UR PRESS VOL.78
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り、一緒に考える場所にと、ヒントとインフォメーションをかけて命名された。「この団地は建て替え前から居住されている方や新たな入居者に加え、敷地内の保育園や介護施設、隣接する小学校や大学など多様な方々が行き交います。そんな環境のなかでちょっと挨拶したり、顔見知りになることで、何かのときに助け合える、ゆるやかなコミュニティづくりのベースになればと開設しました。今日のイベントは、どんな場所かを知っていただくお披露目の意味を込めて行いました」と話すのは、URの石垣曜子だ。拠点内には、コーヒースタンドとシェアスペースがあり、クラフトビールやコーヒー、ランチなどを提供。サービス内容を検討する日本総合住生活の大淵賢は「さまざまな団地でブルワリーやシェアラウンジなどを手がけ、居住者や地域の輪をつくってきました。そのノウハウを生かし、団地の活性化を追求していきたい」と話す。この拠点の大きな特徴が、「ヒントさん」の存在だ。URコミュニティの山田智之が、その意義を説明する。「ここにいらした方と直に触れあって、グループづくりやイベント開催のほか、日常的な活動の相談を受けたり、申し込みの窓口となるのがヒントさんです。誰もがフラッと立ち寄れる、居心地いい場所になるお手伝いをしたいですね」興味深いのは、東洋大学の参画だ。学生たちはこれまでも地域のお祭りなどに積極的に参加。今後もデザインワークショップなどを開催して地域を盛り上げていく予定だという。福祉社会デザイン学部教授の水村容子学部長に話を聞いた。「団地内にはいろいろな学びの材料があり、学生たちは地域活動のお手伝いなどを通して課題を探求し、自分たちの専門性を高めていくことができます。URさんにはこうした場を提供していただき、感謝しています」共同研究パートナーとして拠点内でコーヒースタンドとシェアスペースを運営するYunchu代表の小野正視さんは「お仕事している方からママ友グループまで、多様な方にご利用いただいています。コミュニティ拠点のコーヒースタンドという特殊性を意識しながら、にぎわいも演出していきたい」と語る。「先日は北区の社協の方が、サークルの情報を持ってきてくださいました。そういう方々とも連携しながら、日々何かしら面白いことをやっている場所にしていければ」と、URコミュニティの平出雅美。新たな拠点は、団地だけでなく地域のコミュニティづくりにも、貴重なヒントをもたらしてくれることだろう。ここを拠点に地域に開かれた団地に  i   20UR PRESS vol.78上/「リサイクルコンポストと菜園プロジェクト」では、厨房で出た生ゴミをリサイクルコンポストで堆肥化。敷地内にある菜園で利用し、将来的には栽培した野菜をコーヒースタンドで提供する予定。左/URの石垣が「最強メンバー」と称する「Hintmation」スタッフたち。前列左から、URコミュニティ山田、URの石垣、日本総合住生活の大淵、後列左から、URコミュニティ平出、Yuinchu小野代表。左上/カラフルなフラワーショップは、茅ヶ崎市からの出店。プラカップに花を入れて、肩から提げたり、コーヒーのように持ち歩いたりできるアイデアが楽しい。左下/「Hintmation」前の通路は、車も通らず広々。屋外グッズもあり、子どもたちが自由に遊んでいた。グッズ類は、今後も日常的に使える予定。下/小さな子どもでも安心な、コンパクトな臼と杵でペッタンペッタン餅つき。Danchisaizensen▶Nouvelle AKABANEDAI

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