UR PRESS VOL.82
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あることもあります。顔から火が出るような気持ちになりますが、そんなお隣さんに助けてもらいながら生きています。 ご自身で開設されたYouTubeチャンネル『まぁるい生活』に、旦那さまのご実家で走り回っている姿がありました。 夫の実家が寺なので、大晦日に除夜の鐘を突きにくる方に、豚汁を250杯ぐらい用意します。給食室みたいな作業場で、檀家さんたちと一緒に作って配ります。YouTubeでは、その様子や興味のあることを投稿しています。 動画を自分で作ってみて、カット割りや編集がどれだけ大変か、とても勉強に可愛がってくださるおばさんの家に行って、お昼ごはんを食べて、リュックにりんごを詰めてもらって帰ってきたりしていました。その頃にお付き合いのあった方々とは、今でもやりとりが続いてなりました。作るのは大変ですが、全責任が自分に返ってくるところがよくて、新鮮に感じています。企画、監督、キャスト、車両部も私が担当しています(笑)。 今後やりたいことは何ですか。 次の仕事です。どこまでも手強い「芝居」に向き合っていきたいです。 そして、動物の保護と譲渡の支援、フードバンク、ドナルド・マクドナルド・ハウス(子どもの治療に付き添う家族のための滞在施設)などの活動を応援していて、その活動も続けていきたいと思っています。 最後に、ご自身はどのような子どもでしたか。またどんな性格だと思いますか。 3人きょうだいの末っ子で、父親の会社の社宅育ち。お友達や近隣の大人たちと一緒に過ごしてきました。そのためか、人見知りもしないし、人懐っこいです。います。 このような社宅や団地の近所付き合い、コミュニティーは、子どもも高齢者も安心ですし、必要だと思います。子どもはおせっかいな人や個性的なお友達、気が合わない人など、いろいろな人と関わることで社会を知ることができますから。人付き合いが苦手な方もいらっしゃるので、形はそれぞれでも、お互いやさしい気持ちで思いやりながら助け合い、日々過ごしていけたらいいと思っています。誰もがかつて子どもでしたし、歳を重ねるのですからね。 私は父の転勤の関係で小学校6年間で3回引っ越しています。人に揉まれることにも、環境が変わることにもタフで、苦ではありませんでした。目立ちたがり屋で、次はどうやって目立とうかなと、そんなことばかり考えていました(笑)。しています(笑)。 子育て中、誰かに助けてもらったり、相談したりしましたか。 母を3年、家に帰せなかったですね。シッターさんにもお世話になりました。たくさんの人のお力を借りたので、我が家は全方向に足を向けて寝られません。 今でもご近所さんやママ友に助けていただきながら生きています。お隣さんとはお互いの家の鍵を持っていて、雨が降れば、「洗濯物をしまっておいてください。ごめんなさい」とメールします。帰るとテーブルの上に夜ごはんが置いてあることも。「お皿は絶対に洗わないでくださいね」とお伝えするのですが、シンクに置いたままにしていたお皿が洗ってIshida HikariSpecial Interview6月20日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー© 2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners配給:ハピネットファントム・スタジオ『ルノワール』映画舞台は1980年代。闘病中で入退院を繰り返す父の圭司(リリー・フランキー)と、家事と仕事に追われる母の詩子(石田ひかり)と暮らす11歳のフキ(鈴木唯)のひと夏の物語。不完全な大人の世界を覗きながら、人々の心の痛みに触れていくフキの姿を、繊細な筆致で描く。今年のカンヌ国際映画祭に出品され脚光を浴びた話題作。脚本・監督:早川千絵出演:鈴木唯、石田ひかり、中島歩、河合優実、坂東龍汰、リリー・フランキー6UR PRESS vol.82

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