Rの新しん留とめ正博はこう話す。「阪神・淡路大震災は、防災まちづくりという考え方を推進するきっかけとなった災害です。今後、起きるであろう大地震で、密集市街地で同じような被害を引き起こさないよう防災意識を高め、安全安心なまちづくりを進めていく。防災を自分ごととして考えてほしいという思いで展示を企画しました」 URが手がける都内の話を聞いた。仕事を少しずつ再開しているが、「こういう所に呼んでもらうと、いろいろな人とおしゃべりできるし、気分転換になります」と話してくれた。 隣のブースでは、URスタッフ有志が、「NOTO, NOT ALONE研究所(輪島市)」「のと鉄道(穴水町)」、「REVIVAL NOTO(能登町)」「奥能登国際芸術祭(珠洲市)」「のとのファクトリー(能登町)」の能登復興応援グッズの販売も行った。どこのブースも10時の開店と同時に予想以上にお客さんが来てくれて、多くの商品は売り切れになるほどだった。「能登半島地震発生から1年以上がたち、少しずつ皆さんの記憶が薄れていくことを心配しています。今日のマルシェや展示を通して、現地で頑張っている人たちの活動を伝え、継続的な支援につなげたい」と担当するURの下村 実は言う。 URの新田はこう締めくくった。「震災展やマルシェの開催を通して、震災の記憶をけっして風化させないこと。そのためにもURではこういった取り組みを継続していくつもりです」木造密集地域解消の取り組みの展示は、見学者の注目を集めていた。 昨年1月に発生した令和6年能登半島地震の展示も行った。ミュージアム前の広場では、2月1日に能登半島復興応援マルシェを開催。「出張輪島朝市」の出店と、能登復興を応援するグッズの販売を行った。 輪島からやってきた朝市のメンバーからは、地震だけでなく、9月の豪雨でも大きな痛手を被った東日本大震災のコーナーでは、福島で実際に使用された防護服、2時46分で止まった時計なども展示され、見学者の注目を集めていた。企画展では、東日本大震災、阪神・淡路大震災、令和6年能登半島地震に関する展示を集約、URの復興支援も紹介した。左/UR bandも演奏を披露、息の合ったハーモニーを聞かせてくれた。上/輪島朝市から3つの店がマルシェに参加。輪島塗の箸や器、海産物が広場に並び、たくさんのお客さんでにぎわった。復興マルシェで能登を応援18UR PRESS vol.81
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