催。ベトナム人ファミリーや日本の親子が参加して、子ども同士が一緒に遊んだりと、ゆるやかなつながりが生まれ始めていた。 担当するURの駒形直也はこう話す。 「良好な居住環境を維持するためには、お互いを知り、理解し合うことが必要だと考えています。このようなイベントを通じて外国の方と顔を合わせ、他国の文化を知ることにより、親しみがわき、災害やトラブルが発生したときにも声を掛け合えるようになる。今日のようなイベントを積み重ねることで、双方の垣根が少しずつ取り払われて、国籍や年齢を問わずさまざまな方が交流する団地になっていくと思います」 地元の警察と行政との合同イベントというUR初の試みは、お互いの強みを生かしながら、多文化共生社会に向けて確実な一歩を踏み出した。状況が根幹にあると思うんです。今回のイベントが、理解を深めるきっかけになり、これを足掛かりにして日常のなかに交流の機会が増えることを期待しています」と言う。 会場となった「ふくふく広場」は、かつて保育園があった場所で、団地自治会の要望を踏まえて交流拠点として整備した。URでは今年の3月に広場が完成してから、月1回のペースで交流イベント「持ち寄りピクニックDAY」などを開互いのことを知ることが大切です。そのために何かできないか、と考えていたときに、このイベントのお話をいただき、すぐに参加を決めました」と説明する。 千葉市が行ったアンケートでは、ここ数年で「外国人と日本人の理解が進んでいない」と回答する人の割合が増加しているそうで、寺井さんは、「それは相手を知らない、言葉がわからない、日本のルールを知らないといった、すれ違いの イベント会場で交通安全教室や防災の展示などを行ったのは、日本の方へのアピールももちろんだが、外国の方に日本の交通ルールや、防災知識を少しでも知ってほしいから。本田さんは、「何か困ったことがあったら、警察を頼ってほしい。日本の警察を信頼してほしい。そのことを皆さんに伝えたかったのです」といい、「いま日本は、外国の方をよき隣人として迎え入れるための過渡期だと思います。URの団地には外国の方も多く住まわれていて、まさに現代日本の縮図。そこで今回のような多文化共生イベントを開催したことは、とても意義があると思います」と話してくれた。 共催した千葉市でこのイベントを担当したのは、国際交流課の寺井 隆さん。「外国人とのトラブルが生じる前に、お左/「行政だけでこういうイベントを開くのは難しいので、今回の協力関係は貴重です」と話す千葉市の寺井さん。上/ふだんは犯罪捜査に当たるおふたり。千葉西署の石山さん(左)と、千葉県警の本田さん。上/ベトナム料理などのキッチンカーは、お昼どきには行列が。キッチンカーは千葉市が手配した。右/白バイに乗って記念写真!上/広場に隣接する公民館では、スウェーデン出身の落語家、三遊亭好青年の高座も。この会場では、ベトナムの元タレントの講演や、生活マナーの動画上映なども行われた。左/警察犬も出動。下/警察車両と綱引きだ!右/「URは全体調整と広報関係などを担当しました」とURの駒形。お互いを知るための大切な一歩22UR PRESS vol.82
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