作り方を説明しながら、おしゃべりの花が咲くテーブル。上/堤団地の集会所で行われた「お月見飾りづくり」が無事終了。参加した団地の皆さんと、福岡大学の学生や教員たちで記念撮影。下/「お月見飾りづくり」では準備や受付も学生が担当。受付すると、すぐに別の学生がテーブルに案内していた。左/三方にお団子を載せて、かわいいお月見飾りのできあがり。 9月11日、福岡市にある2つの団地で、福岡大学薬学部の学生との交流イベントが開かれた。 堤団地集会所では「お月見飾りづくり」に団地に住む11人の女性たちが参加。薬学部2年の学生たちは、参加者を4つのテーブルに誘い、おしゃべりを楽しみながらお月見飾りづくりに取り組んだ。 堤団地に近接する宝台団地で行われたのは、「けんこう体操&おしゃべり会」。こちらには団地に住む男性5人、女性2人が参加し、学生たちとブレパサイズダンスという健康体操を行い、その後はテーブルに分かれておしゃべりをしながらトランプで楽しんだ。 これらは今年度から始まった福岡大学薬学部2年生の必修課程「早期臨床体験Ⅱ」の1コマ。年間5回、堤団地、宝台団地をはじめとする福岡市内のURの4つの団地で行われ、学生たちは必ずどこかの団地での交流会に準備段階から参加する。 団地の参加者には高齢者が多いが、学生たちは上手にコミュニケーションをとっているように見えた。「私は早口なので、大きな声でゆっくり、はっきり話すように心がけました」と話すのは、2年生の本多佑ゆう凪なさん。「参加して感じたのは、相手の話を聞く傾聴力の大切さです。最初は自分も相手も緊張していて、話が盛り上がりませんでしたが、相手の話をしっかり聞いていると、いろいろ話してくれるようになりました。また、受け取った薬の内容がわからず自分で調べたと話す方がいて、薬が数種類あるときは、一つひとつに、これはどういう薬なのかを書き込むべきだな、という気づきがありました」 こう話す学生を前に、担当する福岡大学薬学部の冨永宏治准教授は「まさにそれを求めていたので武田ちよこ=文、菅野健児=撮影福岡市内の4団地では、大学の薬学部と連携して、健康イベントや学生との交流会が定期的に行われている。若い力が高齢者によい刺激を与える一方、学生たちも気づきを得ている。薬剤師の卵たちが高齢者を元気に!堤団地、宝台団地福岡県福岡市薬学部2年生が全員団地にやってくる15UR PRESS vol.83
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