UR PRESS VOL.80
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験でした。さまざまな活動を通して、津山のまちの魅力に気づきました」と話してくれた。っぱ「城下スクエア」だが、その跡地利用に関しては、これまで数回社会実験を行ってきた。「行政ではまずハードを作り、そこから活動を起こすことが多いのですが、津山市は先に社会実験を重ねて、市民の思いを積み上げた結果が、原っぱになりました。この積み上げ方は新しいと思います。このような市の思いを支えていきたい」と話すのはURの土屋禎□□だ。山市とまちづくり連携協定を締結。つやま城下ハイスクールの世話役は「高校卒業と同時に津山を出て、そのまま戻らない〝18歳の崖〟にブリッジを架けたいという思いから、活動を始めて5年。1期生は大学生となり、就職した子もいますが、たとえば今日の写真展に卒業した大学生が手伝いに来てくれるように、脈々とつながっている実感があります。確実に18歳の崖にブリッジが架かり始めています」と手ごたえを感じていた。津山商業高等学校の片岡和昌先生も「他校の生徒と一緒に活動する生徒たちの成長を感じます」と活動を応援する。新見市の大学に通うOGの河本はるのさんは、「他校の生徒だけでなく、たくさんの地元の大人と関わることができたのも、いい経くり〉の場にしたいという思いがありました。隣に森本慶三記念館、背後に津山城跡が控えるこの地には、教育、つまり人づくりの歴史があります。この歴史をつないでいくのが、行政の仕事。城下スクエアは、市民が自由に活動する場です。これからも社会実験を続け、必要だと思う物が出てきたら、あとから付け加えればいいんです」城下スクエアに隣接する森本慶三記念館の館長、森本信一さんは、「これまではあまり市民との交流がなかったのですが、今後は城下スクエアと連携して、中心市街地の活性化に寄与できればうれしい」と話し、建物の一部でカフェを開くアイデアもあると教えてくれた。実際に城下スクエアでは、高校生たちが遊ぶ姿がよく見られるようになった。若者が集まる→店ができる→人が来る。これを繰り返していけば、中心市街地が変わっていくのでは、という期待がある。津山市ではいま城下スクエアを核にして、市と森本慶三記念館、UR、それに高校生たちがゆるやかに連携して、新たな魅力創出の準備を整えつつある。中心市街地に誕生した芝生の原URは2020(令和2)年に津城下地区のまちづくりビジョンの策定や、社会実験をサポートしてきた。 「広い視野を持つURさんの知見に助けられている」と話す津山市産業経済部次長の小□須□田□純さんは、「ここを〈人づ□         社会実験を続けて〈人づくり〉の場をつくる城下スクエアに集まった皆さん。左から、森本慶三記念館館長の森本さん、つやま城下ハイスクール世話役の和田さん、つやま城下ハイスクールのメンバーやOGたち。段ボールの右が津山市の小須田さん、隣が津山商業高校の片岡先生、右端がURの土屋。上/「森の芸術祭」の関連イベントとして行われた「つやま城下ハイスクール」写真展は、段ボールに貼り付けるなどして、森本慶三記念館に約100点を展示。下/写真家の村松 桂さんと高校生のトークセッションも行われた。UR PRESS vol.80

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