スペースだ。1階は小商いのチャレンジを応援する貸店舗スペース、2階は会員制(25歳以下は無料)のフリースペースという形態は変わらないが、人のつながりや活動が広がっている。平日は学校帰りに勉強する学生の姿もあり、週末はマルシェやオペラコンサート、勉強会などジャンルも規模もさまざまなイベントが開かれている。また、学生会員が始めたDIY部で蔵を掃除したりコモンズの壁に断熱材を詰めるなど、建物の課題を自ら解決してきた。キャンドル部やプレゼン部なども誕生し、部活動も盛んだ。コモンズの1階では昨年5月から「銀座コーヒー」が営業中。こだわりのオーガニックメニューを提供するこのカフェを営むのは、熊本から移住した20代のカップルだ。店主の今村暖□さんは、祖父のこんにゃくの仕事を引き継ぐために、23年秋に鹿沼に来て、しばらくはほぼ孤立状態だったという。「こんにゃくの仕事が一段落して、まちに出てみたのですが、誰も歩いてなくて。しばらくして、コモンズに貸店舗スペースがあることを知って、すぐにカフェをやると□□□ commonsったものの、シャッターが下りた店舗が増えて久しい銀座通りに、最近、変化が現れているという。「これまで見かけなかった若い人や、自分の世界をもった感じの人の姿を見かけるようになりました」の山本和弘さんだ。吸引力となっているのは、銀座通り沿いに2022(令和4)年にオープンした、まちづくりの拠点「kanuma歴史あるビルの一角をURが借りて、地元で事業を営む人たちが鹿沼をよりよくするために集まって組成した「鹿沼銀座エリアリノベーション共同体」と共に運営するかつては大□店□が並び、華やかだそう話すのは鹿沼市都市計画課」(以下、コモンズ)。都内から特急列車で約80分。自然豊かで歴史文化が息づく鹿沼市の中心市街地、銀座通り周辺で、公民連携によるリノベーションまちづくりが進み、新たな展開をみせている。ここから人がつながり活動が広がるリノベーションまちづくりを目指す銀座通りに新たな風が吹く栃木県鹿沼市上/kanuma commons 2階のkanuma Baseは、会員制フリースペース。キッチンもあり、イベントが行われることも。左/板屋ビルヂングの1階は、飲食や展示などに利用できるスペースを建物のオーナーが提供。地域のコミュニティーを育む場にもなっている。銀座通り沿いの板屋ビルヂングの中にあるkanuma commons。以前に1階で営業していた2店舗は、独立して今はまちなかで営業している。妹尾和子=文、菅野健児=撮影UR PRESS vol.80KKAANNUUMMAA
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