水回りの安全性と快適性の向上平成6年頃までのユニットバスには、壁面に手すりを付けることができなかった。そこでJSは、ユニットバスのパネル壁は壊さず、その奥にある壁を利用して手すりを付ける専用器具を開発した。これで約60キロまで耐える手すりを設置することができるようになり、風呂場の安全性が向上。UR賃貸住宅では申請を受けた住戸について設置可否を調査し、設置可能な場合、無償で取り付けている。日本住宅公団の初期の団地には、洗濯機を置くスペースが設けられていなかったため、室内に置いた洗濯機の排水をどうするかは、大問題だった。これを解決するために、JSは洗濯機用サイホン排出管システムを開発。床下に排出管を収め、浴室に排水できるようにした。これによって床上の排水ホースにつまずいたり、水が漏れたりする心配がなくなった。浴室のまたぎの部分に使われている人研石の冷たさと古さを解消するために、JSでは上からかぶせて固定する樹脂製のカバーを開発した。洗面台も進化している。JSが開発したコンパクト洗面化粧台は、幅50センチに10リットルの大容量ボウルと鏡付きのキャビネットを収めた。コンパクトながら機能性にあふれた洗面化粧台だ。ユニットバスに手すりを付ける洗濯機用サイホン排出管システム改良された在来浴室コンパクト洗面化粧台浴室人研ブロック樹脂カバー初期の浴室の床はタイルで、またぎの部分は人じん研とぎ石。これはコンクリートに小粒石や割石などを混ぜ、表面を研磨したもので、冬場は冷たいという欠点があった。また、この当時の洗面台の幅は50センチ。この住戸タイプの場合、建物の構造上、窓があるため、正面に鏡を設置できず、鏡を側面に掛ける家庭もあった。昭和30年代の浴室と洗面台昭和30年代現在床面は浴室塗膜防水HU-B工法によって、水はけがよく滑りにくい防滑性ビニールシートで再生。FF式風呂釜でワイドになった浴槽、壁面には手すりも付いて、ストレスなく入浴が楽しめるようになった。20UR PRESS vol.83
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