左から春日井製菓の原さん、新城さん、URの須藤、池本。原さんは最近、藤山台団地の住民に。「団地に住んでいるというと、いろんな人が遊びに来てくれて楽しいです」。8月9日に高蔵寺ニュータウンの藤山台団地で開催された「おかしなサマースクール in 愛知」の謎解きゲームの参加者。「団地がこんなに広いとは」と驚いていた。下/謎解きゲームで団地を巡る親子。小学生の姉妹は「団地に来るのは初めてで、楽しい」、お父さんは「謎解きの設問が難しすぎず簡単すぎず絶妙」と。左/高蔵寺ニュータウンには藤山台団地を含め8つの団地がある。この開けた空間は、土管すべり台のある広場。しくて、安心して多くの人々に愛され続けるお菓子作り』です。幅広い世代が4万人も住んでいらっしゃる高蔵寺ニュータウンで、お菓子を世代の『かすがい』にしていただき、ゆるやかに人々がつながっていけたら」と話す。た」という声が多く、その広さや緑の多さに皆さん驚いていた。 このイベントで汗を流しているのは、同スクールの参加企業メンバーだ。昨年は29社だったが、今年は46社に。昨年参加した人たちが声をかけて仲間を増やしたという。主催者が楽しみながら企画・運営するイベントは、参加者にも夢を聞くイベントを予定している。その後は「団地味ラムネ」を活用して人をつなぎ、夢の実現へのフェーズに移行するとのこと。「孤立している方たちが誰かの夢に寄り添えたり、自分の夢に誰かが乗っかってくれるきっかけになれば。仲間になれば防災や防犯にその楽しみが伝わる。「春日井製菓さんは地域に貢献するというしっかりとした考えをお持ちで、あくまで地域の方が主役で自分たちは伴走支援というスタンスも我々と共通しています。そして我々にはない多業種の人とのつながりをお持ちで、それを地域のために活かそうとされている。日頃お付き合いのない企業とつなげていただけてありがたいです」とURの須藤弘ひろ臣おみは語る。 一方、春日井製菓の原さんは、「うちの会社の経営理念は『おい 7月30日には、高蔵寺をよくしたい仕掛け人11名に「この地の今を聞かせて」もらう「高蔵寺ニュータウン沸く湧くサミット」をURと春日井製菓で開催した。当日は定員を超える100人が来場。原さんに押し切られて登壇者の一人となったURの池本誠一は、「とにかく巻き込み力が強いんです」と笑う。打ち合わせなし、台本なし、スライドなしで、原さんが聞き手となって登壇者の話をぐんぐん引き出し、会場は大いに盛り上がった。 サミットの前後に実施した「高蔵寺へのイメージ」のアンケート結果について、春日井製菓おかしな実験室の新城明久さんは「サミット後、『わくわくする』と答えた人が5・17倍に。そして『不安』と答えた人がゼロになったんです」とうれしそうだ。自分の住むまちへの安心と希望がふくらんだ人が増えたのだ。 ラムネで過去(思い出)を聞き、サミットで現在を聞き、次は12月に、未来に向けた話、仲間と描くも絶大な力を発揮しますからね」 そう話す原さんが続けて口にした「地域で仲間づくりをするには、まずは自分たちが仲間にならないと」という言葉も印象に残った。「池本さんや須藤さんのような熱い気持ちの人たちがURにはいるんです。ときには衝突しながらも、互いの苦しみ、理想にはだかる困難を理解し合うことで、より愛おしくなり、仲間になります」 両者が地域の人たちを大切にしながら仲間づくりに取り組んでいることは、「思い出」の募集の際にWEBでだけでなく、対面で直接聞く機会を設けたり、サミットのチラシに「心を込めて開催しますので」というひと言が添えられていることからも感じられる。人の思いが、人の心を動かすのだ。高蔵寺ニュータウンの未来に夢を抱く人が着実に増えている。仲間をつくるにはまずは自分たちが仲間に10UR PRESS vol.83
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