UR PRESS VOL.81
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を中心にハード支援を行っています」と担当するURの長井優佑。 ソフト支援の目的は、関係人口や交流人口の拡大とにぎわい創出。そのために避難指示解除後の22年9月から、まちづくり会社など地域と連携して「ちいさな一歩プロジェクト」を始めた。「イベントやワークショップの準備段階から当日の運営まで担っています」とURの河田成夢が説明する。「ちいさな一歩プロジェクト」は定期的に交流イベントを開催し、居住人口より多い200~300人が集まるまでに成長。このイベントを楽しみにしている人も多いという。 今年の2月には、このプロジェクトの10歩目(10回目)として、旧ブティックを活用した活動拠点「FUTAHOME」のオープンを祝うイベントを行った。「交流人口や関係人口を増やし、双葉町に移住する人、帰ってくる人たちを増やすためにも、URさんたちが行っているこのプロジェクトはとてもいい取り組みです」と話すのは、双葉町復興推進課の守谷信雄さん。「イベントには町内外から多彩な発想をもった人が集まっており、ここに行けば確実に知り合いの輪双葉支店。ここは基本計画を詰めている段階だが、起業支援拠点やスモールオフィスなどに利用する予定だという。 URはハードとソフトの両面から支援を続けている。 駅の西側住宅や、中野地区の産業交流センター、駅の東側の庁舎などの建物を建てるための基盤整備、その他、双葉町駅前エリアで基本計画、設計の発注者支援などをハード面の支援として実施している。「現在は、コミュニティーセンターの設計と管理運営業務の発注者支援をはじめ、既存ストック活用が広がります」。 「最初は何をすれば人に来ていただけるのかわからず、試行錯誤しながら一歩ずつ進んできました。これを単なる飲食イベントに終わらせず、双葉町のまちづくりにつながるよう、人の輪、地域のつながりを引き続きつくっていきたいと思っています」とURの河田も言う。 ハードとソフトの両輪をフル回転させながら、双葉町の復興は一歩ずつ確実に進んでいる。旧ブティックは地域活動拠点(1階はカフェ・チャレンジスペース、2階はコワーキングスペース)、車庫だったスペースは焙煎所兼コーヒースタンドになった。建物の壁画は、2020年から始まったアートでまちを元気にする活動で描かれたもの。双葉町の復興に汗を流すメンバーたち。左から、双葉町の守谷さん、森山さん、URの長井、河田。町民に利用されていたコミュニティーセンターのホールに集合した。一歩ずつ歩む復興への道のり2月20日に行われた「FUTAHOME」のオープニングを祝う「ちいさな一歩プロジェクト」の10歩目イベント。関係者をはじめ地元の人たちも集まって、新しい活動拠点の誕生を祝った。旧東邦銀行双葉支店の建物も残され、活用される予定。壁面には、双葉町のだるまが描かれている。12UR PRESS vol.81

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