UR PRESS VOL.83
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 URの関係法人である日本総合住生活㈱(JS)は、1961(昭和36)年の設立以来、当時の日本住宅公団のサービス部門をはじめとした一部業務を担うと同時に、集合住宅の質の向上のため、さまざまな研究を続けている。埼玉県さいたま市にある「スクエアJS」は、このJSが研究と実験、訓練などを行う施設。建物はA棟からF棟まであり、D棟のJSギャラリーでは、ここでご紹介するような同社の技術の変遷や開発商品などを、デジタルサイネージの映像と現物展示で紹介している。団地が誕生した昭和30年代、浴室には内釜式の木製の浴槽が置かれていた。ガスの排気は煙突から屋外に排出される各戸煙突方式だった。昭和40年代には、BF式風呂釜が登場。これは浴室内の空気を利用せず、戸外へ突き出した吸排気筒から燃焼用の空気を取り入れ、同時に排気ガスを直接排気する方式で、ガス中毒に対する浴室の安全性が画期的に高まった。この頃の浴槽は耐久性の高いホーロー製だったが、徐々に現在一般家庭でも使われているFRP(繊維強化プラスチック)に変わった。団地誕生から今日までの団地設備の変遷やJS(日本総合住生活㈱)が時代のニーズに合わせて開発した設備について紹介します。今回は浴室回りにフォーカス。風呂釜の変化や、安全、快適性を追求した工夫を紹介します。団地クローズアップ浴室を快適に浴槽は木製BF式風呂釜で安全にClose Up年公団誕生2●スクエアJS埼玉県さいたま市桜区田島7-2-3☎048-714-5002https://www.js-net.co.jp/※見学は要予約風呂釜の変遷JSが開発したFF式風呂釜。それまで浴槽の脇に置かれていた給湯付風呂釜を浴槽の手前側(エプロン内)に収めることで、浴槽の幅をそれまでの80センチから100センチに広げた。浴槽の大型化を実現したこのタイプは、現在も使われている。FF式風呂釜で浴槽がワイドにJSの研究開発拠点スクエアJS19UR PRESS vol.83

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