URの思いに応えてくれたのが、セレッソ大阪だ。プロサッカーチームとして地域密着で活動を展開し、高い知名度と多くのファンを持つセレッソ大阪は、Jリーグのなかでも率先してSDGs部門を立ち上げ、地域貢献活動を行ってきたチーム。「サッカーを核とする事業を展開し、夢・希望・感動にあふれたスポーツ文化の振興と地域社会の発展に貢献する」をチームのミッションとして掲げている。 チームには「地域活動やイベントに参加するのは当たり前」という土壌があるそうだが、URからのアプローチをどう受け止めたのだろうか。セレッソ大阪のDanchisaizensen▶MINAMI OSAKA宮島武志副社長にうかがった。「お話をいただいたとき、もしかしたら地域社会のど真ん中とうまくつながれるのではないかと思いました。スタジアムにいますと、来られる方にしか接することができませんが、団地という住環境に飛び込めたら、幼い方からお年を召した方まで、あらゆる年代の方に接する機会が生まれます。幼い子にはサッカーを、セレッソ大阪を知っていただく。そしてお年を召した方には、新しい楽しみとして、サッカーを観ていただく。URさんとなら団地でそれができるのではないかと思いました」 その実現に向けて、セレッソ大阪のメンバーによる、子どもたちを対象にした団地でのサッカー教室や、高齢者に向けた健康教室の開催、セレッソ大阪の試合への団地住民の招待などがすでに予定されている。金剛団地をはじめ、サッカー教室を開催できる広い空間を有する団地が地域にあるのはURの強みだ。「やっていくなかで、リクエストやアイデアが出てくると思うので、URさんと一緒に組み立てながら継続的な取り組みにしていけたらと思っています。URの団地に住んでよかった、大阪のまちに住んでよかったと思っていただけるような活動を積極的にしていきたい。お住まいの方には、ぜひ誘い合ってご参加いただけたらと思います。新しい世界が広がると思いますので」 宮島副社長はそう語る。一方、URの藤澤は「団地で育った子が、サッカー教室に参加したり、試合を観に行ったりしたことがきっかけでサッカー選手を目指し、セレッソ大阪に入団して活躍する」そんな夢を抱くようになったと話す。 団地とスポーツを通じて共に地域を盛り上げ、多様な世代が生き生きと暮らし続けるまちづくりに貢献する。今後、各地に広がっていくかもしれない、そんな期待がふくらむ取り組みが、今年、大阪で始まった。団地に、大阪に住んでよかったと……上・右/セレッソとは、スペイン語で「桜」。大阪市の市花でもある「桜」の色に身を包んだ選手とサポーターが一丸となって試合に挑む。 ©セレッソ大阪「関係者の理解と協力のもとに実現した締結です」と話すURの遠藤。大のサッカーファン。今回の取り組みの扉を開いたURの藤澤。「セレッソ大阪さんの懐の大きさを感じています」セレッソ大阪の宮島副社長。「地域のために、互いにメリットとなる活動を長く続けていきたいですね」ヨドコウ桜スタジアムの周辺には、URの団地がいくつもある。写真はサンヴァリエ東長居。20UR PRESS vol.81
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