言うぐらいになっちゃっています。残念ながら。こういう形で花だとか、やさしくこうやって遊んだりしている子どもたちがそれなりに育つというふうに僕は信じて、この活動をやってきております。
  • 正直言って、会社へ行っていたときのほうが楽なんです。休めば、会社は誰かが大体フォローしてくれますがここでは自分でやらなくちゃいけないんです。大変なときは大変ですけれども、今言ったように、子どもたちが私に声をかけてきたり、いろいろな人たちと話し合いができることが私にとって肥やしになります。あるいは、今日、皆さんとも一期一会になってしまう人も多いのだろうと思いますけれども、こういったいい機会と時間がつくれた。私の財産だと思います。こんなに人にお話ししたり、皆さんと顔を合わせる、空気を味わえるというのは本当に幸せだと思います。
  • あと、公園の風景をご紹介します。皆さん、先ほど見てこれらたんですね。去年の雪でテラコッタが割れてしまったりして、2週続けて降られたので、まちづくりにはハンディを背負いました。これはどうしようもないことですけれども、自然との戦いは、うまく過ごしていかなくてはいけないかなと思います。
  • 花がこんなきれいな時期もあります。今日は秋も終わりに入ってきていますので、花はあまりきれいじゃないですね。植えかえの時期に来ています。こういった活動をしておりますので、あとは、ホームページもありますので、もしお時間があれば、またごらんになっていただきたい。
  • このまちは8年目ぐらいで、まだまだひよっこなんです。皆さんからもいいご支援をいただければ、またいいまちづくりになろうかなというふうに思っております。

関連ページ

メニューを閉じる

メニューを閉じる

ページの先頭へ