義を担当する講師は、その道の実務に長けた方ばかりで、「これだけのメンバーに集まっていただいたのは初めてのこと」(出口さん)だった。 参加した上田市都市計画課の柳澤洋平さんは、「地元の人口減少を実感するなか、これまでのまちづくりの方法は参考にならないのではないかと感じ、スクールに志願しました。第一線で活躍されている錚そう々そうたる講師による講義はすべて面白く、とても刺激を受けました。中身が濃く、熱量に圧倒された13日間でした」と振り返る。 なかでも参加者に刺激を与えたのが3回にわたる演習だ。演習1は、URがコーディネートして、まちづくり先進地の東京都豊島区、中野区と栃木県鹿沼市を訪ねた。現地を見学しながら担当者の話を聞き、最後に概念図を作成する。 演習2は、スマートシティとして先進的な取り組みを行う長野県塩尻市に協力をあおぎ、この地の課題を抽出して解決する方策をまとめた。 UDC信州の土屋さんは「スクールは初めての取り組みでしたが、これはUDC信州があったからできたこと。すぐに成果が出るとは思っていませんが、必ず実を結ぶはずです」と期待する。「地方が疲弊しているなか、知恵と工夫でまちを盛り上げていくキーになる『人』を育てることが求められています。このようなスクールを定期的に開き、そして横展開していけば、新しい構想力をもった人材が地方に育っていくのではないでしょうか」 こう話す出口センター長の言葉に、皆さん力強くうなずいていた。どう組み立てて、そこで何を学び、アウトプットするのかを考えていきました」という。右/信州まちづくりデザインスクールで行った演習のひとこま。写真は東京都豊島区東池袋に誕生した防災公園「IKE・SUNPARK」。URでUDC信州にかかわり、演習をプランニングした鈴木。今回のスクールに参加した上田市都市計画課の柳澤さん。私たちはインフラをいかに維持し、中心市街地の空洞化をどう克服していくのかといった、まちづくりに関する重要な課題に直面しています。 こうした状況のもと、地域の魅力をいかに再発見し、まちをどのように再設計していくかが、これからの県や市町村の発展を左右する鍵となります。まさに、地域の知恵と力が問われるところであると考えています。 そのようななか、今年度UDC信州が開催した「信州まちづくりデザインスクール」を通じて、地域の方々とともに議論し、対話を重ね、地域資源を活かし合いながら、参加される皆さんが「自分たちのまちをどのように発展させていくのか」を主体的に考える中核となっていただくことを期待しています。 県としても、引き続きUR都市機構の皆さんとともに、県内各地の魅力あるまちづくりを力強く推進してまいります。 人口減少により社会構造が大きく変化するなかで、長野県阿部守一知事左/URが密集市街地整備事業を行っている中野区弥生町。下左/栃木県鹿沼市の街並みを歩く。下右/スマートシティ先進地の長野県塩尻市を視察。 三つめの演習は卒業制作だ。それまでの演習は3人でグループをつくって取り組んだが、こちらは1人。これまで学んだことをふまえ、地元で実際に自分が取り組むべき課題を選び、実現可能でイノベーティブな事業計画を立てる。最終的にはそのプロジェクトを翌年の予算に盛り込むところまでを目指す。講評会を行って、優秀作には賞品も授与された。 URは企画段階からスクールに協力、演習を組み立てるだけでなく、講義も受け持った。URの鈴木は、「まちづくりを実践してきた経験を生かし、特色ある演習をまちづくり事業を地元で実践16UR PRESS vol.84
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