だが、HICityは先端企業だけの拠点ではない。ここでは大田区と連携して5月、8月、11月に『先端産業と文化の融合』をコンセプトとしたイベントを開いている。 イベントの企画・運営を担当する羽田みらい開発の辻井康太さんは、「イベントでは、入居する企業が子ども向けにロボット操作やプログラミングのワークショップを開催することもあります。イベントの来場者の約半分は大田区から来られており、HICityが区内外の企業関係者だけでなく、一般の区民にも広く認知されつつあると感じています」と説明する。「28年に完成する約3.3haの公園には、HICity側にエントランスを設けて、相互に行き来しやすい環境をつくり、連携を図っていく計画です。また、この公園整備では、URさんの持つさまざまなノウハウを参考に進めていきます。約7000㎡もの芝生広場ができる予定なので、ぜひ区民をはじめ、たくさんの方に来ていただいて、ここで憩いの時間を過ごしてほしいですね」と大田区の兼重さんも力を込める。 HICityは国内の自治体はもとより、海外からもたくさんの視察を受け入れている。さらにこの公園が完成すると、世界的に見ても珍しい国際空港に近接した公園の誕生に、国内外からの注目が集まり、来場者も増えることが期待される。 URは大田区からの要請を受け、羽田空港跡地の土地区画整理事業を施行。東京オリンピック開催にあわせてまち開きを行うという、限られた時間で事業を遂行する必要があったため、URのもつ豊富な経験とノウハウが求められたのだ。 URは基盤となる道路や電気、上下水道、ガス、通信などのインフラ整備と土地の再編を一体的に行ってきた。新しい道路は昨年8月に全線供用開始した。 「道路をつくる際には、地下にインフラ管路を埋設しますが、空港時代に使われていた用途不明な管路が出てくることもあり、その都度、航空局などに確認して工事を進めてきました。また、地表から浅い所に鉄道が通っているので、鉄道施設に影響を与えないよう、鉄道事業者とも協議するなど、気が抜けない工事が続きました」とURの飯田茂充が説明する。 URの仕事は来年度で終了するが、URの穴水果純は、「私たちのまちづくりが、歴史あるこの土地に再びにぎわいを取り戻す一助となれたことを誇りに思います。大田区民をはじめ国内外からさまざまな人が集まり、多くの方に愛されるまちになっていけば本望です」と話す。 この新しいまちがこれからどんな花を咲かせるか、楽しみに見守っていきたい。左/HICityでは自動運転バスの運行実証を行っている。下/先端と文化をテーマにした、HICityらしいイベントを開催。区民をはじめ、インバウンドも参加している。右/ここに2028年完成予定で公園が造られる。上/HICityの周囲に完成した道路。環状8号線からのアクセスがよくなった。上/「足湯スカイデッキ」は、飛行機の離着陸を間近で見ながらくつろげる人気のスペースになっている。左/さまざまなイベントが開催されるイノベーションコリドー。HICityでお話を伺った皆さん。左から、羽田みらい開発の辻井さん、大田区の兼重さん、伊藤さん、URの飯田、穴水。まちの土台をつくる20UR PRESS vol.84
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