UR PRESS VOL.78
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最近、外で遊ぶ子どもの姿をめっきり見かけなくなった。そう感じている大人は多いのではないだろうか。都市化が進むなか、子どもたちが安心して遊べる空間が減り、そこにコロナ禍が追い打ちをかけた。このままでは子どもの健全な発達・発育への影響が心配だという指摘があり、実際に子どもたちの運動能力が低下しているというデータもある。「一方でUR団地には緑あふれる豊かな屋外環境があります。ここを子どもたちの遊び場として活用すれば、課題解決につながるのではないか。遊び場を介して、人と人がつながれる場が生まれるのではないか。そんな思いが今回のプロジェクトの発端です」ど新しい、魅力的な遊び場づくり」プロジェクト(以下、PJ)を進めるURの持田太■樹■だ。千葉市美浜こう説明するのは「懐かしいけ区の高洲第二団地にある、ほとんど使われていない広場を、魅力的な遊び場につくり変えようというこのPJは、2021(令和3)年にスタートした。「まず、URのほかの団地でよく利用されている遊び場を見学に行き、子どもたちの遊び方や、どんな遊具や地形が人気なのかを調べました。文科省が策定した『幼児期に身につけたい36の基本的な動き』を参考に、遊んでいる子どもたちの体の動きも調査。その結果、子どもたちは一般的な複合遊具よりも、昔ながらのシンプルな造形物や周囲の地形を生かした遊びを好み、このほうが子どもたちはたくさんの動きをしていることもわかりました」■ 9子どもの外遊びが消えていく懐かしいけど新しい、魅力的な遊び場づくり遊び場をみんなでつくりみんなで育てる使われていない団地の広場を見直し、地域の人たちとともに新しい遊び場をつくるプロジェクトが千葉県の高洲第二団地で進んでいる。それは単なる遊び場づくりにとどまらず、まちづくりを考えるきっかけとなるかもしれない。UR PRESS vol.78高洲第二団地の遊び場の完成予想パース。広さは約1000㎡。「遊び」のスペースと、既存の広場や林のある「広場・自然」スペースがあり、それぞれで遊びを誘発するような環境を整える。多様な世代が集まって過ごせる場になりそうだ。6月に行われた1回目のワークショップ「自由な外遊びの大切さを知ろう!」で、遠山さんのお話を熱心に聞く参加者の皆さん。武田ちよこ=文、菅野健児=撮影JR稲毛海岸駅から徒歩3分と、交通至便な高洲第二団地。緑が多く快適な環境だ。

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