UR PRESS VOL.83
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全30棟、約900世帯が住む堤団地は、博多や天神までバスで簡単にアクセスできる立地。上/宝台団地の集会所では、モニターに映るインストラクターの動きに合わせ、脳を活性化するブレパサイズダンスに取り組んだ。右/体操のあとは、トランプを楽しんだ。トの幅が広がり、参加者にも喜んでいただけています」と話す。「学生が参加するイベントでは、参加者から『学生と話すのは本当に楽しくて元気になる』といった感想をいただきます。普段接する機会の少ない学生と交流できるイベントが、ご高齢の方の外出機会の創出や日々の暮らしの刺激になるのが理想です。それが学生にとってもプラスになる、そんな関係になっていければと思います」 目下の課題は、参加者をどう広げるか。一度でも参加すれば、気に入ってリピーターになる方が多いので、そこから口コミで広がることに期待を寄せている。す」とうなずいた。「一般の方が感じていることを知り、それをどう自分に取り込んでいくのかを考える。この早期臨床体験の目的は、そのきっかけをつくることにあるのです」 同大薬学部とURの縁は、3年前にさかのぼる。宝台団地の近くにある2つの薬局に、団地に住む高齢者、特に一人暮らしの高齢者が抱える問題を未然に防ぐ取り組みができないか、と団地自治会から相談があり、そこからURと福岡大学薬学部、2つの薬局が話し合って生まれたのが「宝台健康アカデミー」だ。 その目的は、団地に住む高齢者との交流の場をつくること。テーマを「健康」に設定し、薬学部の学生もアテンドに加わって、とは、薬のことだけではないので、もっと広く健康について学ぶ必要があると思うようになりました」と教えてくれた。 冨永先生も「薬剤師に大切なのは、患者さんの生活の背景に気づくこと。ですから学生時代に一般の方たちの生活の場に近づく体験は、とても貴重です。こういう体験の場を提供してくださるURさんに感謝しています」という。 UR九州支社でこの取り組みを担当する大野真由美は、「こちらこそ皆さんと一緒に取り組むことで、UR単独で行うよりもイベン健康講話や身体測定などの健康チェック、健康や薬の相談などを定期的に行っている。 この「宝台健康アカデミー」のアシスタントを経験した薬学部5年の島田菜々海さんは、「最初は参加される方との共通の話題が思いつかず、何を話したらいいのかわかりませんでした。でも、食事はどうされていますか? など生活のことを伺えば、それをきっかけにいろいろ話してくれることがわかりました」と振り返る。 同じく5年生の土ど工こう朝あ沙さ妃ひさんも「患者の皆さんが相談したいこお話を伺った皆さん。右から、福岡大学薬学部5年の島田さん、同5年の土工さん、薬剤師であり薬学博士でもある冨永准教授、2年生の本多さん、URの大野。学生には気づきが高齢者には笑顔が16UR PRESS vol.83

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