UR PRESS VOL.81
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待でいっぱいです」 こう話すのは、浪江町市街地整備課の髙倉沙織さん。「隈先生の作品は人を呼ぶ力があるので、完成すると国内外からたくさんの人が視察に来られると思います。その方々に浪江の魅力を知ってもらい、魅力を発信してもらって、まちににぎわいを呼び戻したい。ここをにぎわいの発信源にしたいんです」と髙倉さんは期待を込める。 浪江町は雑誌『田舎暮らしの本』の「住みたい田舎ベストランキング」で、昨年から2年連続で1位に輝いている。移住者への手厚い補助制度が整っており、子育て世代の移住者も増えている。これから生まれる新しいまちは、未来志向のデザインに、再生可能エネルギーを活用し、環境にも配慮した最先端のまち。あらゆる世代に住みやすいまちになるだろう。「住民からも期待する声は多く、浪江町が発行する『浪江駅周辺整備事業まちづくりニュース』が情報ソースになっています」と話す 昨年10月21日に起工式を行い、いよいよ浪江駅周辺整備事業が動き出した浪江町。世界的な建築家である隈 研吾氏、アートプロデューサー伊東順二氏らが手がけた新しいまちのグランドデザインを象徴するのが「なみえルーフ」だ。 これはJR浪江駅から商業施設まで、ひと続きにつながるアップダウンのあるダイナミックな大屋根で、波のような曲線がまちのにぎわいを表している。駅前にはなみえルーフに囲まれた芝生広場が広がり、公営住宅や民間住宅のエリア、人々が集う緑空間へと続く浪江の新しいまちの顔が誕生する。 最も大切にしているのは人と人のつながり。昔からの町民も、移住してきた人も、みんなが大屋根「なみえルーフ」に集まり、さまざまなつながりをつくっていく。 「震災前の浪江町は、近隣の市町村からも客が来るほど飲食店が多い、にぎやかなまちでした。当時のにぎわいは戻らないかもしれませんが、新しいまちは、これまで以上によいまちになる。そんな期武田ちよこ=文、菅野健児=撮影浪江町は避難指示区域が一部解除となり、世界的建築家が立案した「浪江駅周辺グランドデザイン基本計画」の実現に向けて動き出していた。浪江駅周辺整備事業がスタート「なみえルーフ」が新しいまちのシンボルに浪江浪江町町福島県NAMIEMACHI波打つような大屋根「なみえルーフ」が駅から交流施設や商業施設まで続く。誰もが立ち寄りたくなる新しい駅前が誕生する(完成イメージ)。人と人がつながるなみえルーフソフト、ハードの両面から町を支援13UR PRESS vol.81

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