の花が植えられた気持ちのいい道でした」と、案内してくれた大熊町出身の松永恭子さん。 盛り土された除染土の上で、全員、線量計を手に放射線量を測る。頭上で1・3あった数値が、地面にかざすと1・15に下がった。除染土の放射線量は、十分に安全基準をクリアしていることを理解した。「いろいろな人の思いがあることを伝えたくて、この仕事をしています」と話す松永さん。「原発事故が起きて、ゼロからスタートしたこの町を、ぜひ応援してください」と締めくくった。 2日目は復興に携わる地域プレイヤーたちの話を聞いた。まず、学生たちが宿泊している「いこいの村なみえ」で、URの浪江町担当者から復興まちづくりの説明があり、続いて大熊町出身で、浜通りで活動する南場優生海さんが、被災後の自身の歩みを語った。 次に登場した舛ます倉くら美津江さんは、震災前まで請戸で鮮魚店を営んでいた。秋になると請戸川に鮭がのぼり、その新鮮な鮭を求めて観光バスがやってきたと思い出を語り、「浪江は変わり果ててしまったが、やっぱり住みやすい。これから新しいまちをつくるので、また昔のように見に来てほしい」と話してくれた。 学生たちからは、震災前の町の様子や、ここだけは変わってほしくない所はあるかといった質問が出た。 浪江駅周辺は建築家・隈 研吾さんらが手がけるグランドデザインが策定され、URによる基盤整備が始まっている。バスで駅前に移動した学生たちは、UR職員の案内で、新しく生まれるまちの姿を想像しながら浪江のまちを歩き、「道の駅なみえ」へ移動した。 午後は大熊町の大川原地区へ。交流施設「link地域プレイヤーの話を聞く「いこいの村なみえ」でURの担当者から事業の説明を聞く。JR浪江駅からまちを歩くと、校門と松の木だけが残った小学校跡地があった。下/大野駅前に今年3月に完成した産業交流施設「CREVAおおくま」。3階のテラスでひと休みする学生たち。上/カーブが美しい「CREVAおおくま」。大熊町の地域プレイヤーの谷田川さん(右)と南場さん。「いこいの村なみえ」で話を伺った桝倉さん(左)と南場さん。震災前の暮らしの話が胸に響いた。左/JR大野駅前に完成した、大熊町大野駅西交流エリアを視察。大熊町浪江町2日目22UR PRESS vol.83
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