UR PRESS VOL.80
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る企業ビルが並ぶ。歴史も課題も異なるエリアが集まっているのだ。津市都市計画部で大門・丸之内まちづくりを担当する副参事の酒井亮さんによれば、戦後にぎわっていたこの辺りが変わり始めたのは、郊外に大ーの姿があった。津市の実家に帰省中で親子3代で訪れたという女性は「まちなかの人気店が集まっているので、ここで一度に購入できてありがたい」と話していた。「大門・丸之内地区のまちづくり」の大きな特徴は、特性の異なる地域が集まり、関係者が多岐にわたることだ。対象エリアは、三重県を南北につなぐ国道23号と、通称フェニックス通りの交差点(三重会館前)を中心とした半径約500メートルに及ぶ約58 ha。交差点の東側には津観音や飲み屋街、伊勢神宮への参宮街道として発展してきた商店街がある。一方、西側には津城跡やお城前公園、市役所があり、百五銀行など地元を代表す規模商業施設ができてから。特に平成に入ってからが顕著だという。「徐々に中心市街地の衰退が始まりました。国道の西側は平成20年   代にオフィスビルが次々建て替えられて集約・再編が進んだ一方で、東側の津観音に向かう大門大通り商店街沿道は空き家、空き店舗が目立つようになりました」そこで、地域の再生に向けた取り組みが2021(令和3)年から三重県の県庁所在地である津市。古くは城下町、伊勢神宮への参宮街道として発展してきた歴史あるまちの中心地、大門・丸之内地区で新たな動きが進んでいる。津市の中心市街地で進められている「大門・丸之内地区のまちづくり」。その取り組みの一環として、津城跡のお膝元で「ふらっと大門・丸之内@お城前公園」という公園空間活用実験が行われていると聞いて、昨年11月の平日にお城前公園を訪れた。キッチンカーや出店ブースが並び、芝生広場でのんびり飲食を楽しむ人々や、ランチを買い求める近隣のオフィスワーカお城前公園が寛ぎの飲食スペースに異なる特性をもつエリアが集結中心市街地のまちづくり三重県津市2024年10月16日〜11月15日に開催された「ふらっと大門・丸之内@お城前公園」。「この実験でいろいろな人にお店の存在を知ってもらえてうれしい」と話していた出店者。お城前公園には親子でくつろぐ人たちも。市街地でのシェアサイクルの実証実験も開催中だった。老舗からチャレンジショップまでさまざまな店が出店。お目当てのお店を目指してやってくるお客さんも。妹尾和子=文、菅野健児=撮影UR PRESS vol.80TTSSUU20年先を見据えた

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