といったように、エリア全体の工事が効率よく、効果的に進むよう調整していきました」 しかし、東日本大震災発災直後、東北地方にはURの団地もなく、URの知名度は低かったという。「現地の役場ではURを知らない人も多く、URって何? からのスタートでした。しかし地道に現場に足を運び、URが行ってきた阪神・淡路大震災での復興支援や、これまでの市街地整備などの知見を提供し、信頼を得ることができました」と新田は振り返る。 URは令和3年度、津波被災地域である岩手県、宮城県、福島県の23自治体での事業を完了した。現在は福島県いわき市に東北震災復興支援本部を置き、神奈川の災害対応支援部と連携しながら、原子力災害被災地域である福島県の3町で、復興拠点整備事業支援を行っている。 令和7年までの間に、URが現地に派遣した職員の数は、延べ約3400人にのぼった。この中には、自ら進んで復興に携わりたいと志願した者も少なくない。 「これからの課題は、災害復興事業で得た知見やノウハウを、次の世代に継承していくこと」と新田はいう。そのために災害対応支援部では、社内向けと社外向けの研修を行っている。 社内向けの研修では、被災地の現場を経験した職員から復興事業に関するノウハウ等を継承する取り組みなどを行っている。社外研修は主に自治体向けに「UR防災研修プログラム」を用意。被災建築物応急危険度判定マネジメント研修、東日本大震災復興支援の教訓・知見を学ぶプログラムなどがある。 岩手県釜石市に赴任した経験をもつ大嶽は「ハード面の復興は終わっても、つながり続け、見守り続けたい」と話す。 自身も阪神・淡路大震災で被災した新田は、「日本では、いつどこで大地震が起きてもおかしくない。過去の震災を忘れず、自分ごととして考えてほしい」と強調する。 URは災害復興を事業の大きな柱のひとつと位置付け、これからも被災地とともに歩み、寄り添い続けていく。●復興拠点整備事業支援 3自治体等 271ha●建築物整備事業支援●地域再生支援●復興市街地整備 12自治体 1,314ha●災害公営住宅整備 17自治体 5,932戸●復興計画策定等の技術支援<津波被災地域><原子力災害被災地域>本格的な復興に向け、2県18市町村に技術職員を派遣し、復興計画づくりを技術面からサポートした。復興市街地整備は、平成25年度末までに、受託した全22地区で工事に着工。各地で大規模な工事が進んだ。平成29年から福島の原子力災害被災地域の支援が本格化。写真は令和元年に完成した大熊町役場新庁舎。岩手県山田町では、復興市街地整備と災害公営住宅整備を並行して進め、山田中央団地が完成した。高台への住宅移転が完了、海側に商業施設が並ぶ宮城県女川町の中心部。発災直後、URはUR賃貸住宅約5,000戸を用意し、応急仮設住宅建設用地を提供。延べ26の被災自治体とURとの間で、復興まちづくりを推進するための覚書、協定などを締結した。総延長3kmに及ぶベルトコンベアによる土砂運搬を導入し、工期短縮をはかった(岩手県陸前高田市)。東日本大震災でのURの復興支援URから内外へ知見やノウハウを継承16UR PRESS vol.85
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