街に、ルネッサンス UR都市機構

コンフォール松原(埼玉県草加市)

プロジェクトデータ

所在地:
埼玉県草加市松原1-4ほか

事業区域:
約54ha

建替え前:
管理戸数:5,926戸
管理開始:1962(昭和37)年

建替え後:
管理戸数:3,050戸
管理開始:2008(平成20)年

事業手法:
全面建替え事業

団地概要

草加松原団地は、都心から約20kmの草加市内、東武スカイツリーライン「獨協大学前〈草加松原〉」駅(元・「松原団地」駅)前に位置しています。周辺には文教・医療福祉施設が多く立地しており、地域のコミュニティ拠点ともいえるエリアを形成しています。

事業概要

当団地は、管理開始から30余年が経過し、緑豊かな団地へと成長してきました。一方で、社会経済情勢の変化や高齢化の進展に伴う生活スタイルの変化、居住者ニーズの多様化、建物の老朽化などに伴い、住戸面積や設備面等、住宅としての居住性能や水準が時代に即さないものとなりました。

そこで、UR都市機構は1998(平成10)・1999(平成11)年度に草加市と共同調査を実施し、2003(平成15)年度から周辺地域を含めた全面建替え事業に着手、自治会や団地居住者との勉強会、市・大学関係者との協議、良好な街並みづくりの誘導に資する地区計画の策定などを行いながら、UR賃貸住宅の建替えを順次進めてきました。
建替えは約20年に渡り進められ、2021(令和3)年度に事業完了しました。生まれ変わった「コンフォール松原」は、旧団地から大切に保全されてきたシダレザクラの移植や、団地内を貫く緑道の整備など、地域の財産である豊かな緑環境の継承が図られています。一方、建替えによって生み出された敷地には、保育園や児童センター等の公共施設の他、民間事業者による商業施設や分譲住宅等が建設され、多様な世代が安心して活き活きと住み続けられるまちが形成されました。

事業後の土地利用図
before
after

団地全体での取り組み

当団地では、
① 低炭素や循環型の開発事業の実現に向けた社会的な要請
② 建設後50余年経過した良好な住環境の継承と再生
③ 大雨に伴う浸水被害への対策
といった地域課題を踏まえ、環境資産を活かしたみどりのネットワーク形成や、持続可能で活力あるまちづくりと多様化するニーズに対応した魅力的な住まいづくり、自然の多様な機能を活用した雨水流出抑制などを目的とした様々な取り組みに着手し、「『Green Bind!』みどりが束ねる暮らしとまち」の実現を目指しています。

既存樹木の保存

緑のプロムナード(基幹空間軸)・風の道

まちのメインストリートとして駅前と松原団地記念公園を結び、南北に計画された風の道とともに、コミュニティの活性化を促すオープンスペースを形成しています。また、プロムナードに面した住棟には集会所やアネックスルーム付きの住戸を配置するなど、賑わいを創出する計画としました。

緑のプロムナード
集会所
アネックスルーム付き住戸

松原団地記念公園(都市計画公園)

「多世代が憩える緑豊かな都市公園」をコンセプトに、UR都市機構の直接施行制度を活用して整備しました。雨水流出抑制施設を兼ねた池と水路の整備のほか、既存樹木の保存・移植を行っています。

松原記念公園
団地から移植されたシダレザクラ

第12回彩の国みどりのプラン賞
「最優秀プラン賞」受賞

2021(令和3)年10月に、コンフォール松原が、第12回彩の国みどりのプラン賞「最優秀プラン賞」を受賞しました。この賞は、埼玉県における緑化意識向上を図る取り組みとして、県の「緑化計画届出制度」へ届出があったものの中から、特に優れた計画が表彰されるもので、当団地22~30号棟においては、①既存樹木を保存し、長期間にわたって良好に維持管理を行っている点、②敷地内の高低差を利用して窪地や微高地を設け、緑に躍動感を与えている点、③窪地には雨水貯留機能を持たせ、緑の機能を活かしたグリーンインフラとして活用している点、④利用者の目線を考えた美しいランドスケープとなっており、既存樹とオープンスペースの見せ方に工夫を感じられる点が評価され、受賞につながりました。

雨水貯留機能を持つレインガーデン

草加市立松原児童青少年交流センター

松原児童館の閉館に伴い、従来機能に加え、青少年活動の場、多世代交流等の機能を有する施設を草加市が計画しました。施設の愛称は、200点を超える応募作品の中から、「miraton(ミラトン)」に決定しました。

草加市立松原児童青年交流センターmiraton(ミラトン)
(2023年1月開館)

近隣型商業施設を中心とした
地域コミュニティ形成の取り組み

第IV期生活交流拠点ゾーンの近隣型商業施設街区においては、東武鉄道が土地賃貸事業者として選定され、2023(令和5)年3月30日に商業施設「TOBU icourt(トーブイコート)」が開業されました。東武グループは既に当エリアにおいて、住宅開発や商業施設運営等の事業を展開しており、この度、本施設の開業をきっかけとして、行政や住民・大学など、地域と連携を図るとともに、地域の魅力を高めるまちづくりを進め、更なる地域社会の持続的な発展を推進していくこととしています。開業前の2023(令和5)年3月18日に足がかりイベントとして、松原団地記念公園でマルシェイベント「PICNIGOOD sokamatsubara(ピクニグッドソウカマツバラ)」が開催されました。

TOBU icourt
PICNIGOOD sokamatsubara

雨水流出抑制施設

当団地では台風等による道路の冠水や、浸水被害が団地全域で発生していました。
草加市により整備されたテニスコートの地下部分に、雨水流出抑制施設(約10,600m³)を、草加市とUR都市機構の共同で整備しました。

台風による浸水(1971(昭和46)年9月)
雨水流出抑制施設

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