本〟が出てきてるんで、やっと、人としてちょっと厚みが出そうです。幼い頃から細かかったのですか。どのような子どもでしたか。小学生の頃はランドセルに教科書、全部入れて、重たいけど忘れものが絶対ないようにしたい完璧主義でした。それがあるとき塾で解答用紙に答えをゆっくりきれいな字で書いていたら、時間がきてしまった。ここはきれいさを求めていないと認識すると、今度は一気に速さと正しい答えを求めて書きなぐる、極端な小学4年生でした(笑)。家では父親が厳格やったんで怖かったし、学校でもピリついてるのが嫌でした。回避できるならばしたいと思って、常に空気を読んでいました。しかも正義感が強いから、めんどくさい子でしたね(笑)。しいなところが、やっと消えてきた感じがします。それまでは正義感や承認欲求やしがらみがしんどかった。やっと楽になってきました。たか。コロナ禍が開けて、全国ツアーを始めました。チケットは完売、ありがたいことです。すると、もっとテレビに出て、もっと仕事して、人気者になって、と野心が出てきた。でも実態を伴っていない野心の気がしてきて、「足るを知る」だろうと。お客さんに来年も来ていただくためには、まず今日の目の前のお客さんに楽しんでもらうことだと思っています。話は変わりますが、団地の思い出はありますか。兵庫県尼崎市に住んでいましたが、阪神・淡路大震災の影響があったので、伊丹市に引っ越しました。子どもの頃は友達が団地に住んでいたので遊びに行ってました。おばちゃんやおじいちゃんがお菓子くれたり、可愛がってくれたりして。団地には公園があるのも羨ましかった。敷地が広いから隠れんぼが楽しかったですね。近所にものを借りに行ったりしているのも、団地の人たちのチーム感があって、いいなと思ってました。団地の友達はみんな一緒に通学して楽しそうだし、「◯号棟」とか言うのもかっこよかった。今、90歳をすぎた祖母は団地で元気に一人暮らしをしています。周りの人たちが声をかけてくれて、人に囲まれていて、団地はいいなと思っています。6UR PRESS vol.79はしもと・なお1980年生まれ、兵庫県出身。関西学院大学経済学部を卒業後、2005年に鰻和弘とお笑いコンビ「銀シャリ」を結成し、2016年に「M-1グランプリ」で優勝。現在はテレビやラジオ、劇場を中心に活躍し、幅広い世代から人気を得ている。10月に初めての著書『細かいところが気になりすぎて』を出した。「UR PRESS」オンライン版で、パソコンやスマートフォンから橋本 直さんのインタビュー動画がご覧いただけます。(2025年1月末まで)stylist 石黒祥江/HAFEN JKT、HAFEN PANTS シテラ ■☎03■5493■5651/dw polyester shirt 原宿シカゴ■☎03■6427■550547都道府県の全国ツアーはいかがでしSpecial InterviewWEB UR PRESS40歳を過ぎたぐらいから、いいカッコNao Hashimoto
元のページ ../index.html#7