次■雄徒は、「既存の建物がある状虎の門病院の新病院棟は19年5月に完成。現在は旧病院棟跡地に、アタワー)を建設中だ。竣工は来年2月の予定。URでこの事業を担当する井ノ上真太郎は、「病院と隣接した場所での工事は、救急車や来訪者など人の出入りも多いため、休診日に限定して行うなど、入院患者への騒音対策も必要です。病院の施設管理者とも調整・連携しながら工事を進めています」と説明する。また、敷地内にはかなり高低差があり、安全で快適な歩行者空間が少ないといった課題もある。「近隣の3つの駅に向けて歩行者デッキを整備し、周辺歩道を拡げるなど、歩行者ネットワークを改善し、緑道も整備します。また、共同通信会館を解体した跡地の一部を供出して、複雑な五差路になっているアメリカ大使館の交差点を改良し、あわせて周辺街区との結節点となる広場を整備します」工事と設計を担当するURの目■態で、新しい建物を建て、しかもその2棟が、車路のある1階部分と歩行者デッキのある2階部分でつながります。そのため建築基準法や消防法などの各種法規をはじめ、クリアしなければならない課題が非常に多く、着工してからもその解決に工夫が必要でした」と説明する。セアタワーは、国際競争力の強化を打ち出している。この事業を担当する日鉄興和不動産の事業開発本部・佐藤博之さんは、ビルの低層部分に国際ビジネスサービスセンターの機能を集約させると説明する。「起業のためのシェアオフィスや、来年2月に竣工する虎ノ門アルフィットネス施設、会議室などをはじめ、自転車通勤する方のための予約制の駐輪場やシャワーなども準備する予定です」同社商業事業推進部の平出江里さんは、「このビルでは1階の緑道に面したテラス席と一体となった、食事ができるゾーンをつくる計画です。またオフィスで働く人だけでなく、病院で働く方々や来訪される方々を食の面で支えたいと考えています」と教えてくれた。事業の完了は2030年の予定。そのときここは、都内最高レベルの災害時治療・収容拠点としての機能も有する場所となる。URの井ノ上は、「新橋から虎ノ門に残る江戸から続く文化も受け継ぎつつ、ここに新しい風を吹かせていきたい。古いものと新しいものが融合したまちは、海外の方も働きたくなる、国際競争力の高い、魅力あふれるまちになるはずです」と期待を込めた。国際競争力のある魅力あふれるまちへ■12UR PRESS vol.79右/虎ノ門二丁目地区再開発事業の完成予想図。手前が虎の門病院、奥が38階建ての業務棟(虎ノ門アルセアタワー)。下/共同通信会館の跡地に造る大使館前広場(完成予想図)。民間事業者として参画する日鉄興和不動産の佐藤さんは、「URさんとともに、エリアの魅力を総合的に上げていきたい」と意気込む。「地権者さんの思いを大切にしながら、日鉄興和さんのノウハウも注ぎ込んでいただき、よいものをつくりたい」と話すURの目次。「オフィスで働く人だけでなく、来訪者にも過ごしやすい場所を提供したい」と話す日鉄興和不動産の平出さん。38階建ての業務棟(虎ノ門アルセTORANOMONTOKYO
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