です。 これからどんな役をやりたいですか。 まだ経験が少ないですから、映像も舞台もミュージカルも、現代もの、時代ものといろいろやりたいと思っています。具体的に言うと、ダメなところといいところがあって人間味のあるチャーミングな役を演じたいです。 知らないものを知ることに喜びを感じますから、私の知的好奇心が枯れるまで 沖縄には助け合う「ゆいまーる精神」があります。また、一度会ったらみな兄弟という意味の「いちゃりばちょーでー」という言葉もあり、人と人とのつながりや助け合いを大事にしています。 私は上京するまで、沖縄は近所の人との距離が近くて、一挙手一投足、見られているようで窮屈に感じていました。でも今は、そういうつながりが大事だと思うようになりました。沖縄に帰ると、「あんた、ウチナーンチュ(沖縄の人)なんだってね。応援してるからね」と声をかけていただけたりして、うれしいです。 そういう温かさに接すると、いい環境に身を置いていたとわかります。沖縄を離れたからこそ、沖縄のよさを感じられるようになりました。人と人とのつながりはお金で買えない大事なものです。 東京では、隣に住んでいる方の顔はわかっても、名前は知りません。誰も私に興味がないと思うと心地よくて、「私、何者にもなれる!」と希望を持ちました。東京も沖縄もいいところがあって大好きとは違います。私は本州の海では、まだ気分が上がったことがありません。やっぱり海は沖縄です。 映画では、ゆったりした時間軸があり、その沖縄らしさにも気づかされました。 沖縄は地域のつながりが強い印象がありますが、いかがですか。ていて、土地の空気感が漂っています。夜にヤモリが鳴くのは沖縄では誰もが知っています。本州の方にヤモリの鳴き声がピンとこないと言われて驚きました。 沖縄はガジュマルのような樹木がたくさん生えていて、海も空も気候も、東京いとカット割りがされるので、細かい表現は映像のほうが伝わります。舞台は誰を見るか、どこを見るかはお客さまに委ねられています。 照屋年之(ガレッジセール・ゴリ)さん監督の映画『かなさんどー』で主人公の美花を演じられています。撮影はいかがでしたか。 タイトルの『かなさんどー』は沖縄の方言で「愛おしい」という意味。死生観と家族の愛と許しを、笑いを交えて描いた、沖縄の伊江島が舞台の物語です。 一つひとつのシーンの前に監督と話をして役を深めて撮影に入りました。対話を大事にする現場で、少数精鋭だったので、俳優もスタッフも一丸となって作ったという達成感がありました。 映画には沖縄独特の鳥や虫の声が入っまつだ・るか1995年生まれ、沖縄県出身。沖縄でスカウトされて芸能界へ。現役女子高生として地元テレビ局でMCを務めて話題に。2013年に上京し、その後『仮面ライダーエグゼイド』をはじめ『賭ケグルイ』『ちむどんどん』『光る君へ』などのドラマに出演。映画では『億男』『かなさんどー』、舞台では『W3 ワンダースリー』『ハネムーン・イン・ベガス』などに出演している。趣味はダンス、旅行、ネットサーフィン、語学の勉強。地元沖縄に帰ったときは、海へ行ったり、沖縄そばを食べたりしてリフレッシュするのが楽しみ。5UR PRESS vol.83
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