Disaster prevention命と暮らしを守る近年の価格高騰には悩まされますが、それでも日本はお米の国です。だからこそ、備蓄食にも「ごはんもの」がバリエーション豊富にそろっています。今回は備蓄ごはんの種類と選び方を解説します。いろいろある!「備蓄ごはん」の選び方防災基本の16vol.文・(ソナエルワークス代表)高荷智也加熱・調理不要で、そのまま食べられる便利な備蓄食です。レトルトのおかゆやリゾット、丼飯の缶詰、ベビーフードや介護食などがあります。災害時に備えた備蓄品として準備すると同時に、平時の食事にも利用できます。そのままでも食べられますが、温めるとよりおいしくなります。自宅で過ごす在宅避難のときはカセットコンロを使って湯煎、避難先では食品加熱剤などを使って加熱してください。▶乳幼児向け・介護食・看病など、使用する目的が決まっている場合におすすめ。水やお湯で戻して食べるごはんです。防災備蓄食の代表格で、白いごはん、調理ごはん、携帯おにぎりやレトルトおかずとのセットなど、バリエーションも豊富です。パッ備蓄ごはんは大きく分けると、そのまま食べられる「調理済みごはん」と、加水や加熱が必要な「パックごはん」「アルファ化米ごはん」「フリーズドライごはん」の4種類に分けられます。それぞれの特徴は次の通りです。●調理済みごはん●パックごはん●フリーズドライごはん●アルファ化米ごはん備蓄ごはんは大きく4種類●防災情報サイト「備える.jp」 https://sonaeru.jp備え・防災アドバイザー。地震対策からパンデミックへの備えまで、各種防災情報を講演会やメディアを通じて解説するアドバイザー。防災系YouTuberとしても活躍中。最新刊は『食料備蓄はじめてBOOK備蓄ノウハウ55』(徳間書店)。たかにともや 災害時に温かい「ごはん」を食べることは、栄養面でも気持ちの面でも大切です。ぜひ自分好みのごはんを見つけて、備蓄ラインアップに加えてください。そのまま食べられるか?ごはんの食味調理時間賞味期限フリーズドライごはんお菓子のように食べられる食味は一歩劣る水・お湯を入れて数分で食べられるアルファ化米ごはん食べられるが、ものすごく硬いパックごはんに劣るが、かなり炊きたてに近いお湯で15分・水で60分が基本湯煎や電子レンジ調理で数分湯煎や電子レンジ調理で数分パックごはん加熱しないと食べられないほぼ炊きたての食味※長期備蓄対応のものもある※長期備蓄対応のものもある※25年備蓄できるものもある調理済みごはん温めるとさらにおいしくおかゆやリゾット風のものが多い半年~1年程度半年~1年程度5~7年程度5~8年程度電子レンジや湯煎で温めて食べるごはんです。備蓄ごはんの中で、最も「炊きたてごはん」に近い食味があり、おいしいことが特徴ですが、加熱が必須で、そのままでは「食べられない」ことに注意してください。テレビCMなどでもおなじみの「レンチンごはん」や、発熱剤とおかずがセットになっている「レスキューフーズ」、各種の調理ごはんなどが発売されています。加熱道具が必須なので、カセットコンロなどが使える在宅避難に向いています。▶毎日食べる白いごはんの代わりとして使える。日常備蓄で準備する場合におすすめ。水分を極限まで取り除き、軽量かつ長期保存できるようにしたごはんです。ラインアップも豊富で、手軽に食べられるカップごはんから、25年備蓄できる「サバイバルフーズ」まで、平時にも備蓄用にも活用できます。クごはんに次いで食感や食味が良く、便利に活用できます。アルファ化米は物理的にはそのままでも食べられますが、とても硬いためおすすめしません。多くの製品は水なら60分、お湯なら15分程度、戻してから食べます。味や食味が良く、比較的安価で賞味期限も長いため、備蓄食としても大変優れています。▶在宅避難や車中泊などに向けた備蓄食に。災害時に「ごはん」を食べたい場合におすすめ。アルファ化米と似ていますが、水またはお湯で戻す時間が数分と短く、すぐに食べられることが特徴です。その反面、食感は柔らかめで、白飯よりもリゾットや雑炊風にして食べるとおいしくなります。価格がやや高いため、長期備蓄に向いています。▶高価だが軽量なので、アウトドア目的や、防災リュックに入れておくのにおすすめ。28UR PRESS vol.81
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